「戦略的思考トレーニング 目標実現力が飛躍的にアップする37問」三坂 健
2023/05/03公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
戦略的思考とは
戦略的思考とは、何でしょうか。この本を読んで私の結論は、目的を達成するために何を捨てて、どこに集中するのか決断することだと思いました。例えば、ホットペッパーは居酒屋を中心とした飲食店の紹介からスタートしました。スティーブ・ジョブズは、アップル製品を「iMac」「Power Mac」「iBook」「PowerBook」の4機種に統合しました。
限られたリソースの中で目標に向けて最大の成果を出すために、捨てるべきは捨てて、どこかに集中する必要があるのです。もちろん前提条件として、組織で行動するために、「何のために行うのか」「いつまでに、どの程度の目標を実現するのか」を明確にして、組織内で意識を統一しておく必要があります。
目標を置いて、戦略を展開・・「何が足りないのか」という視点にシフトし、それを調達する(p77)
アウトサイド・インで考えるとは
この本ではアウトサイド・インで考えることを推奨しています。アウトサイド・インとは、目標や顧客のニーズから考えるということです。現状の課題や、今ある商品や人材といった内部環境から考えると、どうしても考えが狭くなってしまうのです。
一番よいのは、市場(顧客)が求めているもので、競合(ライバル)が提供できないもので、自社のみが提供できる商品やサービスです。もちろん完璧な戦略は存在しません。戦略的にアウトサイド・インで考えることで、リソースを分散させたり、現状の商品や人材に固執することによる大失敗を回避できる可能性が高まるのではないでしょうか。
自社が有している強みを軸にした商品やサービスとマッチする顧客を見つけること、定義すること、場合によっては創り出すこと(p118)
根回し調整が難しい
でも実は現場の担当者は、何をすべきなのか知っていることが多いのではないかと感じました。わかっているけれど、これまでやってきた仕事のやり方を変えることができない。提案したとしても組織として決定できない。下手をすると足を引っ張られて、面倒くさい人にされてしまうこともあると思うのです。
新しい仕事や仕事のやり方を変えるためには、関係者の利害を調整し、課題を解決し、譲歩案を含めて議論して、納得してもらうプロセスが存在します。これが大変なことなのでしょう。仕事を変えるとは、たいへんですが、それだけやりがいのある仕事だと感じました。もう少し戦略について学んでいきたいと思います。三坂さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・戦略的思考を実現するうえでの目安は「やってできないことはない」レベル・・・こうした目標のことを「ムーンショット」と呼びます(p53)
・いい戦略・・・成果が現場の努力に依存しすぎていない・・・「戦わずして、勝つ」を実現すること(p124)
・顧客を理解するうえでは、「分ける」こと、すなわちセグメンテーションが不可欠です(p101)
・既存事業を軸に、「新用途」「新技術」を経て「新需要」を生み出す(p155)
・ステークホルダー一人ひとりについて、戦略に対して「ネガティブ」「中立」「ポジティブ」のスタンスを明らかにする(p172)
【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
第1章 戦略的思考とは「強い想いを実現するための思考」である
第2章 「アウトサイド・イン」で考えよう
第3章 努力に依存しないシナリオを描こう
第4章 理感一致で人を動かそう
第5章 戦略的にロードマップを展開しよう
著者経歴
三坂 健(みさか けん)・・・ビジネスコンサルタント。株式会社HRインスティテュート代表取締役。1977年、兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、安田火災海上保険株式会社(現・損害保険ジャパン株式会社)にて法人営業などに携わる。退社後、HRインスティテュートに参画。2020年1月より現職。企業向けの経営コンサルティングを中心に、組織・人材開発、新規事業開発など、様々な支援を行っている。
戦略思考関係書籍
「ボスコン流 どんな時代でも食っていける「戦略思考」」牧野 知弘
「戦略的思考トレーニング 目標実現力が飛躍的にアップする37問」三坂 健
「続 企業参謀」大前 研一
「戦略がすべて」瀧本 哲史
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