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「共感されるリーダーの声かけ 言い換え図鑑」吉田幸弘

2023/08/02公開 更新
本のソムリエ
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「共感されるリーダーの声かけ 言い換え図鑑」吉田幸弘


【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー

世の中は「言い方が9割」

「あなたは、言い方が悪いのよ!」と家内から強い指導を受けている本のソムリエは、世の中は「言い方が9割」と知っています。著者は怒ってばかりの指導で部下から総スカンをくらい、降格人事、退職を経験してきましたが、「伝え方」を変えたら、成績が伸び、部下をいきいき動かすことができるようになったという。


まず、怒ってばかりの著者が直したのは、部下のダメなところを指摘して、人として見下さないことです。それまで著者は、「なぜ動かないの?」「だいぶまともに対応できるようになったね」などと部下のやる気を失わせるような言葉を投げかけていたのです。動かない部下に「なぜ動かないの?」という言葉は、言い方によっては罵倒されたと感じるのではないでしょうか。動けない人に、声をかけるとしたら「何から始める?」がよいとしています。コーチング的な問いかけに感じます。
 

・×だいぶまともに対応できるようになったね
 〇安心して見られるようになったよ(p20)


良い暗示をかける

著者の提案は、相手が自ら動くように誘導するような言い方や言葉を選択することです。例えば、部下に新人の教育を依頼するなら、単純に頼むのではなく、「(新人)さんには(部下)さんのようになってほしいんだ。育成を頼めるかな」と、部下が優秀だから頼んでいるんだ、という風に伝えることが有効です。


また、部下が顔色が悪く、体調を心配したときには、「疲れてる?」と聞くよりも、やんわりと「何か私が知っておいてほうがいいことってある?」と声をかけたほうがよいのです。「疲れてる?」という問いかけは、相手が疲れていると暗示をかけてしまうことになるからです。日本人は微妙なニュアンスまで相手に伝えることができますから、言い方や表現を吟味し、悪い暗示をかけないように注意が必要なのでしょう。


・×私もこんな失敗よくしたよ
 〇私も数多くの失敗をして、その後に活かしたよ(p32)


相手の意見を一旦、受け止める

最後に著者が重要視しているのは、相手の意見を一旦、受け止めることです。例えば、何かお願いしたときに反発してくる部下はどこにでもいるものです。それまでの著者は、「やるしかないだろ」などと突き放していましたが、まずは「そう感じたか」と受け止めることが大事なのです。これは部下が意見を受け止めてもらったと感じさせるということもありますが、実際、部下の意見が正しいこともあるので、一旦受け止めて、検討してみるという側面があるように感じました。どのような意見であっても、一旦受け止めてあげれば、言った方も悪い気はしないし、他の人も発言しやすくなるという効果もあるのです。


このように「たった一言」で雰囲気が良くも悪くもなるのが、言い方の怖いところだと思います。できれば、言い方や言っている人で判断せずに、言っている内容で評価してもらいたいのですが、それができる人は、ごく少数なのです。吉田さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・×休みどうしてた?
 〇休みどう過ごしてた?俺はテニス三昧だったけど(p50)


・×お願いなんだけど
 〇仮になんだけど(p78)


・他部署の気難しいメンバーについての文句があった場合
 ×確かにね。でもいい人だよ
 〇そう思ったんだね。個性的な人だよね(p90)


・×これからの時代、検索力は大切だよ
 〇5分調べてみてわからなかったら、質問しよう(p144)


▼引用は、この本からです
「共感されるリーダーの声かけ 言い換え図鑑」吉田幸弘
吉田幸弘、ぱる出版


【私の評価】★★★★☆(87点)


目次

第1章 励ます・助言するときの声かけ
第2章 人間関係を良好にする伝え方・雑談術
第3章 仕事を頼むときの言い方
第4章 こんな反応だった、どうする?
第5章 ポジティブなフィードバックの仕方
第6章 ネガティブなフィードバックの仕方
第7章 部下別の対応方法



著者経歴

吉田幸弘(よしだ ゆきひろ)・・・リフレッシュコミュニケーションズ代表。コミュニケーションデザイナー・人材育成コンサルタント・リーダー向けコーチ。成城大学卒業後、大手旅行会社を経て学校法人へ転職。1年間で70件以上の新規開拓をし、広報リーダーになるも、「怒ってばかりのコミュニケーション」でチームをガタガタにしてしまう。その結果、外資系専門商社に転職。 転職後も、周囲のメンバーとうまくコミュニケーションが取れず、降格人事を経験し、クビ寸前の状態になる。その後、異動先の上司より「伝え方」の大切さを教わり、ポイントを絞ってわかりやすく伝える方法を駆使し、営業成績を劇的に改善。5か月連続営業成績トップになり、マネジャーに再昇格。コーチングの手法を用いた「部下を承認するマネジメント」及び中国古典をベースにした「ストレス耐性力アップ術」により、離職率をそれまでの10分の1にし、売上も前年比20%増を続け、3年連続MVPに選ばれる。そして、社外でもコンサルタントとして活動し、クライアント数が増えてきたため、2011年1月に独立。現在は経営者・中間管理職向けに、人材育成、チームビルディング、売上改善の方法を中心としたコンサルティング活動を行う。


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