「リーダーの「やってはいけない」」吉田幸弘
2019/03/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
裏方でサポートする仕事に徹する
自分のパワハラまがいのリーダーシップで降格・左遷された試練から立ち直り、人の話を聞くリーダーとして復活した著者のアドバイス集です。できないリーダーはきめ細かく計画を立て、失敗しないよう部下を厳しく指導しながら、「いつでも相談しろよ」と自信ありげに言うことがあります。ところが、眉間に皺がよっているからダメなのです。実は、それが著者だったのです。
著者は優秀な営業マンだったからがゆえに、上司として成果にこだわり、できない部下を厳しく指導してしまったのです。実は上司の仕事は、部下をサポートして部下が成果を出すことを支援することだったのに、部下を叱ることで自分の自尊心を上げようとしていただけなのです。
実は、リーダーになって輝いている人は「何もしていない」・・・・裏方でサポートする仕事に徹する・・部下に「自分がやらなければいけない」という意思が芽生えるようになります(p41)
「説得」ではなく「納得」
できるリーダーはどうしたら部下が手柄を得られるかを、常に考えています。そして、成果を出せない部下を叱るのではなく、どうすればよいのか一緒に考えるのです。そして、部下のコミットを引き出し、行動を見てあげて、結果をフォローする。部下に寄り添う上司が部下の成果を引き出しているのです。
できるリーダーは、部下を「説得」するのではなく、「納得」してもらうようにします。部下が自主的に動いてもらうために、改善方法も部下に選ばせます。部下を育てるリーダーは、会社のビジョンに「ストーリー」を付け加え、部下が自らワクワクするように伝えます。できる上司は部下を信じて気長に育てているのです。
優先順位を伝えて一緒に期限を考える・・・「他に仕事を抱えていないか」・・などを丁寧にヒアリングしながら、部下と一緒にスケジュールを決めていきます(p80)
部下に寄り添うリーダー
昔ながらのリーダーでも人事評価権があれば、それなりにやっていけると思います。しかし、今どきのドライな若者や年下部下が増えた職場では、うまくいかない可能性があるのでしょう。
部下に寄り添うリーダーのほうが、部下から突き上げられる可能性も抑えつつ、より効果的に成果を出せるのです。吉田さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・部下がKPIを達成できているかを確認し、部下の指導はもちろん、必要ならはKPIの変更もためらわないこと(p99)
・×部下の意識改革をしようとする
○部下の行動習慣を変えようとする・・・朝礼後、外回りに出発する前に、毎日3件だけアポの電話をする時間を設けました。これぐらいなら、それほど負荷なく続けられます(p51)
・×仕組みを作って満足する
○仕組みの運用を確認する・・・部下から不具合や問題点の提案があれば、次は対応する必要があるかどうかを判断し、適宜変更する姿勢を見せましょう(p30)
▼引用は下記の書籍からです。
【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
第1章 やってはいけない「仕事の進め方」
第2章 やってはいけない「部下育成」
第3章 やってはいけない「仕事の任せ方」
第4章 やってはいけない「コミュニケーション」
第5章 やってはいけない「叱り方・ほめ方」
第6章 やってはいけない「会議・面談」
第7章 やってはいけない「休み方」
著者経歴
吉田幸弘(よしだ ゆきひろ)・・・リフレッシュコミュニケーションズ代表。人財育成コンサルタント・上司向けコーチ。1970年生まれ。成城大学卒業後、大手旅行会社、有名学校法人を経て外資系企業へ転職。そこで周囲のメンバーとうまくコミュニケーションが取れず、降格人事を経験する。クビ寸前の状態から、友人の勧めで学んだ「交渉術」を駆使して、劇的に営業成績を改善。5カ月連続営業成績トップになり、マネジャーに再昇格。その後も部の離職率を10分の1としながら、売上前年比20%増を達成し続け、3年連続で社内MVPに選ばれる。2011年1月より独立。現在は、経営者・中間管理職向けに、人材育成、チームビルディング、売上改善の方法を中心としたコンサルティング活動を行っている。全国の企業、商工会議所、法人会などで年間130本以上講演・研修に登壇している。
パワハラ関係書籍
「パワハラ上司を科学する」津野 香奈美
「リーダーの「やってはいけない」」吉田幸弘
「職場のクセモノと付き合う技術」横山 信治
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