「戦略がすべて」瀧本 哲史


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【私の評価】★★★★☆(84点)
要約と感想レビュー
■戦略とは、より少ない努力で
より大きな成果を出すための
組織の方針です。
ビジネスにおいては、
自社が勝てる土俵で戦うこと。
資源をそこに集中する。
しかし、集中するとは、
他を切り捨てること。
普通の日本人には難しい。
結果して総花的な計画となり、
日本人は戦略が弱いと
言われてしまうのでしょう。
・どの土俵なら勝てるかを見極め、
勝てる土俵を選ぶ・・・
楽勝でできることを、徹底的にやる(p95)
■この本では戦略だけでなく、
知恵を使った戦術も
数多く紹介しています。
騙し続けられる「カモ」を探す方法・・・
報道ニュースを作り出す方法・・・
大学の偏差値を上げる方法・・・
かつてのFIT電気のように嘘があったとしても
CMとしてインパクトがあり、
売り上げさえ上れば
違法ぎりぎり何でもありの会社も
多いのは事実なのです。
・自分がよく精通しているテーマの新聞報道を
読んでいると、例外的で特殊なケースが
一般例のように報道されることは決して
珍しくない・・・取材側はすでにある種の
ストーリーを事前に作っていて、これに
合うようなエビデンスを探し出すという
方法で取材を行っている(p142)
■良い意味でも、悪い意味でも
日本人は戦略に弱いのだと
思いました。
だから戦略的にやれる人に
やられてしまう。
勝つためにウソでも誤解を与えても
どうどうとCMを打つ。
勝つためにライバルの商品を
コピーする。
勝つために不振の事業部を潰して
好調の新事業に集中する。
さすがにそこまではできないとしても、
やれる範囲で真正面から戦略を
考えていきたいものです。
瀧本さん
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・鉄道会社は、鉄道を敷いて、その周辺の街を開発することで、大規模な集客を行い、そこに様々な事業者のビジネスを誘致する(p30)
・勝てる土俵を作り出す・・・オリンピックにおける正しい戦略とは何か・・「メダルがとりやすい競技を見極め、そこに資源を集中して投入する」・・・マイナー競技も狙い目である・・(p90)
・「知恵」を輸出するビジネス・・オーストラリアなどで安く土地を買い、その土地を改良し農地として使い易くした後に高値で売却する(p127)
・「市場からの評価」というリスクは会社にとらせ、自分は社内という狭い世界で評価されることを目指し、イニシャチブをとって会社の変化を主導する・・この方策を狙うのが最もローリスクでリアリティがあるのではないかと思う(p88)
・幾つかの大学では、大学の見かけの偏差値を上げる手段として、推薦などの「多面的な人物評価」枠を増やすことで、通常の入試の定員を減らしている(p206)
・コンサルティング会社でも弁護士事務所でも・・・・「太い客」を持ってくることが、出世の決め手になる・・素質のありそうな人間をとりあえず大量採用し、才能が開花して顧客を獲得できた人間だけがパートナーになれる(p21)
・「逆をとる」、すなわち自分の仮説と逆の考え方や事実を探し、それがどの程度信頼できるかという、反証的な視点で確認していく・・・ネガティブな評価をしている人達を中心にヒアリングする(p148)
・日本人の組織は、意思決定のまずさを現場の頑張りで何とか解決しようとする。ところが残念なことに、「戦術の失敗は戦略で補うことが可能だが、戦略の失敗は戦術で補うことはできない」(p248)
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▼引用は下記の書籍からです。
【私の評価】★★★★☆(84点)
目次
1 ヒットコンテンツには「仕掛け」がある
2 労働市場でバカは「評価」されない ル
3 「革新」なきプロジェクトは報われない
4 情報に潜む「企み」を見抜け
5 人間の「価値」は教育で決まる
6 政治は社会を動かす「ゲーム」だ
7 「戦略」を持てない日本人のために
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