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【書評】「もう即戦力を採り逃さない「人の見抜き方」: 「思い込み」に隠された真の能力は「ニュートラル視点」で引き出す」本杉芳和

2025/04/04公開 更新
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「もう即戦力を採り逃さない「人の見抜き方」: 「思い込み」に隠された真の能力は「ニュートラル視点」で引き出す」本杉芳和


【私の評価】★★★☆☆(76点)


要約と感想レビュー


ニュートラルな心とは

これまで7000人と採用面接や社員面談をしてきたという著者の「求職者の適正や能力を見抜くコツ」は、ニュートラルな心を持つことです。ニュートラルな心とは、自分とは異なる相手のことも認められる心。ニュートラルだから感情で判断するのではなく、相手を変えたいとも思わない心です。


ニュートラルな心であれば、転職回数の多い求職者を忍耐力がない人ではないかと先入観を持つこともありません。最近の調査では、30代の半数以上が転職を経験しており、3割の人は2回以上の転職を経験しているのです。


人の適正や能力を適切に判断するためには・・相手を変えたいと思わない。感情で相対しない。自分をニュートラルな状態に保つ(p27)

採用面接で見抜く質問

実際の採用面接では、どのような質問をしているのでしょうか。


これまで実績を出している人なら、手法や取組みを聞いてみて、再現性があるものなのか確認します。自分で試行錯誤して、実績を上げるための本質を理解している人は、その過程やエピソードをいくらでも語ることができるのです。


また、履歴書にないことでも、「ご自身の短所はなんですか?」などと聞いてみます。想定外の質問に、会話のキャッチボールができる人なのかどうか確認できるという。


管理職の採用であれば、「部下に仕事を任せるときに、どのような任せ方をしていましたか?」などと確認します。仕事のできる人が、人を育てることのできる人とはかぎりません。優秀であっても、部下の仕事を自分でやってしまうような人でないか確認するのです。


確実に実績を上げている人は、具体的なエピソードをいくらでも語ることができます。そして成功するまでの過程の質問に対しても、説得力ある受け答えができるのです(p91)

受け答えの誠実さを見る

求職者は自分をよく見せようとするため、受け答えの誠実さを見たり、複数の人の目で見て判断する必要があります。


例えば、転職理由として求職者が「自分を成長させるため」と言ったら、「前の会社では成長できないのでしょうか?」などと聞いてみます。本当のことを話していない場合、回答に深みがなく、抽象的な言葉になりがちなのでわかるというのです。


本音で話す人は少ないのですが、話の細かいところに、その人の考え方が現れることがあります。例えば、前の会社が倒産などして転職活動している人であれば、「会社のせいで、就職活動しています」と回答する人と「会社には感謝しています。前職では培った経験を活かすべく、転職活動をしています」と答える人では、まったく違うのです。


相手の良さを引き出すには自慢話を聞くこと(p127)

仕事や上司との相性

採用担当者として気づいたことは、配属では適正や能力を参考にしますが、仕事との相性や上司との相性の影響が思ったより大きいということだという。


例えば、経理の仕事であれば、頭の良し悪しよりも、地道な作業が苦にならない人のほうがうまくいくというのです。また、適性や能力より、上司との相性の影響が大きいというのは事実なのでしょう。


本杉さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・ニュートラルな心・・「ミスを頻発する部下を認めない」のではなく・・そのうえで、「ではミスをしないためにはどうしたらよいのか」を考えるということです(p58)


・適正検査・・厚生労働省編の「一般職業適性検査」」と「内田クレペリン検査」(p136)


・大手企業出身の求職者・・期待するのは、環境の変化に適応できる柔軟性を持って、中小企業にも大企業の良い点を伝えてほしい・・いったんは、いまのウチのやり方を是として義務に取り組んでください(p164)


▼引用は、この本からです
「もう即戦力を採り逃さない「人の見抜き方」: 「思い込み」に隠された真の能力は「ニュートラル視点」で引き出す」本杉芳和
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本杉芳和 (著)、合同フォレスト


【私の評価】★★★☆☆(76点)


目次

第1章 自分を見抜く
第2章 人を見抜く
第3章 組織を見抜く


著者経歴

本杉芳和(もとすぎ よしかず)・・・総務人事歴20年の採用人事のプロフェッショナル。1965(昭和40)年生まれ。東京電力を経て、1996年から市内で英会話スクールを3年間経営。その後、富士フイルムの関連会社で人事を担当。現在は上場企業のグループ会社で人事職に従事。延べ7000人の採用面接と社員面談に関わる。2011年、小田原市議会議員選挙に出馬するも落選。2012年、整体院を開業。2013年、転職や独立のための教育機関「本杉総合教育研究所」を開設。現在、半導体製造会社にて人事課長として勤務。


採用面接関連書籍

「もう即戦力を採り逃さない「人の見抜き方」」本杉芳和
「イーロン・マスクの面接試験」ウィリアム・パウンドストーン
「トップグレーディング採用術」ブラッド・D・スマート


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