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「ガチャガチャの経済学」小野尾 勝彦

2023/10/13公開 更新
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「ガチャガチャの経済学」小野尾 勝彦


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

ガチャガチャ専門店が増えてきた

近くのショッピングモールにもガチャガチャ専門店があったな!と手にした一冊です。この本に書いてある数字を前提にざっくり計算してみると、1個300円のガチャガチャ1台で1日5個売れると仮定して、粗利30%とすれば年商は300円×5個×0.3×365日=16万円となります。


店舗で200台設置するとすれば粗利は年3000万円くらい。初期投資がどれくらいかかるのか、売上がほんとうに安定的に発生するのか知りたいところです。最近のガチャガチャ専門店は、白っぽい店舗で清潔で明るい雰囲気を演出し、若い女性がお得意様になって、売上も増えているという。


・ガチャガチャの森・・1年目は(月)200万~300万円程度でしたが、2年目3年目になると大人の女性が完全にメインのお客様となったので、倍ぐらいの売上を出すようになりました(p106)


ガチャガチャはワクワクを売っている

ガチャガチャ専門店の魅力は、アンケートでは、景品のクオリティの高さ、何が出るかわからないドキドキ感、豊富な品ぞろえ、低価格で買いやすい、機械を回す楽しさの順番となっているとのこと。私もガチャガチャ専門店の魅力は、「ドンキホーテ」や100円ショップのように、ぶらぶらしながら「こんなのがあるんだ!」と買い物ができるワクワク感にあるように思います。


今の時代は、お金さえあれば何でも買えますので、物を買うというより、友達と一緒になにかで盛り上がりたいというだけなのです。実際、ガチャガチャの森を経営している人も、この本の中で「我々は物売りではない」お客様に「ワクワク」「ドキドキ」を売っているんだと言っています。


・予定外の商品との出会いを期待して訪れて、つい買ってしまう時間を楽しむ「コト消費」の場(p24)


ガチャガチャの未来

ガチャガチャといえば、「くら寿司」の景品もカプセル入りでガチャガチャと似ているし、「ガスト」でも、子どものメニューを頼むと、ガチャガチャ用のコインがもらえます。テレビでも1000円ガチャガチャで投入したお金が出てきた商品で元が取れるかどうかという企画の番組を見たことがあります。このようにガチャガチャは形を変えつつも、今後も無人で景品を安く提供する手段として生き残っていくのでしょう。


中古のガチャ本体は1,2万円で買えるようなので、個人でガチャガチャを買ってイベントか何かで使えないかなと考えていました。小野尾さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・「ガチャガチャの森」「ガシャポンのデパート」「ガシャココ」・・などのガチャガチャ専門店が推定で500店舗ぐらいあります(p18)


・ガチャガチャのビジネスは「3カ月前受注」「返品なし」というシステム・・大ヒットでなければ、基本的に再生産はしません(p54)


・初期受注数・・現在は多くて3万個、通常は1万個まで下がっています(p82)


・ご当地ガチャブームの先駆けと言われるのは、2021年3月に埼玉県さいたま市の大宮区で、大宮駅周辺の観光スポットや老舗店などをアクリルキーホルダーにして地域限定で販売した「大宮ガチャタマ」(p146)


▼引用は、この本からです
「ガチャガチャの経済学」小野尾 勝彦
小野尾 勝彦、プレジデント社


【私の評価】★★★☆☆(77点)


目次

第1章 市場規模は610億円へ!コロナ禍でも急成長したガチャガチャビジネス
第2章 誰がつくって、誰が売っている?知られざるガチャガチャビジネスのしくみ
第3章 フロントランナーに聞く、ガチャガチャビジネスで成功する方法
第4章 カプセルレス、キャッシュレスも登場!進化を続けるガチャガチャビジネス最新トレンド
巻末対談 森永卓郎(経済アナリスト)×小野尾勝彦



著者経歴

小野尾勝彦(おのお かつひこ)・・・一般社団法人日本ガチャガチャ協会 代表理事、株式会社築地ファクトリー 代表取締役。日本のガチャガチャ元年である1965年生まれ。1994年ガチャガチャメーカーの株式会社ユージン(現タカラトミーアーツ)に入社し、数多くの商品開発を手がける。2019年に独立し、現在はガチャガチャビジネスのコンサルティングや商品企画などを行う。


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