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「起業の着眼点」邱永漢

(2020年6月26日)|本のソムリエ
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【私の評価】★★★★☆(83点)


■商売の神さま・・
 邱永漢先生の2006年の一冊です。
 リーマンショック前ですね。


 起業が趣味のような人ですから、
 そのアドバイスは
 核心を突いています。


 貯金して信用とネタ銭を作る。
 儲かる商売を選ぶ。
 全国、世界の同業に学ぶ。
 最初は手形は振り出さない。


 起業とは、失敗と隣り合わせの
 弱肉強食の世界ですから
 それなりの覚悟が必要なのです。


・はじめてやったことがすんなり成功して成功者の仲間に入った人など皆無といってよいでしょう。大抵の人が失敗のくりかえしだし、本当にやりたいと思ったことでは失敗して、思ってもいなかったことで栄冠を勝ち得ています・・・失敗を怖れていたら成功にまで辿りつくことはないのです(p120)


■面白いのは、2006年の本ですので
 邱先生の未来を予見する力を
 確認できるところでしょう。


 時代は成熟社会となり、
 デパートは右肩下がりで、
 ユニクロ・ドンキホーテが勃興し、
 最終的には小さな個性的な店が
 増えてくるだろうと予言しています。


 ちょうど楽天やライブドアが
 球団オーナーになろうかという時期で
 インターネットによって時代が
 変わっていくだろうことも書いています。


 さすがに2007年のiPhone発売は
 予言できなかったようですが、
 ネット時代の変化を感じていたようです。


・成熟社会は個性の主張をする時代です・・・会社を勝手に辞めても何とか食いつないでいける・・若い人はデパートの前を通りすぎて小さな店に入ってしまいます・・・そのうちにデパートの衣料品売場や日用品売場が空室になればこれらの店が一足先にデパートの中を占領することが考えられます(p94)


■邱先生の商売についてのお話は
 いちいちもっともなので、
 ただ聞くだけで十分です。


 起業というものは
 誰でもできるわけではなく
 成功者も限られるので
 先人の助言が有用なのです。


 邱先生は天国でインターネットが
 常識となった新型コロナ時代の
 世界を眺めているはずです。


 邱さん、
 良い本をありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・チェーン・ストアの加盟店になる仕事は自分で考えてやる仕事ではなくて、お金を出して人にしばられて使い走りをする仕事です・・・起業とはもっと難しくて、もっと覚悟を決めてかからないとやれない仕事なのです(p3)


・ふだんから少しずつでも貯金をきちんとやっていることが大切です・・お金を出してくれる人は安心するのです・・私は脱サラについて相談に来る人に「何をやりたいのですか」ときく前に、「いまいくら貯金があります?」とききます。貯金のない人の口走る脱サラはほとんどが絵空事です(p56)


・脱サラを心掛けるからには、いままでの収入を維持できるどころか、最悪の場合は妻子も養えないばかりか、三倍働いてサラリーは半分もないという場合もあるという覚悟が必要です(p59)


・時代時代によってお金の儲かる仕事とそうでない仕事があって・・・汗水たらして一生懸命働くよりも、お金の儲かる確率の高い仕事を見つけることの方がずっとうまくいくことが多いのです(p62)


・はじめる前にまず「何を選ぶか」ということが必要だし「それは自分にできることか」という自問自答が前提になります。「何を選ぶか」によって人の運命は大きく変わります・・・可能性を拡げるためにも、若い時から行動半径を拡げておく必要があります(p106)


・お金の儲かる話は自分で探してまわるもので、坐っていて人から持ち込まれるものではありません・・・ですから棚からばた餅といったうまい話が持ち込まれた時は、十中十が眉唾物と考えて、三歩下がってきく必要があります・・・一番無防備なのは、あまり持ちつけたことのないお金を手に入れた人たちです(p169)


・次にやろうと思った仕事を実行に移す前に、外国旅行を一ぺんやってみたらどうでしょうか。自分がやりたいと思っている仕事が外国ではどうなっているのかを自分の目で見てみるのも役に立つし、先進国と発展途上国の違いを比較してみるのもかなり参考になります(p161)


・期日に手形が不渡りになれば、たちまち銀行から取引を拒否される・・・ですから、まだ駆け出しの事業家たちには手形を振り出さないようにとすすめています(p121)


・誰でもすぐに頭に浮かぶのは銀行からお金を貸してもらうことです・・・その人は必ず当てがはずれます。なぜならば、銀行は・・・どこの馬の骨かもわからない企業や人には唾もひっかけない存在だからです・・・どんなに難しくとも金ぐりは自分の能力の範囲内でやるに限ります。そのために身内がおり、友人がいるのです(p123)


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▼引用は、この本からです

邱永漢、PHP研究所


【私の評価】★★★★☆(83点)


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■目次


第1章 サラリーをもらって金持ちにはなれない
第2章 最初の一歩は資本づくり
第3章 小さな魚が大きな魚を食い潰す
第4章 雨の日は銀行に傘を借りるな
第5章 周囲に反対されることをやれ


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