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「「会社の悪口」は8割正しい コンサルタントが教えるダメな会社の困った病」秋山 進

2016/11/11公開 更新
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「会社の悪口」は8割正しい コンサルタントが教えるダメな会社の困った病 (SB新書)


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

 会社にはその会社の習慣があります。それは長い歴史の中で熟成され、伝承されてきたものです。その習慣こそが、会社をその会社たらしめているということなのでしょう。


 例えばロジックや数字より、偉い人の感覚のほうが社内で重要だったりする。長い時間をかけて完成された、社内の掟に背くことは許されないのです。年功序列の副作用ということもあるでしょう。


・(お客のために考えた提案が、「わかるけど、代理店がなんて言うかな」という課長の一言で却下される)などは、多くの組織に見られる現象である(p10)


 この本では日本の会社にありがちな、困った習慣をいくつか挙げています。担当者が10人も来る会社。事務系と技術系の社内対立。新しいもの嫌いの上層部。


 かつては陸軍と海軍が対立したように、どこの日本の会社の中にも対立・不満の種はあるのです。自分の出世の有利になるために失敗は許されないし、できれば業績の悪いのは他の部署の責任で、業績が良いのは自分の部門の成果でありたいと思ってしまうのです。


・理解し合えない状態に陥って・・"物語"と"データ"の対決・・"企画系の部署"と"製造系の部署"・・"文系"と"理系"・・(p79)


 やはり面白いのは、著者の経験したリクルートの褒める文化でしょう。リクルートのノルマは厳しく、結果を出さないと居場所がない。ところが、著者の分析では褒める文化があるからこそ、なんとしてでも達成しなくてはならないと思うらしいのです。


 そうしたちょっとした社内文化で、業績と将来性に差が生まれるのかもしれないと思いました。「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という雰囲気が、人を変えるのです。


 秋山さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・老害にかからない唯一の方法は、ずっと現場の第一線で働き続けることだけである(p73)


・経営者は1人だけを頼りにせずに、分野ごとのブレーンを社内外に見つけ出さなければならない(p110)


・自分の能力も他人の能力も過信するな・・「自分の能力の限界を知る」「領分をわきまえる」(p111)


・「今、10億円使えるとしたら、何に使う?」・・と聞かれて、即答できる人はいるだろうか(p134)


・人と食事したり、いろんな地域を見て回ったり、自己研鑽に励むべく研修に出るようなことにお金を使っていないということは、投資してないということだからすぐに行き詰まる(p141)


・リクルート社・・「褒める」という文化・・目標を達成すると、名前入りの垂れ幕が下がり、オフィスは「おめでとう!」の声と拍手でいっぱいになる(p148)


▼引用は下記の書籍からです。
「会社の悪口」は8割正しい コンサルタントが教えるダメな会社の困った病 (SB新書)
秋山 進
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【私の評価】★★★☆☆(77点)


目次

序章 コンサルタントは組織の何を見ているのか?
CASE1 「ずらずら病」は日本組織の大問題だ
CASE2 感化された"TEDかぶれ病"につける薬
CASE3 「老害役員」が緩やかに導く"組織の死"
CASE4 なぜ"文系"と"理系"は社内対立してしまうのか
CASE5 「ご新規3名様!」と案内する店に明日はない
CASE6 超高学歴"社長の右腕"を迷参謀にした病の元凶
CASE7 「肝入りプロジェクト」がうまくいかない真の理由
CASE8 日本企業を覆う「お金を使えない病」
CASE9 リクルート成長の原動力となった「褒める文化」のリアル
CASE10 職場の「ワイガヤ」は善か悪か



著者経歴

 秋山進(あきやま すすむ)・・・プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、BCP策定、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。


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