「外資系コンサルから学ぶロジカルシンキングと問題解決の実践講座」吉澤準特
2023/06/08公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(86点)
要約と感想レビュー
情報を整理すれば課題が見えてくる
外資系コンサルが、問題解決の現場で使っている手法を、図解でわかりやすく教えてくれる一冊です。コンサルが問題解決のためにまずやることは、現状を整理することです。集めた情報をわかりやすく整理すれば、現状の課題が見えてくるのです。
課題が見えてきたら、なぜ、なぜ、なぜ、だから何なのか?と因果関係を考えていって真因を見つけます。そしてそれらの真因に対して、解決するための行動計画を立案するのです。これらの結果を、メッセージ/根拠/データといったピラミッドストラクチャーで説明すると、コンサルらしくロジカルに見えるのでしょう。
「なぜ?」の問いかけでうまく答えが出ないものは、「だから何なのか?」と問いかける(p97)
100の言葉よりも一つの図解
この本のよいところは、実例と図解で説明してくれるところです。フェルミ推定の説明なら、図解で「名探偵コナンの米花町の人口」や「コメダコーヒーの週末の売り上げ」を推定していきます。上司から「この資料、10日後までに完成させてくれる?」と言われたらどうするべきかも、縦軸のクオリティ、横軸にスピードで整理して図解してくれるのです。
営業マンが短時間で顧客に売り込む状況なら、メリットを先に説明するためにBEAF法を使います。この本では、「わけありマンゴー」の売り込み事例を図解で教えてくれているのです。100の言葉よりも、一つの図解ということなのでしょう。
途中退席の可能性のある場合:BEAF法・・・Benefit(利益)→Evidence(証拠)→Advantage(利点)→Feature(特徴)(p223)
メリットとデメリットを示す
コンサルのやっていることは、現状の情報を整理し、因果関係を特定し、解決策を分かりやすく示すことだとわかりました。そして、わかりやすく示す手法として、図解したり、フレームワークで説明しているということなのです。もちろん、解決策を示しても実際、うまく成果が出るかどうか保証できるものではありません。この本ではあえて成功、失敗の分析例を別々に説明しているところが、コンサルとしての良心なのだと思いました。
コンサルができることは、仮説を立てて、期待できる成果とリスクを示し、メリットとデメリットをできるだけ定量的に示すことなのです。決断するのは経営者です。吉澤さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・キーメッセージの説明を「根拠」、根拠の説明を「データ」の階層で示します(p26)
・筋道を立てて情報をわかりやすく「整理」する・・困っている状況を「問題解決」する(p3)
・極端な条件による仮説検証・・ボトルネック(足を引っ張る点)がどこにあるか見えてきます(p113)
・最後まで説明をさせてもらえることが確実なときに使うFABE法・・Feature(特徴)→Advantage(利点)→Benefit(利益)→Evidence(証拠)(p221)
【私の評価】★★★★☆(86点)
目次
第1部 ロジカルシンキングで「整理」をする
1章 フレームワーク:整理
2章 ケーススタディ:整理
第2部 ロジカルシンキングで「問題解決」をする
3章 フレームワーク:問題解決
4章 ケーススタディ:問題解決
第3部 ロジカルシンキングで「仕事の最適化」をする
5章 ワークハック:仕事の最適化
著者経歴
吉澤 準特(よしざわ じゅんとく)・・・外資系コンサルティングファーム勤務。専門領域における日本支社の実務責任者を務め、IT部門に対するコンサルティングを手がける。「クラウド」×「インフラ」×「サービス管理」を専門分野とし、ファシリテーションやコーチングにも造詣が深い。
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