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【書評】「[実践]ストーリーテリング「論理だけでは伝えにくいこと」が伝わる技術」野口 吉昭

2025/09/17公開 更新
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「[実践]ストーリーテリング「論理だけでは伝えにくいこと」が伝わる技術」野口 吉昭


【私の評価】★★★☆☆(73点)


要約と感想レビュー


ストーリーを準備する

ストーリーについて勉強中です。この本ではストーリーを効果的に使った事例を、いくつも紹介してもらえます。


まず見てほしいのは、スティーブ・ジョブズのプレゼンでしょう。スティーブ・ジョブズは「電話を再発明する」とiPhoneを発表しました。スタンフォード大学で行った「点と点をつなぐ(Connecting the dots)」スピーチも有名です。


スティーブ・ジョブズはリハーサルに2日間も使っているように、天才というよりもプレゼンでのストーリー性の重要性を理解し、徹底して準備しているのです。


スティーブ・ジョブズは・・たった数分間のプレゼンテーションのために,チームは延べ数百時間の準備をしたうえ,会場でのリハーサルに丸2日間を使う(p34)

ストーリーを「まくら」にする

著者が紹介するストーリーの良い活用事例は、予備校講師の授業です。予備校講師は、受講生に「伝える」ことに注力しているのです。


著者は受講生だったとき、物理の講師が、最初の授業で黒板に音符をバラバラに書いたという。「これ,わかる?」と問いつつ、講師は、その上に五つの線を書いたのです。著者は楽譜だ!と気づきました。


「誰の曲だ?」「モーツァルトだ。つまり物理とは,未知なることに法則性を見つけることだ」と講師は教えてくれたのです。このようにストーリーを落語の「まくら」のように使えば、つかみはばっちりというわけです。


参考になるのが落語だ・・落語は噺(はなし)の筋立て(=ストーリー)があらかじめ決まっており・・「語り口をつくる」ことはできる(p56)

ビジネスプレゼンのストーリー

ビジネスの場合,まずはPREPを自分のストーリーとして使えるか考えるべきでしょう。PREPとは最初に結論(Point)を述べ、その結論の理由(Reason)を伝え、具体的な例(Example)を語り、最後に再度,結論(Point)を述べるフレームワークです。


これに数字やデータを入れれば、「納得感」がある内容となるでしょう。つまり、物語的なストーリーと論理的でロジカルな数字を組み合わせることで、説得力が高まるのです。


もちろん、現場では原稿の棒読みでは人の心を動かすことはできません。聞き手の目を見て、話しましょう。


ストーリーに納得感を持たせる・・コンセプト化した内容を「ナラティブ(物語的)」「ロジカル(論理的)」のゴールデンバランスでストーリー化する(p63)

講演会でのテクニック

一般的な講演会のテクニックとして、TEDのように動画や写真やイラスト,現物を使ってみてもよいでしょう。また、聴講者に「質問」したり、「手を上げて答えてください」と続けると,聴講者に刺激を与えることができます。


講演会であれば、照明やBGMなどの演出をを導入することで、聴講者のワクワクを引き出すこともできるのです。


全体的にまとまりがわかりにくい印象でした。★3つとします。野口さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・ルーサー・キング牧師の演説も,「私には夢がある」というキーメッセージを何度も語り,その前後に,どんな夢でも,それが生まれた背景にな何があるのかを伝えている。これも,PREP技術の応用といえる(p128)


・売れる商品にはストーリーがある・・任天堂のゲーム機「Wii」・・家族を中心にした「人々の笑顔」にコンセプトを広げている(p46)


・エアビーアンドビー・・民泊に体験を重ねた,その人らしい旅のストーリーを提示している・・たとえば,アルメニアの古民家,米国マリブのキャンピングカー,バリ島の竹のログハウス,スコットランドの古城(p51)


・一般論的な隠喩・・人生は旅である。自分で道を選び,自分で荷を負う。嵐の谷もあれば,雪降りやまぬ山もあるだろう。しかし,得られる地平は常に自分のものである(p139)


▼引用は、この本からです
「[実践]ストーリーテリング「論理だけでは伝えにくいこと」が伝わる技術」野口 吉昭
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野口 吉昭 (著)、大和出版


【私の評価】★★★☆☆(73点)


目次


第1章 あの人が話すとなぜ動きたくなるのか―数字で頭を刺激し、イメージで心を揺さぶる
第2章 伝え上手は話のデザインが必ずうまい―ストーリーは相手軸に立って組み立てる
第3章 記憶に残るフレーズを量産する―ストーリーに個性を与える六つのステップ
第4章 人は法則通りに感動してくれる―ストーリースクリプトを効果的に使う
第5章 アガリがなくなる語りの安定技術―自信オーラがあふれ出るデリバリースキル
第6章 心をつかむ一瞬を一流人に学ぶ―日本の話芸と米国名演説の共通点


著者経歴


野口吉昭(のぐち よしあき)・・・横浜国立大学工学部大学院修了。建築設計事務所、ビジネスコンサルティング会社を経て、1993年に人財開発コンサルティング会社のHRインスティテュートを創業。現在、同社のフェローおよびエグゼクティブコンサルタント。これまで1000社以上の企業、3万人以上のビジネスパーソンに人財開発コンサルティングを行ってきた。ストーリーテリングは、広範な人たちから支持を集めている。


プレゼン関連書籍


「[実践]ストーリーテリング「論理だけでは伝えにくいこと」が伝わる技術」野口 吉昭
「社内プレゼンの資料作成術」前田 鎌利
「心理学的に正しいプレゼン」スーザン・ワインチェンク
「グロービスMBAで教えている プレゼンの技術-人を動かす勝利の方程式」グロービス
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