「君に友だちはいらない」瀧本 哲史
2014/01/06公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
東京大学からマッキンゼー、その後、日本交通の再建に携わり、現在は投資家として活動している著者の一冊です。成果を出すチームは、「7人の侍」のような目標を持った色々な特技を持ったゲリラ的なチームであるという。これはマッキンゼーでの経験によるものなのでしょう。
つまり、厳しい仕事をブラックと表現することがありますが、マッキンゼーやリクルートを卒業した人のように「ブートキャンプ的環境」で厳しく鍛えられ、業務経験を通じて大きく成長することができる会社は、ブラックではないのです。
確かに、普通のチームでは、できそうな目標を設定して、そこそこで満足してしまうケースが多いと感じます。そうしたチームでは、能力のある人は、片手間でも対応できます。その代わり、結果は凡庸で終わり、人も育たないのです。やはり、この本が書かれるように、できなさそうでできる高い目標をいかに設定し、チームでコミットできるのかどうかだと思いました。
・プレッシャーがないところでは、「非凡な人」は退屈し、「凡庸な人」だけが残ることになる(p221)
著者が「友だちも仲間も他人から「配られる」ものではなく、自分自身の生き方を追求することで、自然にできあがっていく」と言っているように、自分自身が主人公となって周囲の環境を動かして「脚本」を描くことが大事だとわかりました。
その人がそれなりの人を引き寄せているのであり、どんな人が自分に対して関心を抱くかは、自分自身の波動の反映なのです。「人材がいない」というのは、自分に向かって悪口を言っているようなものなのでしょう。
瀧本さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・大きな世の中のパラダイム・シフトというのは、「世代交代が引き起こす」(p31)
・パナソニック、ソニーは、それぞれ松下幸之助が24歳、井深大が37歳のときに起業している。・・ソフトバンク、日本電産、ユニクロは、孫正義が22歳、永守重信が28歳、柳井正が35歳のときに社長になった(p36)
・本質的にノマドやフリーランスは「強者」にのみ許される働き方であることに注意しなければならない(p76)
・私はいつも「大学の本当の価値は、一に同級生、二に図書館が充実していること」と述べている(p127)
・「そもそも、その業界がある意味は何なのか」・・・たとえば出版社ならば、・・・なぜ本を作って売るのかをつきつめて考えれば、「コンテンツを通じて人々の生活を精神的に豊かにする」「生活していくなかで人々が必要とする情報を提供する」(p233)
・「何でもいいので年間で10億円ぐらい利益が出るアイディアを5個ぐらい出してください」というオファーが出されたことがあった。(p289)
▼引用は下記の書籍からです。
【私の評価】★★★★☆(82点)
目次
第1章 秘密結社をつくれ
第2章 本当の「よいチーム」とはなにか
第3章 ビジョンをぶちあげろ、ストーリーを語れ
第4章 よき仲間との出会いのために
第5章 チームアプローチはあなたと世界をどう変えるか
著者経歴
瀧本 哲史(たきもと てつふみ)・・・1972年生まれ、2019年没。日本のエンジェル投資家、経営コンサルタント。京都大学産官学連携本部イノベーションマネジメントサイエンス研究部門客員准教授、株式会社オトバンク取締役、全国教室ディベート連盟副理事長等を歴任した。瀧本孝雄の子。
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