【書評】「毎朝5分で学ぶ投資の神様「ゼロ」からの心得! バフェットの教え 見るだけノート」 濱本 明
2026/06/23公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
バフェットも失敗している
投資の神様といわれるバフェットも失敗しています。この本を読んで、バフェットも失敗から学び成長してきた人間だったのだ、と少し安心しました。
大学生だったバフェットは、尊敬する投資家ベン・グレアムが購入したという理由だけで、ハサウェイ・ミルズの株式を購入します。その安易な判断を知ったハサウェイ・ミルズの実質的な所有者ヘティ・グリーンは、バフェットに対し「自分の頭で考えなさい」と叱ったといいます。
その後、バフェットは1965年、ハサウェイ・ミルズと他社が合併したバークシャー・ハサウェイを買収します。しかし、もともと繊維事業は斜陽産業であり、立て直しを図ったものの業績は回復せず、最終的に工場はすべて閉鎖され、従業員を解雇することになりました。
さらに1966年には、老舗百貨店ホクスチャイルド・コーンを1200万ドルで買収しています。オーナーは優れた人物でしたが、百貨店業界そのものが斜陽産業であったため業績は伸びず、3年後に購入時とほぼ同額で売却することになりました。
バフェットはこれらの経験から、自分でしっかり考えて投資すること、そして「まずまずの企業を安い価格で買うよりも、素晴らしい企業をまずまずの価格で買うことのほうがはるかによい」ということを学んだのです。
まずまずの企業を素晴らしい価格で買うよりも、素晴らしい企業をまずまずの価格で買うことのほうがはるかによい(p29)
失敗から得られた原則を守る一貫性
バフェットの投資法は、長期的な発展が見込める企業を見極め、その成長とともに利益を得るというものです。10年、50年たっても信頼でき、みんなが欲しいと思うものを作り続けられる企業かどうかが重要だとバフェットは言います。
実際、バフェットはITバブルの最中に、IT企業ではなくアイスクリームチェーン店のデイリークイーンを買収しています。その理由は、10年後も商品価値が衰える確率が低いと考えたからでした。
さらに、バフェットの投資の原則は、「損をしないこと」、そしてその原則を忘れないことです。
格付会社から「保険料収入を増やさなければ格付けを維持できない」と指摘された際も、価格が適正でない保険を引き受けて短期的に売上を伸ばすことを拒み、経営方針を変えなかったといいます。この一貫性が、バフェットの安定した成功を支えているのだと感じました。
バフェットのバークシャー・ハサウェイは、かつて格付会社から「現在の格付けを維持するには保険料収入を増やさなければならない」という指摘を受けたことがありました・・・価格が適正でないひどい保険をたくさん引き受ければ、見せかけの売上を伸ばすことはできます。しかしそれでは企業価値を損ないかねない(p118)
成功の秘訣は自分の能力を見極めること
バフェットは、投資で成功するための条件として「大切なのは能力の輪の限界を見極めることだ」と言っています。つまり、自分が絶対に大丈夫だと確信できる会社にだけ投資するということです。
同時に、自分の能力の輪を広げることも重要です。「投資家として成功するために何をすべきか」と問われたバフェットは、「手当たり次第、読むことです」と答えています。読んで能力の輪を広げるのです。
バフェットは10歳のときには、オマハ図書館にある金融関係の書籍をすべて2回ずつ読んでいたというエピソードからも、その学びへの姿勢がうかがえます。
どれも平均的な理解というより、1つでも「これだけは!」という専門分野を持てるように!(p146)
お金よりも好きなことをやるべき
バフェットは「成功」とは、お金や名誉ではなく、周りの人から愛されているかどうかだと定義しています。そして「成功」のために大事なのは、自分が好きなことをとびきり上手にやることであり、お金はその副産物にすぎないと言っています。
上手にやるためには、自分より優れた人間とつき合うほうがよく、逆にひどい人とつき合えば自分もダメになってしまうと助言しています。
知人のコンサルタントに対しても「扱いにくい人間とは取引するべきではない。取引相手はこの世にいくらでもいる」とアドバイスしたというバフェット。つき合う人を選ぶことが重要なのです。
濱本さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・まず自分自身が顧客になり、次に他人のために働くべきだ。1日1時間を自分のためにあてるべきだ(p173)
・1980年代のバフェットはアシスタントと2人だけで仕事をこなしていました(p154)
・バフェットは「事業の多角化は無知を隠す1つの手段です。自分が手掛けるビジネスを深く理解していれば、多角化など無意味に思えるはずです」と話しています(p111)
・バフェットは、父ハワードが経営する証券会社バフェット・フォークに勤めていた・・・優良株を20年は持ち続けるのが一番よいということを、顧客にアドバイスしたのです。しかしそれでは、バフェットや証券会社にとって手数料が入る機会が1度しかなく、都合がよくありません(p105)
▼引用は、この本からです

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濱本 明(監)、宝島社
【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
1 バフェット流・投資の哲学
2 功を奏するのは長期的な視点
3 大切なのは人に投資すること
4 バフェットが教える投資の心得1
5 バフェットが教える投資の心得2
6 情報を正確に分析する
7 自分のルールを忠実に守る
8 お金儲けよりも大切なこと
著者経歴
濱本明(はまもと あきら)・・・日本大学商学部教授。青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科兼講師として会計学の研究・教育に従事。財務諸表をもとに長期投資をするバフェットの投資術に共感し、その動向を追っている。日本内部統制研究学会理事。日本公認会計士協会税務業務協議会研修企画出版専門委員会専門委員。
ウォーレン・バフェット関連書籍
「ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ―若き日のバフェットに学ぶ最強の投資哲学」グレン・アーノルド
「スノーボール (上) ウォーレン・バフェット伝」アリス・シュローダー
「バフェットの株式ポートフォリオを読み解く」メアリー・バフェット、デビッド・クラーク
「ビジネスは人なり投資は価値なり-ウォーレン・バフェット」ロジャー・ロウェンスタイン
「バフェットからの手紙 - 「経営者」「起業家」「就職希望者」のバイブル」ローレンス・カニンガム
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