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「銀行とつきあわない法」邱 永漢

2017/02/14公開 更新
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銀行とつきあわない法 (幻冬舎文庫)


【私の評価】★★★☆☆(79点)


要約と感想レビュー

 平成13年、バブルが崩壊し、発生した不良債権の処理が行われいてる時代の書です。バブルの時代には金を借りてくれと頼んできた銀行が、手のひらを返したようにお金を引き上げるということが起きました。それまではどこの銀行と付き合っても同じだったものが、銀行を選ぶ時代になったのです。


 つまり、中小企業の経営者にとっては、お金を貸してくれる銀行がよい銀行なのです。一流の銀行が必ずしも厳しいときに、お金を貸してくれるわけではないのです。メインバンクを持つというのも、厳しいときに貸してくれるからメインバンクとするべきなのでしょう。


・同じお金を預けるにしても、いざという時にお金を貸してくれる銀行を選ぶべきだということである・・(p28)


 アメリカで流行っているデリバティブに、日本の銀行が手を出しはじめていることにも警鐘を鳴らしています。例えば、先物相場は、本来は繊維や小豆のように価格変動の激しい物品を安定した価格で仕入れるために、需要家が三カ月先、六カ月先の物品を手当てするためにできたものなのです。


 そこに現物を持たない銀行が先物取引を行うということは、予想が当たるか当たらないかのバクチと同じものである可能性があるのです。まじめな銀行員が、バクチで勝てるはずがないということなのでしょう。


 当たり前のことを当たり前に理解するのが、邱さんなのだと思いました。邱 さんは天国でもきっとビジネスをしているのでしょう。邱さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・貿易黒字によって大量の外貨を稼いだとしても、稼いだドルを担保に円を発行するかわりにドルで保有させ、ドルで投資したり消費することを義務づけたら、日本国内に資産インフレも起こらなかったし、したがってバブルも発生しなかっただろう(p117)


・株価は上場企業の実態を必ずしも反映するものではなくて、むしろ虚構といった方が正しいだろうが、しかし、株式市場でついた値段でいつでも売れるから、それだけの交換価値は持っている・・不動産や美術品に比べても最も換金性に富んだ財産である(p278)


・地価も株価も短期間に上昇しすぎて、銀行から借金したのでは引き合わない時代になっていた。かつて森ビルが大きくなったのは、借金をしてビルを建てて建物を貸したら、保証金だけで土地代と建物代がタダになり、家賃収入が丸儲けになったことが続いたからである・・(p66)


・危ない冒険に銀行はお金を貸したがらない。お金の欲しいベンチャーがお金を貸してもらえないとなれば、あとは冒険の好きな投資家に資金の提供を仰ぐよりほかない(p178)


▼引用は下記の書籍からです。
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【私の評価】★★★☆☆(79点)


目次

第1章 銀行の手口と行動がわかる法
第2章 ドサ回りに堕ちた銀行のあの手この手
第3章 中小企業が銀行取引を考えなおす時
第4章 預金者として正しい銀行の選び方
第5章 銀行に頼らないマネー・プランを


著者経歴

 邱 永漢(きゅう えいかん)・・・実業家。1924年生まれ。東京大学経済学部卒業。台湾より香港へ亡命し、直木賞受賞作家となる。その後、株の神様、お金の神様といわれながら、事業活動を行い、現在も年間120回飛行機に乗って、東京、台北、上海を飛び回る。著作は約400冊にのぼる。


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