人生を変えるほど感動する本を紹介するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

「武器としての決断思考」瀧本 哲史

2016/11/12公開 更新
本のソムリエ
本のソムリエ メルマガ登録[PR]

武器としての決断思考 (星海社新書)


【私の評価】★★★☆☆(75点)


要約と感想レビュー

 マッキンゼーにいた瀧本さんが、京都大学の一般教養で教えている「意思決定の授業」です。「決定する」ということは、人間だけに与えられた特殊な能力です。しかし、教えるに、教えられない。不思議な能力だと思います。そこでこの本では、意思決定のための方法の一つである議論(ディベート)の基礎を学びます。欧米では大統領選挙で、それぞれが主張し合う議論(ディベート)をします。日本では課題・論点を示し、解決策をいくつか示し、それを会議で議論していくという形でしょうか。


 やる・やらないの判断をする場合には、基本的にはメリット、デメリットを考えます。そして、現実にあった判断をするためにメリット、デメリットを根拠や反論により検証していくことになります。社会に入ると、嘘は言わないまでも、大事なことを言わない人がいるものです。そうした人にコントロールされないためにも、それはナゼ?データはあるの?現場に行って見た?と質問していかなくてはならないのです。それが本当かどうかをまず疑うことが大事なのです。


・根拠があるかどうかを判断する方法はカンタン。「なぜそうなんですか?」と聞くだけ(p158)


 面白いところは、論理的に正しそうでも間違っていることがあることです。より深い質問によってその主張の本質や欺瞞を引き出せる可能性があること。論理的に議論しても最終決断はトップの主観であることが多いこと。そうした実際の決断には、論理だけでは割り切れないところがあるのです。大学の皆さんも社会に入って、この授業で学んだことを体験することがあるでしょう。頭でわかっていても、本当にわかっているわけではないことに気づくことになると思います。


・最後の最後は「主観で決める」・・ディベート思考とは、客観を経て、主観で決断する方法です(p237)


 こうした判断能力は、育った環境、つまり両親の判断能力だったり、上司の判断能力から学ぶことから人によって差が大きいと感じます。だからこそ、こうした本で基本を学ぶ必要があるのでしょう。人生を切り開く決断をしたい人に、お薦めします。瀧本さん、よい本をありがとうございました。瀧本さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・賛成側と反対側に分かれて議論を行うために、「〇〇すべきか、否か」「〇〇は是か非か」という二者択一になるように議論を設定しなければなりません(p78)


原典にあたってみると、もっと良いことが書かれているということがすごくある・・・・原典にあたることを習慣にすると、他の人より一段上の意見を言えるようになるでしょう(p198)


・「ネットになり=情報がない」と勘違いしてしまう人・・本や雑誌など違うメディアをあたるか、やはりその当事者に話を聞きにいくなどしたほうがいいでしょう(p199)


・相手が一般論を語り出したら、例外を聞く・・・会社は学歴重視だ」と・・言い出したら、「やっぱり東大や早慶が多いんですか?」と聞き、そのあとに「それより学歴が下の人で採用された人がいたら、どういう人か教えてもらえますか?」と質問する(p207)


・「キリスト教では・・」みたいなことを一般論として言う人がいたら、「あなたの言うキリスト教とは、カトリックですか、プロテスタントですか、それとも他のものですか?」と聞く。・・詭弁にダマされづらくなるし、論理的な思考力も増していきます(p178)


・問題を分析する手法・・正式なディベートでは、「リンクマップ」というものを作って考えていきます。大きな問題から生じる要素を洗い出し、それらをつなげていく・・ことで、争点をしぼるのです(p87)


・発言で強調されているポイントは実は重要でない可能性がある・・・言いたくない情報は隠し、どうでもいい情報は誇張することが多い(p205)


・相手を説得するときは、相手が何を重視しているかを理解して、それに合った重要性を提示することが必要となってきます(p109)


・「これを飲むだけで痩せる!」・・要は被験者たちは痩せたらギャラをもらえるので、ダイエット食品を食べる以外にもいろいろと痩せる努力をしているのです(p190)


▼引用は下記の書籍からです。
武器としての決断思考 (星海社新書)
武器としての決断思考 (星海社新書)
posted with Amazonアソシエイト at 16.11.12
瀧本 哲史
講談社
売り上げランキング: 9,605


【私の評価】★★★☆☆(75点)


目次

はじめに 「武器としての教養(リベラルアーツ)」を身につけろ
ガイダンス なぜ「学ぶ」必要があるのか?
1時間目 「議論」はなんのためにあるのか?
2時間目 漠然とした問題を「具体的に」考える
3時間目 どんなときも「メリット」と「デメリット」を比較する
4時間目 反論は、「深く考える」ために必要なもの
5時間目 議論における「正しさ」とは何か
6時間目 武器としての「情報収集術」
7時間目 「決断する」ということ



著者経歴

 瀧本 哲史(たきもと てつふみ)・・・京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門客員准教授。エンジェル投資家。東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科助手を経て、マッキンゼー&カンパニーにて、主にエレクトロニクス業界のコンサルティングに従事。内外の半導体、通信、エレクトロニクスメーカーの新規事業立ち上げ、投資プログラムの策定を行う。独立後は、企業再生やエンジェル投資家としての活動をしながら、京都大学で教育、研究、産官学連携活動を行っている。全日本ディベート連盟代表理事、全国教室ディベート連盟事務局長、星海社新書軍事顧問などもつとめる。


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!


この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
blogranking.png
人気ブログランキングへ


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ第3位
にほんブログ村

<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本


コメントする


同じカテゴリーの書籍: