【書評】「「町工場」破天荒社長の全力経営- 売上も給与も、社員の意識も上昇し続ける」石原雅也
2026/01/22公開 更新
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
要約と感想レビュー
花火大会を毎年自主開催
岡山県笠岡市の白石島で、7000発の花火大会を毎年自主開催している切削工具の会社があるという。
切削工具の再研磨・製造・再コーティングを行う(株)アイエスツールでは、2021年コロナ禍で花火大会が軒並み中止になる中で、社員旅行の替わりに花火大会を開催することにしたのです。
社員50名ほどの小さい会社ですが、業績がアップしたのもコロナ禍からです。多くの会社が営業を控えるなか、感染症対策をしながらお客様のところに出向いたことで、多くの新規取引先を獲得できたのです。
「コロナ禍が終わったらもういいよ」なら、お断りします(p81)
苦難は続く
2008年の創業から苦難は続きました。まずは、資金もないし、発注もない。とにかく安値でも仕事を引き受けて、業務を続けました。
リーマンショックで資金ショートしそうになって、コンサルタントに資金調達をお願いしたら、お金をすべて持ち逃げされました。大家さんが個人的にお金を貸してくれて、なんとか倒産を免れました。
2018年には大雨で川が氾濫して工場が水没してしまいました。真水と油で洗浄したら、8割の機械が復旧できました。
著者はこうした逆境に耐えて、これまで生き残れたのはなぜだろうと考えた結論は「無知」だったから。何も知らなかったから、ガムシャラに行動し、苦難を乗り越えられたのです。
氾濫の被害をまともに受けました・・・「これはもういけない。工場も終わりだ」と覚悟しました(p49)
人を育てる
(株)アイエスツールでは、人材育成に力を入れていることがわかります。従業員に女性や外国人が多く、初心者でもやる気があれば、採用しているという。
そして、何回言っても理解できない人には理解できるように伝える。忘れる人には忘れないように伝える工夫をしているという。そもそも町工場に入社する人たちの多くは、平均点が高くないのです。何かひとつだけ得意なので、そのひとつを伸ばしていくという。
毎月一度、各分野の第一人者を招待して勉強会を開催していることも素晴らしいと思いました。
アイエスツール全体の社員の男女比率は「男性6:女性4」と、半数近くを女性社員が占めています(p64)
近くの人に貢献できる会社
著者は「ここで働きたい」と思える会社をつくりたいと起業しましたが、世の中、そんなに甘くなかったようです。それでも、仲間と励まし合い、近くの人のために貢献できる会社を作ることができました。
椎茸づくりの農家さんのために「いい椎茸をつくれるドリル」を作ってあげたいと提案する社員もいたという。こうした多くの中小企業群とそこから大きくなっていった企業の集団が、日本の強みなのだと感じました。
石原社長、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・アイエスツールの企業理念・・・「遠慮と貧乏と、そして言い訳を嫌え」(p194)
・社員の心には、名もない小さな町工場で働くことの「劣等感」があったと、正直、思っています(p4)
・疑問や不安があれば自分で納得がいくまで調べ、考え、時には転院も厭わずに行動してきました。ある病院の医師から「これ以上は改善しない」という診断を受けても・・・自分で活路を切り拓いてきました(p165)
▼引用は、この本からです

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石原雅也 (著)、ワニブックス
【私の評価】★★★☆☆(75点)
目次
第1章 起業、そして貧乏
第2章 豪雨災害からの復旧
第3章 コロナ禍という好機
第4章 町工場と花火大会
第5章 「満身創痍」が原点
第6章 「町工場の仕事」の流儀―アイエスツールの仕事論
第7章 全員が仲間―町工場の人材論
著者経歴
石原雅也(いしはら まさや)・・・株式会社アイエスツール代表取締役社長。1981(昭和56)年、広島県福山市生まれ。1999(平成11)年、広島県立福山工業高等学校卒業後、福山市内の製造業の会社に入社。2000年、福山市内の製造業へ転職。2005年、岡山県の製造業へ転職(現・アイエスツール専務・宗田隆幸と出会う)。2008年、宗田と共に切削工具の再研磨・製造を主な事業とする株式会社アイエスツール創業。現在、役員・社員49人。約1600社の取引先を抱え、2026年にはベトナム進出の予定。
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