「新しい教え方の教科書 Z世代の部下を持ったら読む本」北宏志
2023/11/16公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
Z世代はまだ20代
藤井聡太八冠はZ世代だなと思いながら、手にした一冊です。Z世代はネットネイティブであり、失われた30年代の中で育ってきたので、高い報酬より安定性を求めているという。その一方で、自分を成長させてくれる上司や休暇を求めており、自分に合った仕事を選ぶためには、転職にも抵抗感がないというのです。
また、藤井聡太のようにのんびり見えて負けず嫌いな面もあり、Z世代には意見を出させ、役割を与えるとよいという。仮に、その会社が自分の成長に役立たないと判断すれば、転職してしまう可能性があるので、成長する環境にいると感じさせる必要があるのです。
ただ、Z世代はまだ20代ですので、仕事の知識や経験が十分でない前提で教える必要があります。そのコツは、相手に寄り添いながら丁寧に教えることだという。
・仕事においてまだ知識も経験もない令和世代には、コーチングをする前に、適切な「ティーチング」が必要(p39)
丁寧に一から十まで教える
Z世代への教え方については、それほど特異なものではなく、丁寧に一から十まで教えるのがコツだという。また、仕事で指示するときにも、具体的に指示することが大事です。例えば、「間違いがあると感じたときには必ず声をかけて」などと明確な指示しなくてはなりません。
著者は、部下に伝わっているかどうか確認することを重視しています。例えば、指示した後に、部下に口頭で復唱させることを習慣にしています。また、口頭で指示を伝えた場合は、メールとチャットでも伝えるなど部下の理解度がどの程度なのか再確認することにしているという。
・Z世代はメモを取らない・・「誰かに指示を出すように言ってみて」と復唱させること(p88)
問題は一緒に考えて再発防止
Z世代に限らず、「これをやっておいて」でなんとかなる時代ではないのでしょう。具体的にどうすればいいのか、教える仕組みが必要なのです。また、問題が発生したときには、相手を厳しく指導するよりも、同じようなことが起きた場合、どうすれば再発防止できるのかを一緒に考えて、業務を改善していくことが人を育てるのです。人が成長する仕組みを「教え方」として社内に作っておくことが必要だと思いました。
若い人は若い人なりに努力しているものです。自分のイメージの3割、5割もやってくれれば、ありがたいくらいの気持ちに余裕が必要だという著者の意見に賛同しました。北さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・朝昼夕雑談で「自分を見てくれている」と思わせる(p107)
・年上部下は、得意なこと・やりたいことを確認しながら(p116)
・職場再建の三原則・・森信三氏が提唱・・「時を守り」「場を浄め」「礼を正す」(p167)
・5S・・整理・整頓・清掃・清潔・躾・・素直で実直な人をつくる(p169)
【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
1 平成の教え方はもう通用しない、Z世代のホンネと令和の教え方
2 教え育てることのスタートは、令和も良い関係をつくることから
3 これさえ知っていれば怖いものなし、令和式教え方のキホン
4 教えっぱなしはNG!丁寧なフォローが今どき部下を動かす
5 一度教えるだけでは育たない、教え続けることの重要性とは
6 仕組みをつくり、人格を磨き続けて教え方のアップデートを
著者経歴
北宏志(きた こうじ)・・・(株)ポールスターコミュニケーションズ代表取締役。人材育成コンサルタント。大学卒業後、立命館大学に関係する中高一貫校で6年間社会科教諭として勤務。その後、「ララちゃんランドセル」を製造・販売する(株)羅羅屋に転職。中国での3年間の駐在中は経営幹部として部下80名を束ね、中国国内の売上を3年間で9.7倍に拡大させ黒字化させる。帰国後、人材育成コンサルタントとして独立。現在は、Z世代の若手社員の研修を中心に、これまでの受講生は17,000名を超える。「研修業界の松岡修造」の異名を持つ。
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