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「森永卓郎の「マイクロ農業」のすすめ: 都会を飛びだし、「自産自消」で豊かに暮らす」森永卓郎

2025/01/29公開 更新
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「森永卓郎の「マイクロ農業」のすすめ: 都会を飛びだし、「自産自消」で豊かに暮らす」森永卓郎


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー


森永卓郎さんが亡くなったとの報道に接し、こちらの本をご紹介します。


マイクロ農業は楽しい

マイクロ農業とは、家庭菜園よりちょっとだけ本格的な農業のことです。森永卓郎さんは埼玉県所沢市の自宅近くで30坪の畑を借りて、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、ジャガイモ、落花生などの野菜を育てていたという。


畑を始めて一番変わったのは、近所の人とのコミュニケーションが増えたこと。近所の人たちが親切にしてくれて、耕耘機を貸してくれたり、種・苗・肥料などをタダでくれたり、農業のやり方も教えてくれたというのです。


そして農業をしていると、早寝早起きが身につくし、運動にもなるので、とても健康になったという。そもそも大自然のなかで、土をいじっているだけで気持ちがいいし、一日働いた後に見る夕焼けはとても綺麗で、そんな平凡な生活のなかに感じる幸せが、農業にはたくさんあるというわけです。


草抜き作業は、私にとって、スクワットをやっているのと同じ・・それを3時間続けるのですから、ジムに3回通ってやる運動を1回でやるようなものです(p12)

マイクロ農業は地産地消

経済的面で見れば、マイクロ農業は日本の食料自給率を上げ、食料安全保障の一助になります。日本では減反政策で、水田の休耕地が増え、経済成長もしないことから、今後も安定して海外から食料を輸入できるかどうか不安があるのです。


「マイクロ農業」によって、消費者が「地産地消」「自産自消」すれば、食料自給率が上がるのです。ロシアのダーチャ(別荘)の農園のようなものなのです。著者の提案は、「庭つきの家」ではなく「畑つきの家」が基本になれば、日本の農業を支える力になると主張しているのです。


「いきなりは無理」と思う方もいるでしょう。そんな方におすすめなのが「援農ボランティア」体験です(p69)
 

マイクロ農業は素晴らしい挑戦

著者は初めての農業は、肥料や水の適量がわからないし、大雨や強風に襲われたり、虫に食われたり、病気が出たり苦労の連続だったという。


そうした苦労の一方で、作物が少しずつ育っていく様子は、子育てとも似たような喜びがあったというのです。そして60歳を越えて、まったくやったことのないことに一から自分で考えながら取り組む挑戦は、素晴らしい挑戦の機会だったとまとめています。


長い老後をどうするのか考えたとき、農業にしろ、登山にしろ、旅行にしろ、ゴルフにしろ、魚釣りにしろ、サーフィンにしろ自然と触れ合うものは楽しいんだろうなと思いました。森永さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・日本の農業・・・小規模農家の大部分が、人件費を考えたらまったくの赤字でも、農業を続けています。それは、先祖代々受け継いできた農地を守りたいという気持ちもありますが、日本の農家にとっての農業は柔道や剣道や茶道、書道といったものと同じ「道」なのです。だから利益のために道を踏み外すようなことはしません(p114)


・農地を貸してくれた農家のおじさんが亡くなってしまった・・・一部だけでも私が買おうと思いましたが、・・・いまの国の制度では、農地を買うには「農家」にならなければならないのです・・やむなく諦めました(p14)


・2.4ヘクタールの農地で大豆をフル生産すると3トン収穫できる。それを豆のまま販売すると51万円にしかならないが、豆乳チーズに加工すれば3024万円になる(p151)


▼引用は、この本からです
「森永卓郎の「マイクロ農業」のすすめ: 都会を飛びだし、「自産自消」で豊かに暮らす」森永卓郎
森永卓郎 、農山漁村文化協会


【私の評価】★★★★☆(83点)


目次

プロローグ コロナ禍でも楽しき、私の「マイクロ農業」
第1章 マイクロ農業で「幸福」を手に入れる
第2章 都会脱出でマイクロ農業それがコロナ時代の新しい生き方
第3章 「食の安全」を実現し、環境にやさしいマイクロ農業
第4章 若者世代へ「本格田舎暮らし」の提言!
第5章 マイクロ農業で足元から「地球に貢献」


著者紹介

森永卓郎(もりなが たくろう)・・・1957年生まれ。経済アナリスト。獨協大学経済学部教授。東京大学経済学部卒業。日本専売公社、日本経済研究センター(出向)、経済企画庁(出向)、三和総合研究所などを経て、現職。


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