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【書評】「Deep Skill ディープ・スキル 人と組織を巧みに動かす 深くてさりげない「21の技術」 」石川 明

2026/01/23公開 更新
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「Deep Skill ディープ・スキル 人と組織を巧みに動かす 深くてさりげない「21の技術」 」石川 明


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー


新規事業の落とし穴

著者はリクルートで新規事業提案制度の事務局長を務め、自らも総合情報サイト「オールアバウト」の創業に参画しました。その後、企業内起業をサポートするコンサルタントとして独立します。著者が100社の新規事業をサポートして実感したのは、いかに素晴らしい新規事業企画であったとしても、組織中で承認されなければ、挑戦さえできないということです。


また、社長直属の新規プロジェクトが大成功したものの、社長が退任するとプロジェクト・チームへの「恨み」や「反感」が表面化して、その事業が失速していくのも目撃したという。


つまり、人間の作る組織の中では、「事実」や「アイデア」も大切ですが、それと同じくらい人の感情が大きい比重を持っているのです。


「社長の威光」を自分の実力と「錯覚」して、社内に「敵」をつくりすぎた(p210)

社内で孤立しない方法

著者は若い時、知識があるがゆえに「こうしたほうがいいんじゃない?」などと好意でアドバイスしていました。ところが、このアドバイスがかえって、周囲の人から疎まれる結果になっていたと著者は反省するのです。


つまり、知識の足りない相手に解決策を教えてあげるという態度は、「上から目線」に見えるのです。一方的に「事実」や「理論」で相手を否定する態度は、「敵」を増やすだけなのです。


その結果、著者が孤立していたとき、先輩から「社内の人をお客さんだと思ってみれば?」と言われ、著者の行動が180度変わったという。実は、著者が営業マンとして意識していたのは、「しゃべりすぎない」ことだったのです。著者は社内で「よくしゃべる人」だったので、社内的で孤立していたのです。


さらに、著者が参考にしたのは、先輩が「軽く「壁打ち」でもしてみる?」と声をかけてくれた経験でした。「壁打ち」とは、解決策を教えてもらうことではありません。分かっていること、悩んでいることを話すことで、自然と抜けているところが見えてくるというのです。


「壁打ち」をしてもらった相手から、継続的に、貴重な情報がもたらされる・・・「根回し」と同じ効果をもたらす(p117)

経営陣を攻略する

「壁打ち」で社内の敵を減らして、次に攻略すべきは、新規事業の実施を決断する経営陣です。


著者はリクルート時代に、インターネット事業の拡大を訴えるものの、反応は否定的なものばかりだったという。当時は多くのメディアの評価は、「ネットで商売は成り立たない」というものであり、「情報誌事業」で利益目標に追われる担当者がどこのものかもわからないネット事業に興味を示すはずがないのです。


著者はネット業界の著名人を招待して役員向けの勉強会で講演会を開催したら、自分が力説しても聞き入れてもらえなかったネット事業への風向きが一回の講演で変わってしまったという。


提案自体が良いものであれば、あとは経営陣に認めてもらうこと。「ラスボス」をいかに攻略するのか、ゲームのように考え、楽しめばよいというのが著者の考えなのです。


社内の「パワーバランス」を観察する・・「社長の意識がどこを向いているか」・・「上層部の性分」・・「上層部のパワーバランス」(p178)

嫉妬と失敗の責任を避ける方法

新規事業ではうまくいくときもあれば、失敗することもあります。新規事業の担当役員が考えるのは、いつでも逃げ出せるようにしておいて、仮に事業がうまくいったら、自分が前面に出て成果をPRすることでしょう。


ですから、仮に自分が新規事業担当者で、事業が順調で社内報への掲載の打診があったときには、自分が社内報に出るのではなく、担当役員に出てもらいましょう。事業がこのままうまくいけば役員に恩を売れるし、事業が失敗したら担当役員の責任になるからです。


つまり著者の提案は、新規事業については舞台に上がる「俳優」ではなく、筋書きをつくる「脚本家」を目指すべきということなのです。よく会社でも実権を持った黒幕のような人がいますが、これこそディープ・スキルなのでしょう。


小川さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・オールアバウトにおいて、さまざまなジャンルの専門家に「個人」として情報発信する場を提供する・・「偏向報道」に陥る既存メディアと同じ轍を踏まないためでした(p269)


・どうしても納得できないことがあったら「辞める」というカードを着ればいいだけ・・会社のことで、そんなに深刻になることなんてないんですよ(p77)


・「経験知」はあなた自身の経験からしか得られない・・・「与えられた場所」で、とにかく「実績」を出すためになりふりかまわず頑張ってほしい(p85)


▼引用は、この本からです
「Deep Skill ディープ・スキル 人と組織を巧みに動かす 深くてさりげない「21の技術」 」石川 明
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石川 明 (著)、ダイヤモンド社


【私の評価】★★★★★(91点)


目次


第1章 「したたか」に働く
第2章 「人間関係」を武器とする
第3章 「権力」と「組織」を動かす
第4章 「人間力」を磨く


著者経歴


石川 明(いしかわ あきら)・・・株式会社インキュベータ代表取締役 1988年上智大学文学部社会学科卒業後、リクルートに入社。リクルートの新規事業提案制度「New RING」の事務局長を務める。2000 年に総合情報サイト「オールアバウト」社の創業に携わり、事業部長、編集長等を務める。2010 年、企業内起業をサポートするコンサルタントとして独立。100社、2000案件、4000人以上の新規事業を支援。


敵を作らない関連書籍


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