【書評】「ゆるストイック-ノイズに邪魔されず1日を積み上げる思考」佐藤航陽
2025/04/25公開 更新

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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
「ゆるストイック」とは
「ゆるストイック」とは、大谷翔平選手、藤井聡太名人のように淡々と自分のペースで歩み続ける生き方のことです。「ゆるさ」とは柔軟さのことであり、「自分は自分、他人は他人」という考え方です。
「ストイック」は自分の個性や長所にフォーカスして、日々の取り組みを楽しみながら、長く続けていくことです。自分の個性や長所は、自分では特にがんばったつもりはないが、周囲からよく褒められたことであることが多いという。
「ゆるストイック」という生き方は・・「淡々と自分のペースで歩み続ける」というスタイルなのです(p30)
成功者は何をしているのか
著者の現代社会の認識は、格差が拡大して、一部の成功者が豊かな暮らしを 享受しているという状況です。著者自身も起業して、20代で上場し、年商200億を達成し、今は宇宙関連で起業しているという成功者なのですが。
では成功者は何をしているかといえば、小さなリスクを取りながら、小刻みにトライアンドエラーを繰り返しているという。なぜなら、リスクがゼロなら未来の利益もゼロなわけで、宝くじを買わなければ、当たらないのと同じことなのです。
そして、起業にしろ投資にしろ、リスクがあるということは失敗する確率も高いのです。どんなに努力しても、必ず報われるわけではないという現実を受け入れることが重要だと著者は主張しています。
成功の対義語は「失敗」ではなく「無挑戦」です。成功するためには試行錯誤が欠かせません(p87)
規格外の成功の条件とは
そして成功の条件は、「少しの才能」と「運」だという。さらに「独自性」と環境に「タダ乗り」することができれば、規格外の金が集まってくるというのです。この「運」を引き寄せる人は、チャンスに遭遇する確率が高い行動をしている人であり、試行回数の多い人だという。
具体的には、好きなことに没頭するタイプだったり、深く考えずに行動するタイプだったり、戦略的に試行をこなすタイプがいるというのです。
環境に「タダ乗り」とは、例えばYouTubeを活用することです。格闘家の朝倉未来は、YouTubeを活用して有名になっています。
成功とは「環境が作り出す現象」・・タイミング、チーム、時代、場所(p110)
才能のない人の戦略とは
著者は自分は「天才ではない」と自覚しているという。だからこそ、強者との競争を避け、自分のわずかな強みを分析し、その強みを最大限に発揮できる「環境」を探し、タダ乗り戦略を考えるというのです。
逆に才能のある人は、強者との競争に巻き込まれて強みを発揮できなかったり、「タダ乗り」を避けて自力で切り開こうとするために「運」を味方にできない事例を多く見てきたという。
著者の人生戦略は、自分に配られたカードを知り、やるべき活動に没頭し、柔軟に変化し続けることなのです。説得力のある一冊でした。佐藤さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・成功者とは「失敗のプロ」・・小さな失敗を重ねて学び、柔軟に調整し続ける(p89)
・日々の取り組みを楽しみ、長く続けられる工夫・・あらゆることをゲーム化する(p168)
・自分ができることにフォーカスする(p79)
・私は「毎日まめ」というアプリを使い、毎日を5点満点で評価しています・・・どんな日が自分にとって「最高」だったのか・・客観的に振り返る(p196)
▼引用は、この本からです
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佐藤航陽(著)、ダイヤモンド社
【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
第1章 時代が「ゆるストイック」を求めている
第2章 ゆるストイックの心の準備
第3章 「世の中の仕組み」をゆるく理解する
第4章 ゆるストイックに過ごす方法
第5章 ゆるストイックを持続するコツ
第6章 不確実な未来に備える
著者経歴
佐藤航陽(さとう かつあき)・・・1986年、福島県生まれ。早稲田大学法学部在学中の2007年にビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げる。世界8カ国に展開し、2015年に20代で東証マザーズに上場。累計100億円以上の資金調達を実施し、年商200億円規模まで成長させる。その後、2017年に宇宙開発に関わる投資と研究を目的に株式会社スペースデータを創業。衛星データと3DCG技術を使って仮想空間に地球を自動生成するAIを開発。現在も「テクノロジーで新しい宇宙を作る」をテーマに研究を続けている。
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