「武器としての交渉思考」瀧本 哲史

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武器としての交渉思考 (星海社新書)

【私の評価】★★★★☆(89点)


■マッキンゼーでのコンサルティングや
 投資家として企業再建する中で
 交渉してきた著者が教える交渉の基本です。


 交渉とは人間相互の理解と
 納得を得るプロセスであり、
 相互の利益の調整であり、
 合意を作り出す手段なのでしょう。


 マッキンゼーにいただけあって
 合理的な交渉術が集約されています。


・× 僕が可哀想だからどうにかしてほしい
 ○ あなたが得をするからこうすべき(p116)


■交渉の理想は、相手が自然と
 それを選択せざるをえない環境を
 作り出すことでしょう。


 また、多くの選択肢を持つようにして、
 相手の利害と自分の利害を把握し、
 両者にとってよりよい選択をする。


 単発の交渉なら一人勝ちもありますが、
 長期の取引なら相互に利益がなければ
 続かないことも配慮すべきなのでしょう。


・・交渉では、まずは複数の選択肢を持つこと
 ・そして、目の前の選択肢とパトナ
  (他の選択肢のなかでいちばん良いもの)とを
  比較しながら、交渉を行っていく(p142)


■交渉には情と理があり、
 両方バランス良く教えてもらえるのが
 素晴らしいところだと思いました。


 世の中には非合理的な交渉相手も
 たくさんいますので、
 その対策も大切なのです。


 瀧本さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・あらかじめ交渉の前に、チームのメンバー全員で・・・
 その交渉において「発してはいけないワード」を
 共有しておく必要があるでしょう(p295)


・交渉が決裂したときに相手がどうなるかを考える
 相手側のパトナを見極めるために
 「たくさん聞いて、たくさん提案する」(p154)


・譲歩するかどうかを考えるときには、
 1 無条件の譲歩は絶対にしない
 2 「相手にとっては価値が高いが、
  自分にとっては価値が低い条件」を
  譲歩の対象とする(p204)


・相手の譲歩があまりにも
 魅力的な提案だったとしても、
 けっしてすぐに受けてはいけません・・・
 表情には出さずにいったん
 「考えさせてください」
 と言うべきです。なぜかといえば、
 そうすることで相手からさらなる譲歩が
 引き出せることがあるからです(p207)


・交渉においては「相手がどういう立場の人間なのか」
 ということがきわめて重要な意味を持ちます・・・
 現場の担当者レベルの場合は、自社の利益よりも
 「自分個人にとってメリットがあるかどうか」が
 判断基準となるケースが少なくない(p224)


・「客が儲かれば、お金はあとからついてくる」・・・
 このことをマッキンゼーでは、
 「Client interest first money follows」
 と言います(p93)


・複数の人が集まってひとつの目標に進むときには、
 大きなビジョンを(ロマン)と、それを実現させる
 ためのコスト計算(ソロバン)の両方が大切に
 なるわけです(p69)


・非合理的な交渉者の3番目は、
 「自律的決定」にこだわる人です・・・
 彼らはよく交渉の途中で「そんな話は聞いていない」
 「急に言われてもわからない」などと言います。
 何よりも「自分で決めている」
 という感覚が欲しいのです(p260)


・「重要感」を重んじる人・・・
 「最近、自分が出した本の売れ行きがいまいちだから、
 あの編集者はちょっと俺を軽んじているのではないか?」
 などと怒って暴れる作家は珍しくありません(p272)


・「ランク主義者」の人・・・
 私は「名刺じゃんけん」と呼んでいますが、
 名刺の肩書きを見て相手のランクを把握し、
 対応を決めるような人たちです(p275)


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■目次

ガイダンス なぜ、いま「交渉」について学ぶ必要があるのか?
1時間目 大切なのは「ロマン」と「ソロバン」
2時間目 自分の立場ではなく、相手の「利害」に焦点を当てる
3時間目 「バトナ」は最強の武器
4時間目 「アンカリング」と「譲歩」を使いこなせ
5時間目 「非合理的な人間」とどう向き合うか?
6時間目 自分自身の「宿題」をやろう



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