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【書評】「常識を超えて結果をだす 新庄剛志の名言」桑原晃弥

2026/05/07公開 更新
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「常識を超えて結果をだす 新庄剛志の名言」桑原晃弥


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー


高い目標を宣言する

北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督は、就任1・2年目こそリーグ最下位と低迷しましたが、その後2年連続でリーグ2位へとチームを立て直しました。日本ハムは就任前の3年間リーグ5位であったことを考えれば、新庄剛志の監督としての実績としては十分評価できるでしょう。


注目すべきは、新庄監督が就任会見で「1年目は土台を作り、2年目は勝ち癖をつけ、3年目で優勝争いをする」と宣言し、この言葉通りになったことです。1年目については、勝つことを目指すのではなく、選手の隠れた能力を引き出し、伸ばすことを最優先にすると宣言していました。


「そんなことできるわけないだろう」という高い目標が好きだと語る新庄剛志にとっても、若いメンバーで優勝争いをすることは大きな挑戦だったことがわかります。


1年目で戦うための土台を作り、2年目で勝ち癖をつけ、3年目で優勝争いをする・・・この言葉通りに進んでいる(p134)

派手な言動の裏に隠れた努力

新庄剛志監督の一般的なイメージは、ワインレッドのスーツにサングラスで登場した就任会見や、カエル・スパイダーマン・ゴレンジャーといった被り物でのパフォーマンスに代表される、常識とはかけ離れた奇抜な人物です。


現役時代には、敬遠球をあえて打ってサヨナラヒットにするという前代未聞のプレーも話題となりました。バリ島での貧乏生活を経て、48歳でプロ野球合同トライアウトに挑戦したときも、世間を驚かせました。


しかし本書が明らかにするのは、ふざけているように見える言動の裏に隠された、地道な努力です。「練習嫌い」というイメージとは裏腹に、他の選手が来る2~3時間前に練習場に現れ、全体練習が終わった後も、ひとり戻って練習を続けていたといいます。


敬遠球をサヨナラヒットにした時も、事前に敬遠球を打つ練習を繰り返し、野村監督とコーチの了解まで得たうえでの「挑戦」だったのです。


実際、新庄剛志自身も「自分が得意なことは何か」を考えに考えて、そこに集中して、人一倍の努力を続けたと語っているのです。


プロ野球選手に復帰するためのトライアウトへの挑戦・・・自分が必死になって野球に取り組む姿を見せ、その先にある監督に就任する。誰も信じていないけれど、新庄だけが信じていたストーリーです(p27)

苦難でも明るく楽しむ

新庄監督の人生には、逆境が何度も訪れていますが、「困難なほどおもしろい」というのが新庄剛志の考え方です。


引退後には友人の裏切りにより20億円を失い、手元に残ったのは2,000万円だけでした。しかしその状況でも腐ることなく、体を鍛え直してトライアウトに挑戦しています。


メジャーリーグ挑戦を決めた際も、日本球団からの5年契約12億円という好条件を断り、メッツからの1年2,000万円(契約金3,000万円)という見劣りする条件を選んでいます。


メジャーリーグでは、しばらく友人ができず、いじわるやちょっかいを出される毎日でしたが、明るくリアクションしているうちに、人気者になったという。


新庄剛志は「前例がないと、やる気が出る」し、「そんなことできるわけないだろう」と言われると、その声が夢に向かう原動力だというのです。そうして明るく努力する原動力は、苦しそうにやっているヤツには運は来ない。楽しんでいるヤツには運が来る、という新庄剛志の考え方があるのです。


高い目標に挑戦することで通常よりも成長できることを大切にするタイプ・・・新庄剛志の生き方(p17)

日米の経験を監督業に生かす

新庄剛志監督は、メジャーリーグでの経験を生かしていることがわかります。


その一つが、コーチへの「新人は教えないで」という指示です。新人のフォームにいきなり手を加えて、せっかくの才能を潰してしまうコーチが多いという問題への対応なのでしょう。まずは自由にやらせてみて、選手が自分で壁にぶつかったとき、初めてコーチが関わるという順序を徹底しています。


もう一つ印象的なのが、「80%の力でプレーする」というアドバイスです。100%のプレーは、余裕を失わせ、ケガやエラーのリスクを高めます。常に余力を持ったプレーを習慣づけることで、安定したプレーを維持するという発想です。


派手なパフォーマンスの印象が先行しがちな新庄剛志監督の、思慮深い指導者としての素顔が伝わってくる一冊でした。桑原さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・無理なことを宣言すると、「そんなことできるわけないだろう」という人が出てくる。その声は、夢に向かうぼくの原動力だ(p18)


・すべてが無難な道を選んでいたら得ることができなかった経験ばかりだ。そしてそれらの経験のすべてが、監督となった今の僕にとっては大きな財産になっている(p152)


・若い選手がボンズのサインを貰おうと話しかけたところ、ボンズに拒否されます・・・新庄は、ボンズの頭を叩き、「その言い方はないやろ」と怒ります・・・ボンズは「俺にそんなことを言ってくれる人はいなかった」と話し、以来、ボンズは新庄を「バディ」と呼び、2人は仲良くなった(p183)


▼引用は、この本からです
「常識を超えて結果をだす 新庄剛志の名言」桑原晃弥
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桑原晃弥 (著)、ぱる出版


【私の評価】★★★☆☆(78点)


目次


第1章:夢を描き、夢を実現する
第2章:圧倒的な努力と準備を怠らない
第3章:一瞬のチャンスをつかむ
第4章:自分の強みに焦点を合わせる
第5章:人の才能を引き出すために
第6章:失敗を恐れずいつだって前を向く
第7章:信頼・礼儀・感謝を大切に


著者経歴


桑原晃弥(くわばら てるや)・・・1956年、広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者などを経てフリージャーナリストとして独立。トヨタ式の普及で有名な若松義人氏の会社の顧問として、トヨタ式の実践現場や、大野耐一氏直系のトヨタマンを幅広く取材、トヨタ式の書籍やテキストなどの制作を主導した。一方でスティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾス、イーロン・マスクなどの起業家や、ウォーレン・バフェットなどの投資家、本田宗一郎や松下幸之助など成功した経営者の研究をライフワークとし、人材育成から成功法まで鋭い発信を続けている。


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