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【書評】「なぜ「戦略」で差がつくのか。戦略思考でマーケティングは強くなる」音部大輔

2026/01/05公開 更新
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「なぜ「戦略」で差がつくのか。戦略思考でマーケティングは強くなる」音部大輔


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー


戦略の定義

P&Gジャパンでマーケッティングを学び、ダノン、ユニリーバ、日産自動車、資生堂などでマーケティング担当副社長やCMOを歴任した著者が、戦略について考えた一冊です。


戦略の定義は、目的を達成するため方針・指針です。戦略とは、計画を作るときの方向性を示し、取捨選択の判断基準を示すものです。


したがって、戦略には目的があり、目的に曖昧さは許されません。目的設定では、P&GではSMACを使い、ユニリーバではSMARTを使っていたという。


Specific (具体的)
Measurable (測定可能)
Achievable (達成可能)
Consistent (一貫性)


Specific (具体的)
Measurable (測定可能)
Achievable (達成可能)
Relevant (関連性)
Time-bound (期限)


戦略とは「目的達成のための資源利用の指針」(p27)

戦略を考える

戦略の要諦は、違うことをするか、違うようにするかだという。そして戦略を考えるとき、考える質問のとして2つの例を示しています。


一つは「何が問題か?」です。「何が問題か?」と考えてみると、戦略によって何の問題を解決することを目的にしているのかが明確になります。


また、 もう一つは「ある場合とない場合、なにが違いとして発生するか」です。「この行動がある場合とない場合」を考えてみると、その戦略の効果をイメージできるのです。


ただ、守秘義務があるためなのかわかりませんが、具体的な戦略の実例が説明されていない点が残念でした。


過去の成功とその戦略に固執しすぎたために衰退した例は、枚挙にいとまがない(p278)

戦略の必要性

戦略が明確であることの良い点は、経験が学習につながり、次回の達成確率が上がることです。目的を高い確率で達成するのが、正しい戦略であり、経験により戦略取捨選択して成功の確率を上げていくのです。


逆に戦略がないと、確率を上げたり、成功を再現しにくくなります。例えば、天才マーケッターが戦略を考え、うまくいっていたとしましょう。後継者がいない場合、天才が不在となった場合、成功が継続できるか不透明です。


また、戦略もなく手当たりしだいに施策を実施していると、どの施策がどの程度機能したのかわからなくなります。施策ごとの効果が見える化されなければ、何を変えればよくなるのか、悪くなるのかさえわからないのです。


天才的な人たちが存在する・・天才たちの問題は、部下を育てるのがあまり上手ではないことだ・・後継者がいない場合には注意が必要だ(p204)

戦略の落とし穴

戦略の落とし穴としては、手段が「目的」になって、「目的」が忘れ去られることを説明しています。顧客動向把握のためにシステムを入れようとして、システムを入れることが目的化してしまうというパターンです。


また、組織が大きすぎると戦略を関係者全員と共有するだけでも難しくなります。戦略をやろうとしても、本社に提出する書類作成のルーチン・ワークだけで毎日が終わってしまう会社も少なくないのです。


戦略について一般的な内容でした。★3つとします。音部さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・管理がありすぎて方針がなさすぎる・・・明文化された戦略を持つことは、方針を示して管理を減らすことにつながる(p185)


・過去の歴史的事実として大失敗を振り返る・・・大事なのは、大崩壊をもたらすかもしれない事態をなるべく全部掌握しておくことである(p285)


・戦略予備としての資源はどの程度に保有すべきであろうか・・ひとつは、最初から10%を予備とする、と決めてしまうことである(p195)


▼引用は、この本からです
「なぜ「戦略」で差がつくのか。戦略思考でマーケティングは強くなる」音部大輔
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音部大輔 (著)、宣伝会議


【私の評価】★★★☆☆(78点)


目次


1 戦略を定義付ける
2 戦略の構成要素1 「目的」を解釈する
3 戦略の構成要素2 「資源」を解釈する
4 戦略の効用
5 戦略を組み立てる
6 戦略を管理する
7 戦略的に考える
8 「戦略」をより深く理解する


著者経歴


音部大輔(おとべ だいすけ)・・・関西学院大学商学部卒業後、P&Gジャパンのマーケティング本部に入社。17年間の在籍中、ブランドマネジャー、マーケティングディレクターとしてアリエール、ファブリーズ、パンパースなどのマーケティングを担当。ダノン、ユニリーバ、日産自動車、資生堂などでマーケティング担当副社長やCMOを歴任し、2018年にクー・マーケティング・カンパニーを設立。


戦略思考関係書籍


「なぜ「戦略」で差がつくのか。戦略思考でマーケティングは強くなる」音部大輔
「ボスコン流 どんな時代でも食っていける「戦略思考」」牧野 知弘
「戦略的思考トレーニング 目標実現力が飛躍的にアップする37問」三坂 健
「企業参謀―戦略的思考とはなにか」大前 研一
「続 企業参謀」大前 研一
「戦略がすべて」瀧本 哲史


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