「リーダーシップは「見えないところ」が9割」吉田幸弘
2024/05/13公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★★★(91点)
要約と感想レビュー
メンバーを支援するのがリーダーの仕事
「見えないところ」って何だろう?と読み進めてみると、上司(リーダー)は、見えないところで部下をサポートするということでした。多くの会社の課長やグループリーダーは、基本的に自分で仕事をしません。部下の役割分担を決めたり、仕事の方向性や重点を指示したり、チームのルールを決めたりして、メンバーを支援するのが仕事なのです。
逆に「見えるところ」が多いリーダーとは、自分で指示命令して部下を動かして成果を出していく人です。著者の経験では、こうした俺が俺がと自分を出していく「見える」リーダーの部下は、言われたことしかしなくなります。チームとして成果が出ることもありますが、リーダーへの反発が表面化したり、リーダーがいなくなってしまうと成果が出なくなってしまうことさえあるのです。
できるリーダーは押しが強い感じではなく、部下の相談に耳を傾けたり、やりたいことをうまく引き出したりと、上手にサポートに回っています(p3)
部下ノートで部下を知る
したがって、著者のおススメは、部下に仕事を任せるリーダーになることです。「自分がやったほうが早い」と思っても、自分で仕事をせずに、担当の部下に責任を持ってやってもらうのです。こうした部下に仕事を任せるリーダーはその代わりに部下を支援します。この本では、3つの具体例を示しています。
まず一つ目は、部下を知ることです。著者は「部下ノート」を作って、部下の価値観、、働く理由、夢や目標、不安なこと、得意なこと、不得意なこと、趣味などをメモしていたという。部下の性格ややりたいことがわかっているから、部下との面談で部下をやる気にさせることができるのです。
二つ目としては、業務の「見える化」です。業務量の多い人の負担を減らして、業務の質と安定性を高めます。そして、業務量が少ない人にも仕事を振って、成長してもらう機会を与えるのがリーダーの役割なのです。もし、仕事を抱えてしまう部下がいれば、仕事の断り方や助けの求め方を教えましょう。やる気のある若手がいれば、今後のキャリアについて相談に乗ってあげてもいいのです。
「部下の誕生日、出身地、趣味を書いてください」と言ったら、書けない人がいました(p27)
できるリーダーは根回し上手
三つ目は、仕事の重要な20%を決め、そこに集中することです。残りの重要性の低い80%は、できるだけ効率化しましょう。重要な顧客の訪問を増やし、重要でない顧客の訪問頻度を減らしたり、報告書を廃止するなど、何を大切にして、どの仕事を減らすかは、リーダーにしか決断できないのです。
その他にも、できるリーダーは、上司や他部署と良い関係を作って、根回しが上手です。上司のタイプに合わせて、上司に報連相をしたり、他部署と勉強会や食事会を開いて良い人間関係づくりをしているのです。
リーダーにはリーダーにしかできない重要な仕事があるのだと思いました。部下の仕事をとり上げるのは、そうした重要な仕事を放棄しているだけなのです。社内教育の教材に使えると思いました。★5とします。吉田さん、良い本をありがとうございました。
無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信) 3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。 |
この本で私が共感した名言
・同僚同志の間でハラスメント・・態度が横柄であったり言葉づかいが乱暴なら是正する・・場合によっては異動(p191)
・疲れる前に休憩・・リーダーが率先して休憩を取らないと、メンバーも休憩がしづらくなります(p129)
・平常心を保てている人は、自分がどんな時にイライラしやすいかを、あらかじめ把握しています(p149)
【私の評価】★★★★★(91点)
目次
第1章 リーダーシップは「見えないところ」で差がつく!
第2章 できるリーダーは部下の「ここ」をこっそり見ている
第3章 リーダーのフィードバックは「準備」が9割
第4章 上司や他部署に味方されるリーダーの「気づかい」
第5章 リーダーが「見えないところ」でやっている仕事の工夫
第6章 リーダーの「自分を整え、高める」秘密のルーティン
第7章 チーム力を高めるリーダーの「見えない」習慣
著者経歴
吉田幸弘(よしだ ゆきひろ)・・・リフレッシュコミュニケーションズ代表。コミュニケーションデザイナー・人材育成コンサルタント・リーダー向けコーチ。成城大学卒業後、学校法人や外資系企業でリーダーに抜擢されたものの、怒ってばかりの不器用なコミュニケーションでチームをまとめきれず、3度の降格人事を経験。その後「部下を承認するマネジメント」を会得し、敏腕リーダーとしてチームの業績を劇的に向上させる。2011年に独立し、現在は経営者・中間管理職向けに、人材育成、チームビルディング、コンサルティング活動、セミナー、研修を行い、累計受講者数は3万5000人を超える。
この記事が参考になったと思った方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
この記事が気に入ったらいいね!
コメントする