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「コンサル・コード―プロフェッショナルの行動規範48」中村健太郎

2023/06/07公開 更新
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「コンサル・コード―プロフェッショナルの行動規範48」中村健太郎


【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー

顧客の満足度を高める

ローランド・ベルガー、ボストン・コンサルティング、アクセンチュアと外資系コンサル企業を渡り歩いてきた著者が教える、できるコンサルタントの仕事術です。


顧客の信頼を得るのは、努力と行動のみというように、細かいところにまで仕事のアウトプットの質に気を配っていることがわかります。対応の不備、コンテンツの品質の低さは、ただの準備不足であり、あってはならないのです。コンサルタントは、高い質のアウトプットは当然であり、その上で経営者から信頼され、本当の悩みを打ち明けられるような関係性を作らなくてはなりません。


そのために何度も顧客と面談し、会食し、相手の発言をよく聞き、本当に顧客が欲していることを把握する努力が必要だという。顧客からの信頼を勝ち取るために会う頻度、時間を惜しんではならないのです。極論を言うと顧客の満足度は、顧客自身の話量で決まるという。


・どうしてその発言が出たかを考える(理由、要望、懸念)・・相手は得てして、本当に欲しいものもわかっていない(p175)


悩みで潰れないマインドセット

こうした努力と行動を支えるのは、悩みで潰れないマインドセットのようです。コンサルの仕事をしていれば、コンテンツの質の低さを指摘されることもあるでしょう。知らない業界の常識を、顧客に質問し、嫌味を言われることもあるでしょう。しかし、そうした結果やフィードバックに一喜一憂せず、自分の成長に転換できるようなマインドセットが必要なのです。


つまりそれは、環境・他人・過去・未来といったコントロールできないことを悩まない心です。自分自身がコントロールできる努力の量と質に集中するのです。また、キツいフィードバックをもらったら、フィードバックは贈り物と転換してみる。複数の上司が別のことを言っているとしたら、別のインプットをもらえてラッキーと、自分のプラスに転換して吸収するような考え方ができれば、最強でしょう。


・「悩まない」体質になる・・過去・未来・他人のことは、今この瞬間では解決しようがないので、悩むだけ無駄である(p54)


コンサル業界の実体とは

面白いと思ったのは、この本に書かれてある注意点は、逆にそうしたコンサルが存在する証拠だということです。 顧客の話を聞く。ロジックの粗を探さないと書いてあるので、顧客の話を最後までちゃんと聞かないコンサルがいるのでしょう。


顧客に高級品や有給休暇を知られないように注意するということは、高級品や休暇やタクシー利用を顧客に知られて不快感を与えることがあるということなのでしょう。コンサルの下位者は、「作業が増えた」「朝礼暮改だ」「その指示の背景は?」などと言って、動かないようなことはすべきでないと書いてあるということは、そうした人が多いのでしょう。


コンサルは思ったより、体育会系だなと感じました。使う言葉はカタカナですが、義理人情、努力と汗が大事なのです。中村さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・アスピレーション・・「熱望・願望・大志」・・・「社会に対してどのような価値創出をしていきたいか」(p67)


・自分の行動様式を変えるのは、非常に難しい・・だからこそ、もしそれができたとしたら、その経験は、コンサルタントとして絶対的な財産となる(p35)


・何であれ、自分の中で、人よりも一つ二つ深堀りをする(p60)


・ミーティングが終わったら、すぐにアクションアイテムをTo-Doリストに移管し、チームと自分のアクションを詳細に書き留める(p136)


・「できていない」→「検討はこれから・・」、「困難である」→「大きなチャレンジ」、「赤字」→「収益化はこれからの状況」(p191)


・主語を競合や先進企業に置き換えて訴求(アピール)する(p194)


▼引用は、この本からです
「コンサル・コード―プロフェッショナルの行動規範48」中村健太郎
中村健太郎、中央経済社


【私の評価】★★★★☆(87点)


目次

1 コンサルタントが持つべきベースのマインドセット
2 コンサルタントの基本所作 ビジネスマナー編
3 コンサルタントの基本所作 コンサルティングワーク入門編
4 コンサルタントの基本所作 ミーティング編
5 コンサルタントの基本所作 コミュニケーション・タスク処理編
6 コンサルタントの基本所作 デリバリー実践編



著者経歴

中村健太郎(なかむら けんたろう)・・・株式会社FIELD MANAGEMENT STRATEGY 代表取締役社長CEO。エリース東京株式会社 代表取締役社長CEO。1978年生まれ。中央大学卒業後、フューチャーシステムコンサルティング(現フューチャーアーキテクト)に入社。その後ローランド・ベルガーで戦略コンサルタント、ボストン コンサルティング グループ(BCG)でプリンシパルを務め、2016年アクセンチュアに転職。ストラテジーグループの通信・メディア・ハイテク業界のアジア太平洋・アフリカ・中東・トルコ地区統括やインダストリーコンサルティンググループ日本統括などのリーダーシップロールを歴任。2022年8月より現職。


外資系コンサル関係書籍

「コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法」名和 高司
「外資系コンサルの仕事を片づける技術」吉澤 準特
「外資系コンサルが教える「勝ち方」の教科書」笛木 克純
「コンサルティングとは何か」堀 紘一
「コンサル・コード―プロフェッショナルの行動規範48」中村健太郎


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