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「仕事が速いリーダー 仕事に追われるリーダーの時間の使い方」吉田幸弘

2025/02/04公開 更新
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「仕事が速いリーダー 仕事に追われるリーダーの時間の使い方」吉田幸弘


【私の評価】★★★★★(93点)


要約と感想レビュー


優秀な人の落とし穴

優秀な人が課長に抜擢されると、どんな落とし穴に落ちるのでしょうか。著者は営業トップの実績から課長となり目標達成のために圧をかけたために、深夜までの残業が常態化し、3ヵ月連続で部下が退職してしまいました。


自分の実力と実績に自信がある人は、どうしても指示命令型になり、部下が指示待ち、やらされ仕事になってしまう傾向にあります。さらに、関係性ができていない最初から厳しすぎたり叱責したりすれば、部下の反発が表面化したり、退職といった結果になるのでしょう。


著者はこうした失敗を反省し、今では悪い報告を聞く前に5分待ってもらって、「怒らない、怒らない」などと呪文を唱えたりして感情を落ち着かせてから聞くことにしているという。


指示命令型リーダーのもとでは・・・部下が指示待ちになる・・部下が自分で考えて行動しなくなる(p189)

頑張る上司の落とし穴

また、上司が事務能力が高く何でもやってしまう場合、上司が作業中だと声をかけにくくなり、部下はただ待つばかりで、上司が孤立してしまうことがあります。リーダーが頑張れば頑張るほど、上司に方針決定やトラブルの相談ができず、組織のボトルネックになってしまう可能性が高まるのです。


こうした場合は、予定にあえて何も予定を入れない「予備時間」を設定しておくとよいという。空いている時間があれば、部下は緊急の相談もしやすいし、上司も自分の仕事をすることもできるわけです。


逆に人事や役員対応など絶対に優先すべき事項があれば、「相談禁止タイム」を設定して、部下からの雑音をシャットダウンしてそれらに対応すべきです。


仕事を始める前に、その日1日の全体の流れとその週の予定を確認・・・午後1時から3時は「予備時間」(p89)

管理職となったばかりの人へのススメ

著者が管理職となったばかりの人におススメしているのは、何が重要なのか優先順位を明示することです。


例えば営業の部門であれば、社内の説明資料に力をいれず、お客さまへの資料に力を入れること。つまり、社内への過剰なアピールやアリバイづくりの仕事はやめて、成果につながる仕事に力を入れるのです。


また時間の優先順位でいえば、午前中はお客様対応や資料作成に使い、ミーティングは夕方にやるのもよいでしょう。誰がどんな仕事を抱えているかを「見える化」し、仕事の優先順位、締め切りを明示するのもよいでしょう。


部下に対し、その仕事をする理由や、その資料の使い道、期限や求められる品質を明らかにすることで、部下は自ら動き出すのです。


仕事が速いリーダーは「なぜその人に頼むのか」を伝える・・「作成」や「(あと工程)」がわからないと、相手は「やらされている」と感じてしまう(p144)

信頼関係の構築に力を入れる

不況で会社が倒産の危機にあるときは、命令指示型のリーダーが求められますが、平時には、部下にわざと負けるような、部下の主体性に期待するリーダーでも十分なのでしょう。


特に管理職となったばかりの人は、信頼関係の構築に力を入れるべきだとわかりました。苦手な部下がいる場合には、自分で無理に頑張らずにベテランの人に対応を頼むという方法でも十分なのです。


それがわかっているけど、難しいんだよなと思いながら、★5としました。吉田さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・しっかり休憩をとる・・疲れていたら、的確な判断ができなくなります(p29)


・タスクを分解して、ひと口やってみることが大切です・・着手せざるを得ない環境にしてしまう(p45)


・仕事が速いリーダーは逆算思考(p46)


▼引用は、この本からです
「仕事が速いリーダー 仕事に追われるリーダーの時間の使い方」吉田幸弘
吉田幸弘、あさ出版


【私の評価】★★★★★(93点)


目次

第1章 リーダーにはリーダーの時間の過ごし方がある
第2章 自分の心を整えることで時間を有効活用する
第3章 集中力を高めるタイムコーディネート術
第4章 会議こそ、工夫次第で時短ができる
第5章 時間をムダにしない資料作成術
第6章 コミュニケーションツールはルールで時短を図る
第7章 適材適所でチームを運営することでムダな時間がなくなる
第8章 部下とのコミュニケーションで仕事時間が変わる
第9章 自分を成長させる時間術


著者紹介

吉田幸弘(よしだ ゆきひろ)・・・リフレッシュコミュニケーションズ代表。コミュニケーションデザイナー・人財育成コンサルタント・上司向けコーチ。成城大学卒業後、大手旅行会社、学校法人を経て外資系専門商社へ転職。5ヵ月連続で営業成績トップとなりマネージャーに昇格するも、3ヵ月連続で退職者を出してしまう。 深夜にまで及ぶ残業と目標達成へのストレスから、部下にも同僚マネージャーにも退職予備軍が多数いるのを知り、タイムマネジメント及びストレスマネジメントの本や中国古典を50冊以上読み漁り、仕事を減らす方法とモチベーションアップの方法を生み出す。
その結果、自分自身と部下11名の業務を大幅に減らし、残業を3ヵ月でゼロに導くことに成功。メンバーのパフォーマンスもよくなり、売上が前年比20%増、3年連続MVPに選ばれる。2011年人財育成コンサルタント・コミュニケーションデザイナーとして独立。オリジナルのリーダーシップ論・マネジメント論を確立し、コンサルティングや講演・研修などを行っている。累計の受講者数は3万5000人以上。


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