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【書評】「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」ビル・パーキンス

2025/04/11公開 更新
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「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」ビル・パーキンス


【私の評価】★★★★☆(89点)


要約と感想レビュー


20代だから経験できることに投資する

アイオワ大学で電気工学を専攻した著者は、ニューヨーク証券取引所でアシスタントとして働き始めました。著者は、この職場で2つの衝撃的な経験をします。


一つは、薄給の中から節約・貯蓄して1000ドル貯めたことを上司に話したら、褒めてくれるどころか「お前はバカか?はした金を貯めやがって、この1000ドルは、今しかできないことのために費やすべきだ」と言われたのです。


二つ目は、ルームメイトが「仕事を休んで3カ月ヨーロッパへ貧乏旅行へ行こう!」と誘ってくれたのに、著者は断ったことです。ルームメイトが旅の思い出を語るたびに著者は嫉妬し、後悔することになりました。


この経験から著者は、20代は節約するのではなく、10年後や15年後の今よりも多くなるであろう収入を想定し、20代だから経験できることに投資するという考え方を学んだのです。


節約して1000ドル貯めた・・お前はバカか?はした金を貯めやがって・・この1000ドルは、今しかできないことのために費やすべきだ(p27)

人生の最後に残るのは思い出だけ

著者の伝えたいことは、人生の最後に残るのは思い出だけだということです。もちろん、どんな思い出が自分にとって価値があるのかは人それぞれです。自分が何をすれば幸せになるかを知り、その経験に惜しまず金を使うことが重要なのです。


著者が強調するのは、健康で体力があるうちにしか経験できないことに、意識して若いうちから金を使うことの重要性です。その年齢だからこそできる価値ある経験をするために、「金を稼ぐこと」と「価値ある経験」のバランスを取りながら、自分の時間を最適化するのです。


若いときは健康で自由な時間もあるが、金はあまりない。逆に、老後生活を送っている60代以上の人は、時間は豊富にあり、たいてい金を持っている。だが、残念ながら健康状態は衰えている(p173)

老後の不安と戦う

経験のためにお金を使うにしても、老後のお金の不安からお金を使うことに躊躇する人もいるでしょう。著者も老後に必要なお金を貯めることを否定しているわけではありません。必要以上、金を溜め込んでいる人が多いことから、お金を有効に使うことを主張しているのです。


実際、米国の年齢別に見た世帯の金融資産額は右肩上がりで、老後のために貯蓄したお金を使っていないのです。


思ったよりもお金を使えない理由は、年を取ると人は金を使うための体力と気力と健康がなくなるからです。世界一周旅行したくても、サーフィンがしたくても体力・気力的にできないことが多いです。


したがって、著者の主張は、62歳や65歳といった時期から資産を取り崩し始めるべきであり、そうしなければ、お金を自分のために使い切れない可能性が高いということです。


「旅行を躊躇する理由」を尋ねた調査によると、60歳未満は「時間」と「金」、75歳以上は「健康上の問題」と答える人が多かった(p158)

お金を価値ある経験に替える

著者は子どもたちに財産を贈与するため信託口座を作っています。子どもたちに贈与した後の、残りの「自分のための金」を生きているうちにうまく使い切ることを目指しているのです。


私たちは人生を豊かにするために、仕事に自分の人生の時間を使ってお金という紙切れを手に入れます。そのお金を価値ある経験に替える。お金を活かして使って、「富」を最大化するのではなく、「人生」の最大化を目指すのです。


著者の主張である「今しかできないことに、惜しみなく金を使え。いつかは誰もが死ぬ。限られた時間のなかで最大限に命を燃やす」は正しいと思いました。


ただ、アメリカでは株式投資している人が多く、トランプ関税によって株式相場が下落して老後資金に不安を持っている人が多いと思いますので、その分は割り引いて読みたいと感じました。パーキンスさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・人生は経験の合計だ・・・各体験から得られる喜びをポイントで表現する(p49)


・金を時間で買うことも大切・・・ある程度の収入があるが、時間は足りていない中年期の人たちにとって効果が高い(p182)


・「タイムバスケット」(時間のバケツ)・・・「自分は残りの人生で何をしたいのか」を、大まかな時間的枠組みのなかでとらえることができる(p198)


▼引用は、この本からです
「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」ビル・パーキンス
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ビル・パーキンス (著)、ダイヤモンド社


【私の評価】★★★★☆(89点)


目次

ルール1 「今しかできないこと」に投資する
ルール2 一刻も早く経験に金を使う
ルール3 ゼロで死ぬ
ルール4 人生最後の日を意識する
ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える
ルール6 年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する
ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する
ルール8 45~60歳に資産を取り崩し始める
ルール9 大胆にリスクを取る


著者経歴

ビル・パーキンス(Bill Perkins)・・・1969年テキサス州、ヒューストン生まれ。アメリカ領ヴァージン諸島に拠点を置くコンサルティング・サービス会社BrisaMaxホールディングスCEO。49歳のミリオネア。アイオワ大学卒業後、ベンチャー・キャピタル、エネルギー業界を専門に金融業界で活躍。ヘッジファンドマネージャーとして成功。その後、映画業界にも進出。みずから俳優・監督して映画制作にたずさわる。ポーカーの名手としても有名。


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