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【書評】「100億企業のつくり方 中堅企業にスケールアップするための6つの経営戦略」船井総合研究所

2025/08/13公開 更新
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「100億企業のつくり方 中堅企業にスケールアップするための6つの経営戦略」船井総合研究所


【私の評価】★★★☆☆(75点)


要約と感想レビュー


売上高100億円を推奨する理由

船井総研は、どんなコンサルをしているんだろう?と手にした一冊です。


船井総研が売上高100億円を推奨する理由は、外部からその地域にお金を引っぱってくることで、地域に雇用を生み、地域を発展させることができるからです。


なぜ売上高が100億円かといえば、30億円くらいまでなら社長一人で会社を引っぱっていけます。しかし、100億円企業ともなると、組織力が必要となるのです。そして、組織で稼げるということは、事業承継も容易になり、家族経営から脱却し、組織経営に移行することを意味するわけです。


個人的には、売上高よりも、粗利益や営業利益を目標にしたほうがよいのではないかと感じましたが、わかりやすいタイトルにしたのでしょうか。


売上高100億円に達する企業は、日本の企業全体でわずか1%の存在だ(p3)

売上高100億円のつくり方

では、30億円の売上高をどうやって100億円にするのでしょうか。それは、売上高100億円という目標を決め、それを起点に10年間すべきことを逆算して計画していきます。


つまり、売上高100億円と決まれば、100億円企業をベンチマークすればよい。


売上高100億円を支える組織を考え、そこに当てはまる人材を作っていかなくてはなりません。10年後をターゲットに、いかに経営幹部を育て、採用していくかを考えるのです。現状の事業を拡大しながら、別の収入の柱となる新規事業も必要となるかもしれません。


売上高10~30億円(従業員50人)の企業は、資金調達力が強くないので、既存事業に近い「客層特化型」や「事業ドメイン特化型」の新規事業を推奨しています。


特に船井総研のお勧めは、現状の事業を行っている地域で親和性の高い複数の事業を展開していく地域コングロマリット経営戦略だという。


新規事業は「千三つ(1000件のうち、3件しか成功しない)」の世界・・だからこそ新規事業は、すでに世の中にあり、成功の形も見えているものから自社に合うものを選んだほうがいい(p82)

社内の仕組みを固める

事業管理は、予実算管理が基本となりますが、月次で予実算管理します。船井総研のお勧めは、税引後利益まで予算を作成することです。私はアメーバ経営のように、事業別に労働時間当たりの付加価値の管理も有望ではないかと思いましたが、そこまでは要求しないのかもしれません。


組織については、社長の代わりに営業、マーケティング、財務、人事、システムなどを任せる組織を作ります。部長だけでなく、COO、CMO,CHRO、CFO、CTOといった経営層の責任者を置いてもよいでしょう。


例えば、CFOを置けば、資金繰りや資金調達からB/S,C/F、P/Lの管理まで任せることができるのです。


財務の権限移譲・・財務管理体制をつくり、財務部長へと権限委譲を行っていく。具体的には・・金融機関との面談、補助金申請への社内的な対応なども、CFOがいれば、経営者の手から離れる部分が大きい(p260)

船井総研は売上300億・営業利益率27%

売上高を増やしていく過程では、従来の延長に加えて、新規事業やM&Aが必要かもしれません。「予実管理」「組織体制」「規程整備」といった大企業であれば、当たり前に感じることも整備が必要です。


多くの従業員が効率的に仕事を進めることができるよう基幹システムや顧客管理ソフトの導入も必要になるでしょう。


そして、仮に売上高が大きくなり、生産性が上がるかといえば、現実的には売上高に比例して生産性が下がってしまうことが少なくないという。生産性について、もう少し深堀してもらいたいように思いました。


ちなみに船井総研は売上高300億円、営業利益率27%の優良企業です。経営コンサルする資格があるということです。船井総研さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・個人保証なしで対応してもらえるように組み、後々の事業承継のことも視野に入れて・・基本的には20の金融機関との取引が目安だ(p242)


・「100億円企業化」という目標・・昇進する道があれば、そこを目指すモチベーションにつながり・・成長の機会を与えることになる(p109)


・客層特化型・・自動車販売を営む企業が、整備業や保険業へと事業を広げるようなイメージである。「車」を中心に、顧客との関わり方が増えていく(p89)


・サプライチェーン統合型・・農業者による6次産業化は川下へと広げる典型だ・・フルーツを、自らジャムに加工して消費者に販売して届ける(p94)


▼引用は、この本からです
「100億企業のつくり方 中堅企業にスケールアップするための6つの経営戦略」船井総合研究所
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船井総合研究所 (著)、プレジデント社


【私の評価】★★★☆☆(75点)


目次


序章 「規模」がこれからの時代の経営における「正解」になる
第1章 バックキャスティング経営戦略
第2章 地域コングロマリット経営戦略
第3章 100億企業化へのM&A経営戦略
第4章 CRMカンパニー経営戦略
第5章 上場レベルの経営管理戦略
第6章 高解像度の投資財務戦略
終章 日本の未来を担う100億企業化


著者経歴


株式会社船井総合研究所(ふないそうごうけんきゅうじょ)・・・中小企業を対象とする経営コンサルティング会社。業種・テーマ別に「月次支援」「経営研究会」を実施する支援スタイルを取り、「成長実行支援」「人材開発支援」「企業価値向上支援」「DX支援」を通じて、社会的価値の高い企業を創造することをミッションとする。


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