「続ける力―仕事・勉強で成功する王道」伊藤 真
2019/09/12公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(91点)
要約と感想レビュー
著者の伊藤真さんは30年以上、司法試験の受験指導を続ける カリスマ塾長です。難関の司法試験に合格するために必要なのは頭の良さは当然ですが、決定的なのは「続ける力」だという。
面白くもない難解な用語を覚え、広い試験範囲を長時間勉強し続けるのが難しいのです。どうやって自分にとって退屈なことをやらせるのか、ということです。
・「退屈で単純なこと」を投げ出さずに続けるためには・・・やるべきことを徹底的に絞り込んで、飽きや退屈さのハードルを下げることです(p21)
続けるコツとして、ハードルを下げる、ゴールをイメージする、ゲーム化する、見える化する、自分にご褒美を与える、睡眠時間は削らないなど王道が並んでいます。
ただコツを羅列するのではなく30年以上、受験者を指導しきた蓄積がすごいのです。スランプになった人へ向けて睡眠・食事・ストレスの2つをプラスにするよう助言しているところなど、いちいち適切だなぁと感心してしました。
・不安を克服するのに効果的なのが、「ゴールからの発想」・・・「毎日参時間の勉強を二年間続ければ、合格に必要な知識は身につきます」と、まず明確な数字を示します(p41)
本書の最後に、著者が司法試験の受験指導を続けているのは、現在の平和を守るために日本国憲法の改正に反対するためだという。「続ける力」で達成されることが、今の憲法を続けることだったとは・・・。すごいオチだと思いました。
とはいえ「続ける力」としての内容は一流ということで★5としました。伊藤さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・「退屈なこと」を「楽しめること」に転化する・・「ゲーム化」・・「一定の時間で、何問解けるか」・・といった、タイムルールを設定するだけでも、かなり新鮮な気持ちで取り組めるようになります(p55)
・やること・やったことを「見える化」する・・まず重要なのは、スケジュールを「紙に書く」・・消化した計画を赤線で消していく・・・自分を励ますための、成果を形に残す工夫を、ぜひ考えてほしいと思います(p106)
・登山でも、「次の一歩」を踏み出すことだけに集中して歩き続け、ふと後ろを振り返ってみたら「こんなに高いところまで来ていたのか」と驚くことがあります(p45)
・「反復」・・・十個のことを覚えて、すぐに八個を忘れてしまったとしても、ガッカリすることはありません・・あとは、それを五回繰り返せばいいだけのことなのです(p123)
・「ゴールからの発想」・・短期合格者の勉強法を見てみると、ほとんどの人がかなり早い段階で実際の試験問題を解く訓練を始めています(p81)
・「ゴールからの発想」・・・全体像を把握したうえで、「やるべきこと」をスケジュールに落とし込む・・この作業が、努力を続けて目標を達成するために、とても大きな意味を持っているのです(p99)
・「合格後の自分」をイメージ・・・司法の現場で活躍しているかたを招いて講演会をしたり、講義の合間に、お勧めの本や映画を紹介しています(p42)
・「やればできる、必ずできる」・・・裏返せば、「やらなければできない。だから毎日しっかりやれよ」という厳しいメッセージでもあります(p48)
・もうダメだと思うときこそ、ゴールが近い(p37)
・「勉強しているのに成績が上がらない」という場合、あまり寝ていないとか、ちゃんと食事をとっていないとか、何週間も休みをとっていないとか、そんな肉体的な原因で疲労が蓄積していたり、体調を崩していたりするケースがほとんどです(p59)
・睡眠・食事・ストレス、どれか二つをプラスに・・睡眠時間が足りないときは、よく食べて楽しく過ごす。ちゃんとした食事ができないときは、よく寝てストレスをためない。人間関係のトラブルなどがあってストレスがたまってきたら、とりあえず食べて寝る(p68)
・睡眠時間は絶対削ってはいけない(p116)
・時間は、つくり出すものではなく、見つけるもの・・・コマ切れ時間を見つける・・(p119)
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【私の評価】★★★★★(91点)
目次
第1章 「続ける」ことはなぜ難しい?
第2章 「やる気」を続ける技術
第3章 一流になる人の学び続ける技術
第4章 勉強・仕事をやりとげる計画術
第5章 とっておきの記憶術
第6章 ピンチを切り抜け、事業を続ける
第7章 「やりたいこと」をやり続ける人生
第8章 「続ける」ことから「力」が生まれる
著者経歴
伊藤真(いとう まこと)・・・1958年生まれ。東京大学法学部卒業。弁護士。伊藤塾塾長。司法試験、法科大学院、公務員試験、法律資格試験の受験指導を幅広く展開。高度で親身な講義と高い合格率により「カリスマ塾長」として熱烈な支持を集める。「憲法の伝道師」としても精力的に講演・執筆活動を続けている
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