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「こうして社員は、やる気を取り戻す」三谷文夫

2024/08/22公開 更新
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「こうして社員は、やる気を取り戻す」三谷文夫


【私の評価】★★★☆☆(74点)


要約と感想レビュー

労働環境と動機づけのバランスが大切

社会保険労務士である著者が主張するのは、社員に「やる気」を出してもらうためには、 すべての職場環境に目配せが必要ということです。給与・福利厚生・人間関係などの労働環境だけではなく、目標設定ややりがいある仕事などの動機づけも必要です。つまり、バランスが大切なのです。


進め方としては、会社の0点から30点のところをなくして、60点、70点くらいにしていく必要があります。労働基準法を守っていなかったり、パワハラやセクハラが横行しているのは0点で、人事評価や目標管理が明確ではない場合には30点です。まず、ここから手を付けていくのです。


やる気の向上・・・衛生要因と動機づけ要因のどちらもバランスよく充実させることが必要(p6)

仕組みを改善

最低限、制度や環境が整ったら、次は細部の仕組みを改善していきます。提案制度や業務改善制度がなければ導入してみましょう。「自分の意見で何か変わるかも」という職場風土のきっかけになるかもしれません。


目標管理制度を作ったら、定量的に測定できる少し挑戦的な目標を設定することを管理職にお願いしてみましょう。人事評価制度を明確化したら、部下の話を聞く時間を設けるようにしてみましょう。管理職によって部下との対話時間のばらつきを減らすことになるはずです。


大企業ではすでにやっていることが多いように感じますが、当たり前のことを当たり前に整備して、やることが大切なのだと思いました。


管理職・・部下の話を聞く時間を設けましょう(p143)

パワハラ・セクハラを根絶する

職場環境は、経営者や管理職の態度が大きく影響します。著者は、会議で参加者に感想を聞き、発言に対しては批判しないようにして、会議では必ず全員が発言するような職場風土を作ることを提案しています。


そのためにも、経営者や管理職にアンガーマネジメントを学ばせます。まずは、「アンガーログ」をつけて、自分の怒りの傾向を知るなどのワークをすることで、かなり改善するという。


また、ハラスメントについては、経営者や管理職としては、「パワハラ、セクハラを根絶する」というメッセージが大切だとしています。さらに、パワハラやセクハラ等を受けた人が、被害について相談したら、「あなたの方に問題があったのではないですか」とさらにハラスメントを受けるセカンドハラスメント対策も必要だという。


パワハラ疑惑の兵庫県知事に読んでほしい一冊でした。三谷さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・「お互いに無関心な職場」が人間関係を悪くする一因だと考えています(p93)


・部下から相談・・ポイントは、上司がすぐに答えを出さない、ということです(p149)


・上司が叱るべきときに叱ることができないと・・職場全体の士気(モラール)が低下し、「この会社にいても意味がない」と成長意欲をなくす部下も出てきます(p162)


・仕事ができすぎる上司は、部下の成長を阻害していることがある(p166)


▼引用は、この本からです
「こうして社員は、やる気を取り戻す」三谷文夫
三谷文夫、ぱる出版


【私の評価】★★★☆☆(74点)


目次

第1章 社員がやる気を失う社風とその対処法
第2章 社員がやる気を失う職場とその対処法
第3章 社員がやる気を失う労働条件とその対処法
第4章 社員がやる気を失う上司とその対処法
第5章 その他社員がやる気を失う場面と対処法



著者経歴

三谷 文夫(みたに ふみお)・・・社会保険労務士/産業カウンセラー。三谷社会保険労務士事務所 代表。1977年大阪府生まれ。慶應義塾大学法学部卒。数回の転職の後、28歳で製造業の総務課スタッフとなる。2013年、三谷社会保険労務士事務所を開業し独立。現在は、労務相談業務をメインに、就業規則や人事評価制度の作成、企業研修を行っている。甲南大学非常勤講師を経て、現在は関西学院大学法学部非常勤講師。労働法の講義で教鞭をとる。日本アンガーマネジメント協会アンガーマネジメントファシリテーター。妻と子4人の6人家族。喫茶店でのコーヒー&読書タイムをとても大切にしている。


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