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「その絶望感って、本当は心のまぼろしじゃない?: 不安や悩みがすぐに消える41の方法」ぱやぱやくん

2024/10/24公開 更新
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「その絶望感って、本当は心のまぼろしじゃない?: 不安や悩みがすぐに消える41の方法」ぱやぱやくん


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー


世の中は辛いことばかり

メンタル不調になりやすかったという元陸上自衛官が教える「もうだめだ!」という状況へのアドバイスをまとめた一冊です。メンタルが弱かった著者の感覚では、「もうだめだ!」とメンタル不調になるのはパターンがあるという。


例えば、周りとできな自分を比較して、勝手に落ち込んで自信を失うパターン。心の中でネガティブな独り言をつぶやき、すぐに疲れてしまうパターン。


また、著者は狭い人間関係でずっと生きていると具合が悪くなるという。著者はコロナの在宅勤務で、生活のすべてを500m以内で完結する生活を数カ月続けた結果、メンタル不調になってしまったのです。


人間関係で言えば、世の中には意地悪な人もいれば、他人を非難してばかりの人もいます。どうすれば、こうした状況をやりすごすことができるのか、ということです。


世の中は大したことのない人ばかり、人の目ばかり気にするのはやめよう(p75)

もうだめだ!からの脱出法

陸上自衛隊では、新隊員が何十キロもの荷物を担いで20キロ行軍するような地獄の訓練があります。そこでは「もう歩けないからがはじまり」と言われているという。つまり、教官は「何も考えず、右足を出せ、次は左足」とか「あの電柱まで行け、次はその電柱」などとアドバイスするというのです。


これは、 目標を小さくわけること。今、やれることに集中すること。深く考えないようにするという教えでしょう。


また、著者が元気がないとき、先輩に「駆け足に行くぞ」と誘われ、ランニングと筋トレをしたところ、気分が改善し、仕事が進んだという。同じように「ストレスで食欲がないときでも、食事を無理にでもとることが大事」であると自衛隊では常識になっているという。ストレスで食べられないのではなく、食べるから気持ちが落ち着いてくるのです。


これらは環境を変える、行動を変えることで、心の状態を変えることができるという教えなのでしょう。


辛い時こそ「服を新調する」「靴を磨く」などの行動をとると、割と心が整って、ちゃんとしようという気持ちになるものです(p91)

人生は自分で決める

著者は学生の頃から書くことが好きで、作家になりたいと思いながらも、書くことで食べていけるとは信じられなかったという。だから著者は自衛官となったのです。ところが、元幹部自衛官で芥川賞を受賞した砂川文治と出会い、砂川さんと自分との差は、やったか、やらなかったかの差でしかないことに気づいたという。


そこで著者は、SNSで思ったことを発信することで、書籍を出すことができるようになりました。ここでハッピーエンドになるかと思いきや、作家になるという夢をかなえたのに、著者の理想の人生は退屈な日々に変わっていったという。


夢がかなったのに、何のために書いているのだろうと、自分の活動に意味付けができなくなってしまったのです。著者は、すぐに達成するものでない、自分の物語を作っておくことをお勧めしています。 


自分の物語を誰かに語れるように準備しておこう(p183)

自衛隊ネタが面白い

元自衛官だけあって、自衛隊ネタが面白いと思いました。例えば、自衛隊で無駄に見える格闘技訓練や駅伝をやめて武器使用の訓練時間を増やしたところ、逆に現場の不平不満が増えて、退職者が続出するケースが多いという。一緒に駅伝で走ったり、格闘技で体を鍛え合うことがメンバーの一体感を作り、心の安全を担保している可能性が高いのです。


世の中には嫌な人や辛いこともありますが、一緒に共感できる仲間がいることで耐えることができることなのでしょう。まとまり感がありませんでしたが、元気が出てくるような一冊でした。ぱやぱやくん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・人生は残念ながら辛いことが多いです・・その状況から立ち直るたびに「その絶望はただのまぼろしだったな」と実感するのです(p3)


・カルト宗教・・信者の食事に塩分量をあえて少なくすることで思考力を落とし、物事を深く考えられないようにするという手法(p39)


・身体が冷えている時は不安になりやすく、暑い時は怒りっぽくなる(p46)


・アウトドアのスポーツやアクティビティは心身的にも優れているだけなく、日常のありがたみや感謝の気持ちを思い出すことができる(p187)


・攻撃的な人たちは実は自信がなく、打たれ弱いということが多いです(p89)


・全く仲良くなれない人は、何をどうしても仲良くなれないことがよくあります・・「もう仕方ないや」と割り切ってみるのもありだと思います(p99)


・過去の自分を「バカなやつだ」と思ったときは成長している証拠です(p101)


・「最高に調子が良くて、絶好調」だとしても、普通の人からみれば、「浮かれて調子に乗っているだけ」に見えることがあります(p106)


▼引用は、この本からです
「その絶望感って、本当は心のまぼろしじゃない?: 不安や悩みがすぐに消える41の方法」ぱやぱやくん

ぱやぱやくん、ぱる出版


【私の評価】★★★★☆(84点)


目次


第1章:「もうダメだ」と思ってしまうときは、パターンが決まっている
第2章:世の中は大したことない人ばかり、人の目ばかり気にするのはやめよう
第3章:本当にもうダメなの?
第4章:幸せなことに慣れてはいけない



著者紹介


ぱやぱやくん・・・防衛大学校卒 元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍中。元来「意識低い系」で、会社員時代は月曜朝からブルーな気分に。そんななか自衛隊の教訓や思い出話をネットで公開し話題になる。最近では「仕事中のイライラがなくなった」「気の重い会議も頑張れそう」といった声が続出中。名前の由来は、幹部候補生学校で教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。


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