【書評】上司になったら読む本「リーダーになってから見えなくなるもの100」 柴田昌孝
2026/10/30公開 更新
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【私の評価】★★★★★(95点)
要約と感想レビュー
対話と配慮で部下を理解する
家業のアパレル店を継ぎ、10年で50店舗、社員150名、年商30億円の企業に成長させた著者のリーダー論です。
部下との関係づくりは難しいものです。性格も人それぞれ違うし、配慮が欠ければ不満を持たれ、配慮しすぎると統制が取れなくなってしまいます。
著者が大切にしているのは、部下に一人の人間として接し、理解しようとすることです。セミナーでは、「無知は独演し、賢者は対話する」と教えているという。
著者は経験上、人を活かすのは人への配慮であるとしています。会議の後には発言しなかった人の意見を聞き、ダメ出しされた部下をフォローする。退職者には、必ず花束を持っていき手渡していたのです。
「あなたが必要だ!」と励ましてくれ、必要とされることが私のやりがい(p100)
叱るより、まず褒めることから
著者がお勧めするのは、叱るよりも、まず褒めて感謝を伝えることです。なぜなら著者自身、褒めて人を変えられたことはあっても、怒って人を変えられたことはなかったというのです。
例えば、残業している部下に感謝を伝える。言葉にしづらいなら、缶のコーンポタージュを一つ手渡すだけでもいいのです。感謝は、行動に移して初めて伝わるのです。
叱るにしても、配慮が必要です。叱るときは、人払いをして、マンツーマンで話すのが基本です。その際も、お客様を優先するという視点で、なぜその行動が必要なのかを伝えます。
例えば、お客様がレジ待ちで並んでいたら、「レジ待ちのお客様が、知らんぷりで作業している店員を見たらどう思う?さあ、急いでレジに入って!」と、理由と一緒に伝えるのです。
社会人として訂正しないといけないことまで容認していたら、最終的に恥をかいたり損をしたりするのは本人です(p59)
主張の強い部下への対応
主張の強い部下もいます。また、年上部下など「裏ボス」的な人や、権限を持つ「お局さん」がいたりします。こうした職場の力関係を無視して部下を動かそうとしても、うまくいかないことが多かったという。
著者のやり方は、年上部下の感情に働きかけることです。つまり、「頼りにしています」と伝え、力を貸してもらうのです。
また、自分の考えや不満を主張する部下は、優秀な部下になることが多かったという。単なる不平不満なのか、会社をよくしようとする改善提案なのか、見極める必要があるのです。
私の経験上、実は不満を持つ社員が戦力化できた事例は多いのです(p60)
なぜ、部下が思い通りに動いてくれないのか?
「なぜ、部下が思い通りに動いてくれないのか?」の答えは、あなたが「部下とは思い通りに動くものだ」と思い込んでいるからだというのです。
部下には、いろいろな人がいます。「こんなにがんばっているのに」と愚痴る部下。「あのスタッフ、裏で社長の悪口を言っていますよ」と、うわさ話を伝える部下。
思い通りに動かない部下の言い分を聞き、その場その場で対応していく。リーダーとは、大変な役割なのだと再確認しました。
だからこそ、組織がうまく動いたときには、達成感も大きいのではないでしょうか。「これでもか!」というほど、著者の説明が充実していましたので、★5とします。
柴田さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・仕事を絡めて雑談をする・・・「最近、仕事が大変だから、休日は仕事を忘れるように過ごしてほしいな。最近はどう過ごしているの?(p23)
・うちの会社は給与がもらえて学べる場です。普通は学ぶにはお金を払うでしょ?ここではもらえます!(p190)
・仕事の意思疎通がうまくできないのは、定義の相違です。まず定義を揃えましょう(p108)
・報告は文書で提出してもらってください・・・口頭と違って、書いて伝える場合は誤魔化せません(p111)
▼引用は、この本からです

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柴田昌孝、三笠書房
【私の評価】★★★★★(95点)
目次
第1章 リーダーは短く、具体的に、自分の言葉で話せ【話し方・伝え方 篇】
第2章 リーダーは誠実に、丁寧に、個別に対応せよ【部下との向き合い方 篇】
第3章 大事なときにどう接するかでリーダーの価値が決まる【褒め方・叱り方 篇】
第4章 できるリーダーは見えないものが「見えている」【部下の本音 篇】
第5章 あなたが「してほしかった」指導をしよう【部下指導 篇】
第6章 部下を伸ばすリーダーがやっている「当然のこと」【評価・育成 篇】
第7章 尊敬されるリーダーは「これ」をやらない!【仕事の棚卸 篇】
第8章 「働きやすい雰囲気」はリーダーが作るものだ【環境・職場作り 篇】
第9章 組織というものは、トップより大きくならない【リーダーの器 篇】
第10章 リーダーである前に、人として問われている【人間性 篇】
著者経歴
人材育成コンサルタント、店舗経営コンサルタント、店舗ビジネスラボ代表/セミナー講師。富山県出身。洋装店の長男に生まれる。大学卒業後、業界1位の呉服チェーン「やまと」の全国トップ販売員を経て、地元で家業の洋装店を継ぐ。自らオーナー店長としてスタッフ育成し、路面1店舗をわずか8年で50店舗150名、年商30億のアパレル企業へと成長させる。2018年、人材育成コンサルタント、店舗経営コンサルタントへ転身。
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