人生を変えるほど感動する本を紹介するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

【書評】「愛ある経営 -与えることが未来をつくる!」冨安徳久

2025/06/19公開 更新
本のソムリエ
本のソムリエ メルマガ登録[PR]

「愛ある経営 -与えることが未来をつくる!」冨安徳久


【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー


我が家の家訓

著者は子どもの頃、おじいちゃん、おばあちゃんから自律しなさい、人のお役に立つような仕事に就きなさい、迷ったらしんどい方を選びなさい、とずっと言われてきたという。


なぜ、自律するのかといえば、祖父母も両親も先に死んでしまうから、自分で稼ぐ能力が必要だからです。


なぜ、人のお役に立つ仕事をするのかといえば、目の前の人が喜んで笑顔になってくれたら、自分も嬉しい、自分も笑顔になれるからです。


なぜ、しんどい方を選んだ方がいいのかといえば、誰かがきっと喜んでくれるから。誰かが喜んでくれたら、それで自分も幸せな気分になれるからだというのです。


著者はこの、自分の幸せのために「目の前の人を本気で想う気持ち」こそが「愛」であると定義しています。


人のために生きなさい。将来はね。人のお役に立つような仕事をするんだよ・・理由:みんなね、自分が一番可愛いの、それはそれでいいの。でもね、自分のことを喜ばす方法を知らない人が多いの(p137)

葬儀の仕事こそ人のため

人のために生きなさいと言われて育った著者は、大学入学前に葬儀社のアルバイトで、葬儀の仕事こそ人のためになる仕事であると確信し、18歳で葬儀社の社員となるのです。


社員になってみると、当時の葬儀会社では、病院営業といって病院との関係を作ることが基本でした。毎年、病院に寄付をして遺体搬送依頼を出してもらったり、病院に遺体搬送数に応じてキックバックしていたのです。そして、病院への寄付やキックバックは葬儀料金に営業費用として上乗せされていたわけです。


著者はこうした損得勘定で葬儀の仕事をするのが嫌でした。だから、「日本で一番「ありがとう」と言われる葬儀社!」というスローガンで起業し、適正な葬儀価格を打ち出したのです。


葬儀業界の価格破壊・・名古屋は全国トップクラスで、葬儀費用の高いエリアだった・・「葬儀業界の価格破壊ではなく、適正価格を初めて打ち出したんです」(p101)

「愛ある経営」とは

著者の「愛ある経営」とは、生き甲斐などのお金以外の報酬を先にいただき、その後で、お金という報酬もいただくというものです。もちろん人のお役に立つことを先にして、お金を後にすると、良いこともあれば、悪いこともあります。


悪いこととしては、著者は社員に会社の売上700万円を持ち逃げされたことがあります。友人にお金を貸したら、返してくれないこともありました。若い頃には、先輩から「会社のためでなく、自分のために働きなさい」とアドバイスされたこともあります。


著者はそうした失敗から、社員がお金で不正をしない仕組み作りが必要だと学びました。また、お金を貸すのが必ずしも愛ではないと学んだのです。


失敗も成功も全部「自分自身が学ぶためにある」と理解した時、心はいつの間にか軽く穏やかになっていきました(p25)

一歩踏み出せる人を育てる

著者の会社での教育方針は、スタッフ一人一人の現状を把握し、一対一で気長に信じて育てることです。そしてスタッフが、動いてみる人、挑んでみる人、やってみる人になるように促すのです。


「できない!」ではなく、「絶対にできる!」という根拠なき勇気で、一歩踏み出せる人が目標なのでしょう。徳を積むことで、周りの人が自分のために働きたいと思い、そうした人が周りに集まってくれるという著者の人生観は正しいと思いました。


冨安さん、良い本をありがとうございました。


無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信)
3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。

この本で私が共感した名言


・その会社で働くことによって、世の中にどんな良いことを与えられるのか?これこそが「働くことの本質(p43)


・平成の時代には、明らかに「学歴社会」から「人柄社会」へと移っていきました(p38)


・「努力に勝るのは、好きになるか、夢中になるしかない!」(p54)


▼引用は、この本からです
「愛ある経営 -与えることが未来をつくる!」冨安徳久
Amazon.co.jpで詳細を見る
冨安徳久 (著)、株式会社Wonder Note


【私の評価】★★★★☆(87点)


目次


第一章:愛こそがすべて
第二章:試練が心を強くする
第三章:人生与えた分だけ与えられる
第四章:愛ある教育
第五章:いただいた愛を繋ぐ


著者経歴


冨安 徳久(とみやす のりひさ)・・・1960年:愛知県の果樹園農家の長男として生まれる。1979年:大学の入学式直前、葬儀のアルバイトで感動して、18歳で葬儀の世界に入る。1982年:父親の病気のために愛知県に帰り、東海地方の互助会に転職。1990年:生活保護者や行旅死亡人の葬儀を切り捨てる会社の方針に納得できず、独立を目指す。1997年:(株)ティア設立。翌年1号館「ティア中川」をオープン。適正料金を完全開示するという業界革命を起こす。2006年:名証セントレックスに上場。2008年:葬儀業界改革企業として2009年『カンブリア宮殿』・『ザ・サンデーnext』などに出演。
2013年6月:東証二部上場、2014年6月東証一部上場。2024年10月現在:直営店・FC店合わせて211店舗、会員数は51万人を超え、年間約26,000件を超える葬儀を承っている。


この記事が参考になったと思った方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


ブログランキングにほんブログ村



<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本


コメントする


同じカテゴリーの書籍: