【書評】「脳科学・心理学・行動経済学から導いたすごい継続力」 吉田幸弘
2026/07/10公開 更新
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【私の評価】★★★★★(91点)
要約と感想レビュー
続かない理由
著者はもともと、イタリア語の勉強を始めても3日でやめてしまう、ウォーキングを始めても雨が降ったことをきっかけにやめてしまうなど、続けられない人でした。しかし33歳のとき、降格人事というショックな出来事をきっかけに読書を始め、学んだ結果、続けられるようになったのです。
著者は自分の続かなかった経験から、「続かないのは、自分に合った継続の方法を知らないだけ」と断言します。続けるための基本は「毎日小さくやること」、「できるようになったことが見えること」です。
完成度を上げすぎてブログの更新が止まる、同時に始めすぎて全部やめてしまう。こうした失敗パターンは誰にでも心当たりがあるでしょう。60点でもいいから続けていったほうが、気づきも成長もあるというのです。
また、成果が見えずに辞めてしまう人もいます。すぐに成果が出ないことはわかっているのですから、記録をつけるなどして、できるようになったところに気づける工夫がやる気を維持してくれるのす。
記録・・書き終えた部分をマーカーで塗るだけでもモチベーションが上がります(p103)
意思より環境と仕組み
続く人は、意思よりも続けるための環境と仕組みを工夫しています。
周囲の力を借りるなら、「早起きグループ」「読書会」などに参加するのが効果的です。語学を習得したいならYouTubeではなくスクールに通うと強制力が働きます。ゴルフが上達したければ1人で打ちっぱなしで練習するよりも有料のコーチに習えばよいのです。
「高額な講座や教材に投資したほうが継続しやすくなる」というのも同じ発想で、人は「失っても痛くないもの」には本気になれないからです。
やらざるをえない環境を作ることも有効です。夜更かしをやめるなら朝に予定を入れる、残業をしないためなら夕食は必ず家族と食べると決める、Yahoo!のネガティブなニュースを見続けてしまうなら、トップページをGoogleにする。環境を少し変えるだけで行動は変わるのです。
好きなことをセットにする方法も紹介されており、ウォーキングをしながら好きな音声を聴く、難解なビジネス書はホテルのラウンジで読むといった工夫が習慣を楽しくしてくれるのです。
「背水の陣法」・・高額な講座や教材に投資した方が、結果的に継続しやすくなる・・人は「失っても痛くないもの」には、本気になれないからです(p109)
著者の生活習慣
この本の素晴らしい点は、著者自身の具体的な習慣が数多く紹介されていることです。
例えば、出版が決まったら、周囲に発表して途中で挫折するのを防ぎます。原稿を書くときは2項目書いたら「チョコレートをひとかけら食べる」か「好きな歴史の本を20分読む」というご褒美を決めています。執筆の場所も新宿、吉祥寺、溜池山王などを行き来しながら変化をつけているそうです。
朝のルーティンも決まっており、「起きたら水を飲む→ヨーグルトを食べる→納豆を食べる→名言集を読む→フェイスクリームを塗る→今日の予定をチェックする」という流れを毎日実践しているといいます。
本を読むのは、移動中の電車、お弁当屋での待ち時間、ドラッグストアの行列、こうした「ながら時間」を活用すれば、1日2冊は難なく読めると著者は言います。時間を作るのではなく、すき間を活用するのは、私も実践しているところです。
古典文学が好きで、毎朝Xで名言と解説を投稿しています。そのため、定期的に古典を読む必要があります・・朝食を食べ終えたら4ページだけ読むと決めました(p86)
重要な目的のために続ける
何かを続けるためには、長期的な目的が欠かせません。自分の本音が喜ぶ目的、絶対に避けたい未来を明確にすれば、続けられる可能性が高まります。
「太った水着姿を彼氏に見られたらフラれるかもしれない」「英語の勉強をしなかったら嫌いな同僚が先に昇進して上司になるかもしれない」こうした避けたい未来を想像することで、脳が「動かないとまずい」と判断してくれるというのです。
目的という視点では、著者は学ぶために毎日書評ブログを書くと決めて続けていましたが、いつの間にか短時間で読める本や感想を書きやすい本ばかりを選ぶようになっていたといいます。本来の目的を見失って、作業だけが残ることがある。これは私自身への戒めとしても響きました。
「続けられないのは意志が弱いからではなく、方法を知らないだけ」という著者の主張は、十分に説明されていると感じました。
吉田さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・すぐやれたとしても、続けられる人は多くありません・・・継続は、完璧じゃなくて良い。途中で止まっても良い。やり方を変えても良い。それでもまた、戻ってくれば良い(p194)
・継続できなかったときに結果と要因、対策をあらかじめセットで考えておく・・・(対策)1日のどこかでできればOKとする(p114)
・ムダ遣い(浪費グセ)・・給料日後の3日間は、お金を使わずに楽しめることを事前に用意(p166)
・議事録も簡略化し、ホワイトボードに書いたものの写真を撮るだけ。それ以外は「誰がやる」「いつまでにやる」「チェックの時期はいつにする」という3項目だけを記録(p103)
▼引用は、この本からです

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吉田幸弘 (著)、飛鳥新社
【私の評価】★★★★★(91点)
目次
第1章 あなたはどんな人?タイプ別診断で自分を知ろう
第2章 タイプ別に見る「続けにくさ」の理由
第3章 タイプ別に見るあなたに合った「続け方」
第4章 頑張らなくても続く「仕組み」とは
第5章 「やめる」を継続する
著者経歴
吉田幸弘(よしだ ゆきひろ)・・・リフレッシュコミュニケーションズ代表 コミュニケーションデザイナー 人財育成コンサルタント。 上司向けコーチ。 大学受験の際、3年間で23校に落ちる。イタリア語の勉強を始めても3日で挫折、ウォーキングは雨が降ったら終了。そんな継続できない人間だった。33歳の時に降格人事&仕事ができないと思っていた同期は昇進というWショックな出来事を機に継続の書籍を読み漁る。その結果、5ヵ月連続で営業成績トップとなりマネジャーに昇格。さらに、部下の継続力を観察・研究し、メンバーのパフォーマンスも向上。チーム全体の売上が前年比20%増、3年連続MVPに選ばれる。2011年人財育成コンサルタント・コミュニケーションデザイナーとして独立。独自のリーダーシップ論・マネジメント論を確立し、コンサルティングや講演・研修などを行っている。累計受講者数は3万5000人以上。
継続力関連書籍
「脳科学・心理学・行動経済学から導いたすごい継続力」 吉田幸弘
「どんなことでも3週間以上続けられる本」菊原 智明
「先延ばしをなくす朝の習慣 コツコツ書き続けて日本一になった書評家が、 絶対に締切を破らないためにやっていること」印南敦史
「なぜ、あなたは変われないのか?」古川 武士
「続ける力―仕事・勉強で成功する王道」伊藤 真
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