【書評】「仕事で疲れた心がすっと軽くなる 「頭の中のひとりごと」言いかえ図鑑」 片田智也 , 川見敦子
2026/10/29公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
心が軽くなるひとりごと
「あの人は、どうしてあんな言い方をするのだろう」「また失敗してしまった」。頭の中で嫌な出来事を繰り返してしまうことはないでしょうか。
この本では、公認心理師の2人が、「心の重くなるひとりごと」を「心が軽くなるひとりごと」に言いかえる事例を教えてくれる一冊です。
同じ出来事でも、「困ったな」と考えるか、「こうすればいいか」と考えるかで、次に取る行動は変わります。
たとえば、お客様からクレームの電話が来たときは、「それだけ困っているということか」と考えると、お客様が何に困っているのかに目を向けて、話を聞けるという。
「心が軽くなるひとりごと」と「心の重くなるひとりごと」・・・たいていの人は後者の方が多いでしょう。なぜかというと、わたしたちの心は「リスクを大げさに見積もるクセ」があるからです(p3)
人を傷つける人対策
世の中には、相手の気持ちを考えず、失礼なことを言う人もいます。
著者は、心ない言葉はブーメランのように本人に返っていく、と説明しています。失礼な発言を重ねれば、周囲からの信用も失います。相手の失礼な言葉は、相手自身を傷つけているのです。
苦手な人から嫌われたときも、「あの人に嫌われてよかった!」「距離を取ってくれたんだ」と受け止めれば、負担が減ります。
すべての人に好かれようとする必要はありません。この本では、「あなたは他者の期待を満たすために生きているのではない。他者もまたあなたの期待を満たすために生きているのではない」というアドラーの言葉を紹介しています。
あいさつを返してくれない人がいても、「自分のためにあいさつしよう」とあいさつを続けましょう。それでも、本気で職場が嫌になったら、「そんなにイヤなら辞めればいい」と、この本ではアドバイスしているのです。
苦手な人から嫌われた?・・あの人に嫌われてよかった!・・・「距離を取ってくれたんだ」と感謝する(p29)
自己嫌悪対策
仕事で大きな失敗をすると、「自分はダメな人間だ」とまで考えてしまうことがあります。しかし、自分を責めても、失敗がなくなるわけではありません。
自分にできることは、失敗した原因を振り返り、同じ失敗を防ぐことです。失敗を成長の機会に変えるのです。
著者自身も、上司を殴ってしまったこと、事業での大きな失敗など、何度も「もう終わりだ」と思うような経験をしたといいます。それでも、どの出来事も人生の「終わり」にはならず、逆に次の道へ進むきっかけとなったというのです。
大きな失敗をしてしまった・・・この失敗をどう活かすか(p106)
不安対策
難しい仕事を任されると自信がなければ、「自分には無理だ」と考えたくなります。そこで、「やりがいがある」「自信がないけどやってみよう」と言いかえてみます。
周囲から期待をかけられたときも、「できることをやり切ろう」と考えます。相手がどう評価するかは決められませんが、準備をすることはできるのです。
「できることはやり切った」ら、後は成り行きに任せて忘れてしまうのが一番です。
「頭の中のひとりごと」が、自分を応援して背を押しているのか、自分を疲れさせ固まらせるのかの違いだと思いました。
楽観的に進める人と、深刻に考えて動けない人を比べれば、一長一短ありますが、動ける人のほうが失敗しても経験値は残るのでプラスなのではないでしょうか。
片田さん、川見さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・仕事が重なって混乱・・・とりあえずこれ以外、今は考えない・・・・結局、目の前のことに集中し、1つずつ順番に片づけていくのが一番効率的なのです(p71)
・直前に予定が変更された・・・まだ間に合ってよかった・・・そこで文句を言っても状況は変わりません(p61)
・雑談に入るのが難しい・・・無理に入らなくておいいか・・緊張すればするほど、会話がぎこちなくなるでしょう(p87)
・感情との付き合い方・・・何のためにそう感じたのか?(p160)
▼引用は、この本からです

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片田智也 , 川見敦子、ぱる出版
【私の評価】★★★★☆(85点)
目的
第1章 人間関係で心がしんどい
第2章 ストレスや面倒ごとで疲弊
第3章 コミュニケーションが疲れる
第4章 失敗が怖くて挑戦できない
第5章 メンタルがちょっと不安定
第6章 逆境や困難にも負けない
著者経歴
片田智也(かただ ともや)・・・一般社団法人感情マネージメント協会代表理事・公認心理師。
20代で独立起業するが、ストレスから緑内障を発症、視覚障害者に。うつ病と診断された姉が自死。姉の死の真相を知るために精神医療や心理療法を探求し、後に心理カウンセラーに転身する。厚生労働省ストレスチェック制度、防衛省メンタルサポートなどメンタルケア関連の公共事業に多数参画。
カウンセリング実績は延べ1万5000名以上。企業研修や講演の受講者は累計2万名を超える。「心の問題解決」に幅広く取り組む。
川見敦子(かわみ あつこ)・・・一般社団法人感情マネージメント協会理事・精神保健福祉士・公認心理師。医療雑誌の編集者を経て外資系広告代理店で勤務する中、海外と比べて日本の会社員は元気がないことに強い違和感を抱く。「もっと楽しく笑顔で働いてほしい」という思いから、産業分野のメンタルヘルス支援の道にキャリアチェンジ。これまでに国立がん研究センターや外務省などで相談業務に従事。カウンセリングだけでなく、人事労務担当者への心の健康作りのコンサルティングも行う。民間企業や自治体、官公庁でのストレスケア、コミュニケーション研修に多数登壇。年間登壇実績は100回を超える。
現在は、感情マネージメント協会の広報担当として、「自分の感情を管理する大切さ」について普及活動を行っている。好きなものは猫とハワイと「萩の月」。
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