人生を変えるほど感動する本を紹介するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

【書評】「すごい壁打ち―頭の中の解像度がぐんぐん上がる」石川 明

2026/01/14公開 更新
本のソムリエ
本のソムリエ メルマガ登録[PR]

「すごい壁打ち―頭の中の解像度がぐんぐん上がる」石川 明


【私の評価】★★★★☆(86点)


要約と感想レビュー


「壁打ち」とは

壁打ちは、「ちょっと5分いいですか?」という気軽な声かけから始まり、頭の中にあるモヤモヤとした思考を話すだけというものです。著者は壁打ちは、雑談と相談の中間にあるコミュニケーションと定義しています。


著者が就職したリクルートでは、「ちょっと壁打ちに付き合ってくれない?」という声かけがオフィスの中を飛び交っていたという。


著者は現在、新規事業の立ち上げ支援を行っていますが、何に困っているのかさえうまく言葉にできなかった人が、壁打ちによって頭の中を整理し、解決の糸口を見つけていく場面に、何度も立ち会ったという。


壁打ちは、自分の頭だけでなく、他の人の頭も借りながら考えを深めていく「思考法」といえます(p51)

良い壁打ちのコツ

壁打ちのコツは、相手に声をかけるとき「壁打ちである」と相手にはっきり伝えることです。声をかけられた相手が、何を期待されているのか誤解してしまうと、議論になったり、解決策を提案されてしまったり、怒り出してしまうかもしれません。


頭の中にぼんやりとあった考えを言葉にまとめ、論点を整理することが目的なのであり、解決策を求めているわけではないのです。そもそも、アイデアが整理されているなら壁打ちは必要ありません。


だから思いついたまま、話せばよいのです。何から話せばいいか迷う場合には、時系列で話すとわかりやすいという。


また、相手から異なる意見が出たときには、議論するのではなく「なぜそう思うのか?」と相手の考えの背景を探ることだという。そうした異なる視点に気づくのも壁打ちのよいところなのです。


壁打ちはまさに、この「異なる視点との出会い」を生み出す実践です(p122)

壁打ちのメリット

壁打ちのメリットは、質問に答えていくうちに、頭の中にぼんやりとあった考えが言葉にまとまっていくことです。ふと思いついた小さなアイデアが、壁打ちしたことをきっかけに膨らみ、具体化し、形になっていくこともあったという。


また、壁打ちには「根回し」と同じ効果があります。壁打ちによって、良い人間関係が築けるのです。元気な組織では壁打ちがよく行われており、仕事ができる人の多くも、意識せずに自然に壁打ちを周りの人と行っているという。


結果して壁打ちは、風通しのよい職場を作ります。「なんかまずい感じがする」という漠然とした現場の気づきを壁打ちが拾い出してくれる可能性もあるわけです。


漠然とした気づきがあっても、「何が問題なのか、原因は何か、対策もセットにしてから報告せよ」と上司に言われると、結局、問題を抱えて一人で考え込むしかなくなってしまう(p73)

対話の重要性

会社では対話の機会を増やすため、飲み会ややタバコ部屋に代わるものとして、カフェスペースを設けたり、ランチ会や「井戸端会議」などの仕組みを作っている会社もあるようです。


大切なのは、社員が思いついたアイデアがたとえ曖昧だったり、未熟だったりしても、気軽に口に出せる雰囲気づくりであり、壁打ちはその手段の一つなのです。壁打ちが常識の職場では、「結論から話せ!」などという上司はいないのでしょう。


リクルートの壁打ちは、本田技研工業のワイガヤと、コーチングを組み合わせたようなものだと思いました。気楽に課題や悩み話を聞いてもらえるのは、ありがたいことだと思うのです。石川さん、良い本をありがとうございました。


無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信)
3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。

この本で私が共感した名言


・壁打ちは「仮説思考」そのものです・・自分の中でモヤモヤしていること、そんな段階の思考を言葉にして、誰かに聞いてもらうこと(p232)


・行き詰まっているとき・・・迂回する選択肢も考慮すべき・・・さまざまな選択肢を示すことで、相手の中で「絶対に譲れない条件」と「実は変更可能な条件」が整理されていく(p155)


・相手は必ずしも自分が考えていることに関する専門家である必要はありません。むしろ、知識や経験が豊富すぎる人は、ついアドバイスしたくなったり、自分の意見を述べたくなったりして、良い「壁」になれないこともあるのです(p80)


・良い壁打ち・・「遠い人」「苦手な人」にも・・・声をかけやすいように、日頃から人間関係づくりが欠かせません(p108)


▼引用は、この本からです
「すごい壁打ち―頭の中の解像度がぐんぐん上がる」石川 明
Amazon.co.jpで詳細を見る
石川 明 (著)、サンマーク出版


【私の評価】★★★★☆(86点)


目次


第1章 アイデアがふくらむ、問題解決がうまくいく「壁打ち」
第2章 思考を深める壁打ちの「基本」
第3章 頭の中の解像度が上がる「すごい壁打ち」
第4章 悩みをうまく聴ける「壁」になる
第5章 壁打ちの「機会」を増やし、成果に繋げる
第6章 壁打ちは「組織」も強くする


著者経歴


石川 明(いしかわ あきら)・・・株式会社インキュベータ代表取締役。1988年上智大学文学部卒業後、リクルートに入社。新規事業提案制度「New RING」の事務局長を務め、1000件以上の新規事業の起案に携わる。2000年にリクルートの社員として、総合情報サイト「オールアバウト」社の創業に携わり、事業部長、編集長などを務める。2010年に独立起業。新規事業の創出に携わり、これまで150社、3000案件、6000人以上の新規事業検討に伴走し支援してきた。


リクルート関連書籍


「すごい壁打ち―頭の中の解像度がぐんぐん上がる」石川 明
「仕事をしたつもり」海老原嗣生
「Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方」平尾 勇司
「どこでも誰とでも働ける―12の会社で学んだ「これから」の仕事と転職のルール」尾原和啓
「「数字で考える」は武器になる」中尾 隆一郎
「職場の「やりづらい人」を動かす技術」秋山 進
「すぐに結果を出す新入社員は、「これ」だけやっている 20代のうちに身につけておきたい「しごと」のコツ」伊庭 正康


この記事が参考になったと思った方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


ブログランキングにほんブログ村



<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本


コメントする


同じカテゴリーの書籍: