「外資系コンサルの30分で提案書を書く技術ースルーされない資料がサクッとまとまる」森 秀明

【私の評価】★★★★★（91点）

要約と感想レビュー

優れた提案書とは

外資系コンサルの提案書は、どんなものなのでしょうか。優れた提案書とは、新鮮でユニークで大胆な視点がありつつ、現場に配慮した着実で現実感のある提案だという。

例えば、普通の人でもデータや社員から聞き取れば、課題と対策は簡単に発見することができるのです。問題は、なぜその簡単な解決策が実行されていないのか。実は、真の課題がその会社のなかに隠れているというのです。

したがって、提案の前には、策定した解決策をテストしてみて、現場で通用しないことがあれば、それを反映させた血の通った解決策を提案することが肝要だという。

優れた提案書・・・新鮮でユニークで大胆な視点・・・社内の実務家がもっているような細心で着実で現実感のある視点（ｐ197）

解決策とは現実と理想の中間にある

この本では、7つの提案書のパターンが紹介されています。いずれも基本の3章構成として設定（Set-up）、対立・衝突（Confrontation）、解決（Resolution）が含まれています。

つまり、最初に現在の課題を示し、次に理想像を示しますが、実は現実としては簡単に行かないという学びを提示します。そして最後に、真の解決策を示すのです。著者は解決策とは、現実と理想像の中間にあるのです。

提案書のベーシックな構成要素は、「テーマ」と「メッセージ」「基本の３章構成」です（ｐ2）

新規事業は実行に時間をつかう

社内の部門の対立は、当事者間で解決する例はほとんどなく、経営トップの対応が必要などと、コンサルタントとしての経験から、ポイントを押さえていると感じました。

新規事業についても、成功確率は10分の1以下なので新規事業の計画に時間を使うより、その実行に時間を使うべきとしています。

具体的な提案書の構成を示し、よくあるパターン別に説明するなどわかりやすい一冊でした。森さん、良い本をありがとうございました。

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この本で私が共感した名言

・複数のオプションを数字で比較する（ｐ63）

・問題の真因に近づくためには、一次情報、情報の出所に立ち返ることが肝心です（ｐ85）

・カイゼン活動の難しさは、それを継続的に実施することと、組織の隅々にまで浸透させること、当たり前の活動として組織に定着させることにあります（ｐ41）

▼引用は、この本からです

森 秀明、ダイヤモンド社

【私の評価】★★★★★（91点）

目次

はじめに スルーされない提案書を手早く書こう
PART1 気の利いた提案書が書けないのは、ひな型を知らないから
PART2 7つの提案書のパターンの中から1つを選ぶ
PART3 パターン1 「数字で問題解決」提案書の書き方
PART4 パターン2 「他社マネの限界」提案書の書き方
PART5 パターン3「予期せぬ出来事」提案書の書き方
PART6 パターン4 「上辺だけの合意」提案書の書き方
PART7 パターン5 「新しい組み合わせ」提案書の書き方
PART8 パターン6 「新時代の要請」提案書の書き方
PART9 パターン7 「やっかいな問題」提案書の書き方
おわりに 提案書を書くプロに必要な3つの能力

著者紹介

森 秀明(もり しゅうめい)・・・itte design group Inc. 社長兼CEO。経営コンサルタント。一橋大学経済学部卒、慶應義塾大学大学院修了。ボストン・コンサルティング・グループ、ブーズ・アレン・ハミルトンなどの外資系コンサルティング会社を経て現職。WE HELP COMPANIES CREATE THEIR FUTURE STORIES. がミッション。

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