「Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方」平尾 勇司
2016/03/24公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(95点)
■「Hot Pepper」といえば、
リクルート系列の
月刊のフリーペーパー、
無料クーポンマガジンです。
当初、リクルートでは、
『サンロクマル(360°)』という
雑誌を発行していました。
サンロクマル事業のコンセプトは
特定エリアの販売情報をすべて
掲載した情報誌。
一部うまくいっている地域はあるものの、
うまくいかない地域がほとんどで、
赤字が累積していました。
・『サンロクマル』も、「飲食コンテンツが
読者キラーコンテンツだ」と方針を出しても、
営業は動かず実行しなかった・・
『サンロクマル』は怪しい
エステ本になっていった(p64)
■『サンロクマル』の失敗は、
何でも載せるコンセプト自体によって
選択と集中ができていなかったこと。
「Hot Pepper」では、
一部のエリアでの成功していた方法に
営業方針を統一しました。
それは、まず
飲食店を攻めること。
飲食店の掲載件数が、
地域の15%、または100件以上になったら
美容室に営業をかけるのです。
ある程度の量が集まることで、
読者が比較・検討できる媒体として
魅力が増していくのでしょう。
・コンテンツをていねいに順を追って
完成度を高めていく・・
飲食→美容室→リラクゼーション→
キレイ→スクール→ショッピング(p22)
■「Hot Pepper」が成功するまで、
旧来の方法に固執するグループとの
戦いがあったことがわかりました。
どのような組織でも
変化を嫌う人、
苦労を嫌う人がいるのです。
そうした正論を言いながら
足を引っ張る人を動かしていくのが
リーダーなのでしょう。
自分の甘さに気づかされた一冊ということで
★5としました。
平尾さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・85%は非正社員・・
非正社員は守るべきものはない。
攻めがあるのみだ。・・
彼らの判断基準は「お客さまにとって
正しいか正しくないか」だけである(p28)
・先行する競合との違いを、クライアントに
明確にアピールできなければならない。
それが「クーポン」だ・・(p40)
・用意したのが、テンプレートという
原稿制作フォーマット・パターンである。
コピーやキャッチの位置、写真の位置の
違うパターンが並ぶと、あたかも自由に
つくったかのような仕上がりになる(p50)
・フラットな組織とは、誰がバカなのか誰の目にも
瞬時に明らかになる組織である。・・
事業部長や版元長が専門スタッフの意見を聞いて、
その首をかけて判断する組織にしなければならない(p119)
・毎週月曜日に、先週の売上げ結果と累計目標達成率、
先週のヨミとヨミに対する達成率、
今週のヨミとヨミを含めた累計目標達成率を
個人・チーム・版で集計されて統括に集められる(p126)
・菅波葉子の「新規飛び込み福の神営業」
岡田奈々枝の「3年契約受注営業」
吉田采都子の「何屋プチコン営業」
これらはホットペッパー事業の
伝説のナレッジとなった(p156)
・「夏祭りをやろう」
「こんな忙しいときに、遊びの研修ですか?」・・
「・・経費的にもかかりますよ」・・
「そこまでしてやらないといけないことなんですか?」(p158)
・一人の営業が売って原稿をつくる、
新規開拓営業も既存顧客リピート営業もする、
電話も訪問もする、営業も入金もする。
顧客接点はすべて営業が一人で担っている。
だから、一人屋台方式と呼んだ(p196)
・5分間の営業物語を徹底して訓練する・・
それを、「5分間ロープレ」と呼び、
その訓練の集大成として全国700名の営業マンが
参加する「5分間ロープレ大会」を実施した(p213)
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【私の評価】★★★★★(95点)
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■目次
第1章 『ホットペッパー』の本当のすごさ
第2章 『ホットペッパー』とはいったい何なのか?
第3章 失敗が教えてくれた11の警告
第4章 事業立ち上げの仕組みづくり
第5章 急成長のキッカケとそのしかけ
第6章 顧客接点づくりの仕組み化
第7章 セオリーに反する営業の仕組みづくり
第8章 マネジメント・リーダーの育成
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