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「僕は君たちに武器を配りたい」瀧本 哲史

2012/01/10公開 更新
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僕は君たちに武器を配りたい


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー

 コンサルタントであり投資家でもある著者が、これから社会に入る若者に助言する一冊。社会でお金を稼ぐにはどうすればいいのか。社会のお金儲けの構造はどうなっているのか。私も教えてもらいたい内容でした。


・基本的に一般投資家が株式投資で確実に儲けることはほぼ不可能・・得られる情報の速度と深度がまったく違う・・個人投資家が損をしたお金でファンドや投資信託などが儲けている構図が実はある(p212)


 これからの世の中は、特徴を持たない人は非常に安い賃金で働かされることになります。名古屋のバス運転手の年収800万円が批判されるのは、そうした背景があるのでしょう。したがって、金を稼げる人とは、付加価値をつけることのできる人であり、この本ではマーケター、イノベーター、リーダー、インベスターであるとしています。


・実際のところ革命的なことを成し遂げるリーダーの多くは、ある種の人格破壊者であるか、あるいは新興宗教の教祖のような自己愛の塊である。そして、そうした強烈なリーダーが率いているからこそ、組織は成功するのである(p203)


 いきなりそうした人にはなれませんから、修行が必要です。まずは、自分の狙う業界にもぐりこんで、修行することです。そこで自分の実力を磨き、自信があれば独立すればいい。


・その会社を徹底的に研究する。そして、その会社が潰れる前に退職し、その会社を叩き潰す会社を作るのである(p178)


 学生向けの本としては、かなりレベルの高い本でした。授業が評判なのも当然ですね。瀧本さん、よい本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・福沢諭吉が『学問のすすめ』という書物によって伝えたかった真意は・・「学問をすることで人間には差がつく」と宣言したのだ・・慶応義塾では、最新の西洋の学問を教えており・・・慶応義塾の「宣伝本」でもあったのである(p20)


・いきなり独立するのではなく、自分のいる部署の中で新たな事業プランを生み出したり、市場のニーズに合わせた新製品の企画を提案できるような立場になってから、予行演習をして独立する人も少なくない(p76)


・「世の中でこれが流行っているから」と現時点で話題になっている業界の会社に就職する学生は多いが、これも非常に危険な選択である(p96)


・ほかの業界、ほかの国、ほかの時代に行われていることで「これは良い」というアイディアは「TTP(徹底的にパクる)」すれば良いのである(p181)


・本当にダメで使いようがない馬をふるい落として、気性は荒いけれど力が強かったり、足は速くないがスタミナがあったりする馬の素質を見抜いて、適材適所に仕える能力のほうがずっと役に立つ(p189)


▼引用は下記の書籍からです。
僕は君たちに武器を配りたい
瀧本 哲史
講談社
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【私の評価】★★★★★(91点)


目次

第一章 勉強できてもコモディティ
第二章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
第三章 学校では教えてくれない資本主義の現在
第四章 日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
第五章 企業の浮沈の鍵を握る「マーケター」という働き方
第六章 イノベーター=起業家を目指せ
第七章 本当はクレイジーなリーダーたち
第八章 投資家として生きる本当の意味
第九章 ゲリラ戦のはじまり



著者経歴

 瀧本 哲史(たきもと てつふみ)・・・京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門客員准教授。エンジェル投資家。東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科助手を経て、マッキンゼー&カンパニーにて、主にエレクトロニクス業界のコンサルティングに従事。内外の半導体、通信、エレクトロニクスメーカーの新規事業立ち上げ、投資プログラムの策定を行う。独立後は、企業再生やエンジェル投資家としての活動をしながら、京都大学で教育、研究、産官学連携活動を行っている。全日本ディベート連盟代表理事、全国教室ディベート連盟事務局長、星海社新書軍事顧問などもつとめる。


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