「理系読書 読書効率を最大化する超合理化サイクル」犬塚壮志
2020/10/13公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(92点)
要約と感想レビュー
読んだら即実験
著者が超実力主義の駿台予備学校の化学分野で受講者数日本一になった秘訣は、平均一日一冊以上の読書だったという。その読書法とは、読んだ内容を即、仕事に反映させるというものです。「読んだら即実験」を厳守しましょうというだけあって、実際に使ってテストしてみるのが理系なのです。
実際に自分の動画と先輩を見比べ、生徒アンケートや尊敬できる先輩からのフィードバックで出来栄えをチェックし、さらに改良を加えています。自分の課題を解決するために読書によって情報をインプットし、得た知識をテストし、評価して修正していくのがタイトルの「理系読書」ということです。
本の中から自分の問題解決に必要な素材(情報)を集めて、どんな実験を行うか計画を立てる・・・現実世界で問題解決を試みる・・・その結果を検証し、改善策を立てる(p32)
スキマ時間の読書を積み上げる
では、どういった本を読むかといば、自分にとっての人生の目標は何なのかということでしょう。著者の場合は、日本一の化学講師として生徒の第一志望合格に直結する知識とスキルアップすることでした。そのために化学の知識、話し方スキル、教育心理学、教材作成ノウハウを学んだのです。その結果、年収は300万円から数年で1800万円になったのです。
著者の本の読み方も実利的です。自分に必要なところだけ読めばよいのであって、最初から最後まで読み切る必要はありません。また、必要な知識をインプットするのが目的ですから、読書のハードルを下げられるところまで下げるて、15分くらいのスキマ時間の読書を積み上げるようにしているそうです。
自分だけの問題解決に役立つ本を選べばいいということです(p42)
ノートに書籍のアイデアをメモして検証
著者は書籍を読んで得たアイデアや仮説を、ノートに整理して保存しています。ノートの左側は「本の該当部分」、つまり抽出した情報です。記載されていたページと、引用部分の文章をそのまま入力します。そして右側は、その該当箇所に対する「自分の解釈」を記録するという。そして、本や論文に書いてある著者の理論を、自分で実験をやってみて、書かれていた通りに再現できるかどうか検証するのです。
本のソムリエの読み方も理系読書だったんだな、と納得しました。読書が必要と書いてあったので「一日一冊」というメルマガを立ち上げ、本を読み始めました。そして本に書いてることをテストしていったのです。例えば、ホワイトボードを議事録代わりとすると効率的と書いてあれば、やってみる。適切な数値化が経営に必要と書いてあれば、指標(KPI)を提案してみる。筋力アップが健康につながるとあれば、スクワット、腹筋・背筋を生活に取り入れてきました。
学ぶための読書法として、参考となるしっかりした一冊でした。★5とします。犬塚さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「自分には書く才能がないんだ」と落ち込みました・・・「6分間文章術 想いを伝える教科書」(中野巧著、ダイヤモンド社)を読みました(p138)
・「その著者がこのテーマを語る資格があるのか?」「かぜ、著者がそのテーマを語るのか?」を判断します(p93)
・著者が何らかの困難に直面し、苦労の末にそれを乗り越えたというエピソードがプロフィール中に書かれていると、本の内容に高い価値があると期待します(p94)
【私の評価】★★★★★(92点)
目次
序章 文系の知らないとっておきの理系の読み方
第1章 読書の効果が劇的に高まる3つのこと
第2章 読解力を高めて、読書をモノにする理系読書
第3章 知識とスキルがたちまち3倍アップする読書の検証実験
第4章 わかっただけではなく、きちんとできているか?
著者経歴
犬塚壮志(いぬつか まさし)・・・教育コンテンツ・プロデューサー。株式会社士教育代表取締役。福岡県久留米市生まれ。元駿台予備学校化学講師。 立教大学大学院在学中に、時短を徹底した読書術により、研究時間を確保。駿台予備学校の採用試験に一発合格(当時、最年少)。 平均1日1冊を読み、その内容を実務に反映させると、同校の季節講習会にて担当する化学受講者数が日本一となる。さらに、年間1500時間以上の講義をしながら、模擬試験やテキスト教材、年間カリキュラム作成、学習参考書やビジネス書の執筆など、講義以外の活動も行う。その後、東京大学大学院学際情報学府に一発合格。 現在は、大学受験専門塾など2つの会社を経営する傍ら、同大学院に在学中。
読書術関連書籍
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