【書評】「らくらく期待を超える思考法」遠山尚秀
2025/11/10公開 更新
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【私の評価】★★★★★(90点)
要約と感想レビュー
頭のよい人の定義とは
著者のような頭のよい人は、何が違うのか説明してくれる一冊です。上から目線だな~と思いましたが、確かに著者は頭がよさそうです。
著者の頭のよい人の定義は、仕事の成果を上司や顧客に見せたとき、「なんか違うな」と言われない人です。著者はゲームクリエイターなので「こんなゲームが作りたい」と言われたら、「相手が本当に求めていることは何だろう」と考えるという。
デキる人は相手の要望の本質を考え、どうやったら解決できるのか、どうやったら相手が喜んでくれるのかを考え続けているのというのです。
なんか思ってたのと違うな・・上司や顧客から、こんなことを言われた経験はありませんか?(p2)
相手のイメージを引き出す方法
「こんなゲームが作りたい」と言われたとき、著者が相手のイメージしていることを把握する方法は次のとおりです。
まず、相手の理解度を把握します。著者は、椅子に座るタイミングで「〇〇さんは普段ゲームやるんですか?」とフランクに話しかけるという。
次に、相手の説明を良く聞いて、キーワードや説明書類から、相手の考えていることを推測します。発言の中のキーワードから5個から10個の可能性を思い浮かべ、そこから相手との対話しながら、可能性を絞っていくのです。
著者の観察では、頭のよい人は、意見交換や質問するときには、5個から10個の複数の案を考えるという。そして、その場に適切な案を選択して伝えるのです。
初回の打ち合わせの最初の15分間で相手がイメージしていることを引き出し、自分の頭の中で構築して、把握する(p45)
アイデアを採用してもらう方法
著者はいアイデアを隙のないものにするために、頭の中で関係者を集めて会議をさせるという。頭の中でデザイナーや顧客や技術者を集めて、議論をイメージするのです。
デザイナーが「丸い形にしたい」と言えば、個客は「流行にとらわれすぎだ」と言い、技術者は「直線的な形にしないと作れない」と言っていたら、それを織り込むのです。
そうして練り上げたアイデアを、図に描いて整理します。著者は5回は描き直すことで、足りなかった視点に気づくことができ、完成度が上がって伝えやすくなるという。
図を描くときは、著者は喋りながら描くことで、図の構成が最適化され、説明するストーリーが洗練されます。最終的には、「利用者がその製品をどう使っているかという風景を想像できる」ところをゴールとなります。
そこまでやると、なぜそのアイデアに至ったのかという理由をわかりやすく伝えることがでるので、採用されやすくなるというのです。
頭の中で関係者を集めてアイデア出しの会議をさせ、その様子を覗き見しています(p87)
正しい選択をするための壁
楽しいゲームの制作を依頼されていて、途中で「怖いホラーゲームに変更してほしい」と言われたときが、難しい判断になるという。経験を積めば積むほど、多くの人は、それまでの成果にひきずられて、なんとかそのままやりくりしようと考えてしまいがちだという。
しかし、作業の前提が変わり、その時点でどうするのが最善なのかを冷静に考えれば、今までの成果を無視して、最初からやり直すという選択肢が見えてくるという。
本当に頭の良い人は、サンクコストを無視して「どうやったら根本的に解決できるか」と今のベストを考えることができるのです。ここまでくると、知っているのとデキるのには大きな差があるように感じました。
著者独自の視点が多く、興味深く読みました。そういえば、私もセミナーや講演会では必ず3つ以上の質問案を考えて、一つだけ質問するようにしています。
遠山さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・今からやろうとしていることで課題は解決できるのかを考える・・まずは3秒だけ考える習慣をつけてみてください(p36)
・図は5枚目で完成する・・1枚目は・・メモ描きレベル・・2枚目は、1枚目を見て足りない要素などを描き足したバージョン・・3枚目は・・客観視して修正・・4枚目は、人に見せられるようレイアウトにこだわり・・5枚目が清書(p139)
・私は日頃から、なにかと「あの人だったらどう思うか?」ということを想像しながらものごとを考える習慣があります(p108)
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遠山尚秀 (著)、ぱる出版
【私の評価】★★★★★(90点)
目次
第1章 本質追求思考で自分の価値を爆上げする
第2章 期待を裏切らない成果を残す思考法 ―イメージの透視法―
第3章 採用されるアイデアを生み出す思考法 ―多角的な発想法―
第4章 □と○でアイデアを洗練させる思考法 ―思考の体系化―
第5章 成約率の高いプレゼン資料を作る思考法 ―図を使った表現法―
第6章 視点を変えて問題を解決する思考法 ―発想の転換法―
著者経歴
遠山尚秀(とおやま なおひで)・・・IT技術顧問/ゲームクリエイター。IQ(知能指数)が上位2%の人しか入会できないMENSAの会員。ITベンチャー企業にてゲームアプリやWebシステムを開発。連結1500人を超える組織のCTO(最高技術責任者)就任、300人以上の新人エンジニア教育、 子会社2社の経営を経験。独立後は、年間20件を超えるシステム開発支援や 技術指導を手がけるほか、業界を問わず技術顧問として事業者を支援。図表を用いた分かりやすい説明力と、広い発想力により信頼を得ている。
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