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【書評】「科学的に裏付けられた教えるスキル」飯山 晄朗

2026/05/08公開 更新
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「科学的に裏付けられた教えるスキル」飯山 晄朗

【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー


社内教育を設計する

メンタルコーチとして、オリンピックメダリストを輩出し、高校野球では24年ぶりの甲子園決勝進出を実現させてきた著者が、そのノウハウを企業の社内教育に応用した一冊です。


科学的な裏付けに基づいた「教える技術」を体系的に設計しています。著者の「教える技術」をARCSモデルで整理してみましょう。


まず、最初のAttention(注意)とRelevance(関連性)では、学ぶ側の注意を引きつけるためにセミナーや研修の冒頭で、「○○とはどういうことか」という問いから入ります。脳は問いかけたとおりに、全力で答えを見つけ出そうとするので、自分と教育の関連性を考えさせることができるのです。


Confidence(自信)、Satisfaction(満足感)は、できるという自信と満足感を与えることですが、これは教育の中にゲームと同じように,明確なゴール,挑戦,進歩の実感を取り入れることで教育の効果を最大化できるのです。


ARCS(アークス)モデル・・Attention(注意)・・Relevance(関連性)・・・Confidence(自信)・・Satisfaction(満足感)・・・4つの観点から教育指導の内容を設計していく(p185)

思考タイプに合わせた教え方

人の脳の思考タイプは人それぞれであり、タイプ別に好奇心を持ってもらうような指導アプローチを説明しています。


例えば「合理脳」タイプの人は「何のためにやるのか」という目的を最も重視します。この人に対しては、「なぜこの目標なのか」を丁寧に言語化して伝えることが、動機づけの鍵になります。


一方、「拡大脳」タイプは新しいことや変化への挑戦に強く反応します。同じ教育内容でも、伝え方を変えるだけで、受け取り方は大きく異なるのです。


評価するときの方法についても、著者は明確な順序を示しています。「できていないこと」ではなく「できたこと」から評価を始めるのです。そのうえで、「改善すること」を考えることで、学ぶ側の自己効力感を守りながら次に進めるというわけです。


「できたこと」から評価を始める・・・その後に「うまくいかないこと」「できないこと」ではなく「改善すること」を考えます(p79)

落ち込んだときの対処法

教える側も教わる側も、ミスや失敗は避けて通れません。著者はネガティブな感情をそのまま放置するのではなく、意図的に「ワクワク」「強気」「冷静」「感謝」といったプラスの感情へと置き換えていく方法を説明しています。


例えば困ったときには、まずその現実を受け入れ、「楽しくなってきた」と笑顔で口にし、望む結果を実現している自分をイメージするのです。そのうえで、今回の出来事が目標達成のためにどんな学びをもたらしてくれているか再定義するればいいのです。


ピンチになったとき・・・受容する・・「ありがたい」などと笑顔で口にします・・・今回の出来事が,目標達成などの成功を掴むためにどんなプレゼントをしてくれたかを考えてみます・・「何を学べと言っているのかな?」(p73)

人が学ぶ仕組みを理解する

本書の後半では、脳の仕組みを踏まえた「やる気(動機づけ)の引き出し方」が「好奇心」と「主体性」で解説されています。


人それぞれに「好奇心」のスイッチが違うため、そこは脳思考タイプに合わせて関わり方を微調整します。


「主体性」については、著者は「問い」を通じて、その人自身の主体性を引き出すのです。これは「答えを教えず、引き出す」というコーチングと同じ方向性なのでしょう。


こうした引き出すアプローチが改めて説得力を感じる一冊でした。飯山さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・視座を変えることで「問題意識」が変わり,「役割意識」が変わる・・・チームの中で「~が私の役割です」などと宣言してもらうと良い(p93)


・人間にとって燃料に当たるのが「何のために」という目的です(p48)


・目標を実現させるために最も大事だと思うこと・・・「選択と集中」です(p52)


・脳は一度に一つのことしか集中できません(p52)


▼引用は、この本からです
「科学的に裏付けられた教えるスキル」飯山 晄朗
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飯山 晄朗 (著)、KADOKAWA


【私の評価】★★★★☆(83点)


目次


1 「教える」ことの成果ってなに?
2 「教える」対象によって教え方を変える
3 「教える」をデザインする


著者経歴


飯山 晄朗(いいやま じろう)・・・メンタルコーチ/人財教育家。富山県高岡市出身。石川県金沢市と東京青山にオフィスを構える。
メンタルコーチを務めたアスリートがリオデジャネイロ五輪で銅メダル、平昌五輪で金メダル、東京五輪で金メダルを獲得。また高校野球で、歴史的大逆転劇で甲子園出場を決める、24年ぶりの甲子園決勝進出など多数実績あり。


教えるスキル関連書籍


「科学的に裏付けられた教えるスキル」飯山 晄朗
「行動科学を使ってできる人が育つ! 教える技術」石田 淳
「新しい教え方の教科書 Z世代の部下を持ったら読む本」北宏志


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