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「なぜ、日本は戦争したのか?~17の質問から読み解く歴史物語」清田直紀

2024/10/25公開 更新
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「なぜ、日本は戦争したのか?~17の質問から読み解く歴史物語」清田直紀


【私の評価】★★★☆☆(79点)


要約と感想レビュー


連合国GHQの占領政策

中国は、南シナ海に人工島を建設し、南シナ海は中国の領海であると堂々と主張しています。ロシアは、クリミアを軍事進攻し、選挙を行い堂々と併合しています。アメリカもハワイ王国を併合し、フィリピンを植民地としました。


ではなぜ、日本の韓国併合・満州国などの過去の歴史は、日本のアジア侵略として批判され続けているのでしょうか。


著者は、日本が一方的に悪かったと考える自虐史観は、連合国GHQの占領政策にあるとしています。GHQは昭和20(1945)年9月22日に「降伏後における米国初期対日方針」を発表しています。そこには、究極の目的として、日本が「米国ノ脅威」「世界ノ平和及安全ノ脅威」にならないようにすると明記されているのです。


実際、GHQは30項目ものプレスコードを指定し、GHQの方針に合わない報道は削除・禁止されてきたのです。


・1.SCAPに対する批判
 2.極東国際軍事裁判批判
 3.GHQが日本国憲法を起草したことに対する批判
 4.検閲制度への言及
 5.アメリカ合衆国への批判
 6.ロシア(ソ連邦)への批判
 7.英国への批判
 8.朝鮮人への批判
 9.中国への批判
 10.その他連合国への批判・・・
 20.大東亜共栄圏の宣伝・・(p31)

GHQが日本国憲法を起草した

GHQは対日方針の「究極の目的」のために、軍備を否定し、交戦権を認めない「日本国憲法」」の原案を1週間で作り、日本語に翻訳させ公布させました。


また、宮家を減少させることで皇室を維持してきた仕組みを弱体化させました。


さらに、社会の主要な人材を「公職追放」し、共産主義者や反国家主義者を政府や社会の中枢に送り込んだのです。


報道については、プレスコードで制限し、ラジオや新聞などを活用して「日本が悪かった」と日本人に思い込ませることに成功したのです。


極東国際軍事裁判を事後法(後から作った法律)で開廷し日本だけを一方的に裁く(p41)

日本への経済封鎖

日本人から見れば、もともとヨーロッパ諸国がアジアを侵略してきたのです。江戸時代までの日本人は、そのヨロッパ諸国の意図を見ぬき、南蛮人の追放令・鎖国政策などによって日本が植民地化されるのを防いだのです。


明治維新後は、ロシアが満州を制圧し、朝鮮半島から日本に迫りました。ウラジオストクのロシア語の意味は「東方を制圧せよ」なのです。


支那事変についても、当時、中華民国内で日本人が襲撃され殺害される事件が多発し、中華民国で暮らす日本人を守るため国際条約で認められていた軍隊の駐留させていたことから拡大していきます。


大東亜戦争でも、当時アメリカから輸入していた石油、鉄くず、金属、機械などが 輸入禁止となり、日本の在外資金も凍結されました。日本は経済封鎖による死を拒否し、戦いを選んだのです。


アメリカは鉄くずの日本への輸出を禁止・・オランダを誘い、日本の在外資金の凍結・・1941年8月にアメリカは日本への石油の輸出を禁止しました(p119)

大東亜戦争はアジアの植民地を開放した

対米開戦直後、東條英機内閣は「今次の対英米戦は、支那事変をも含め大東亜戦争と呼称す」と閣議決定しました。そして大東亜戦争の初戦では、日本軍は連戦連勝で、アジア人に自分たちを支配していた白人を追い払う姿を見せることで、「自分たちにもできる」という独立への勇気を与えたのです。


もうそろそろ日本人はGHQのプレスコードから解放され、自国の物語を語ることができる時代になってきたのかもしれません。


ラテン語には「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ」との教訓があります。ロシアのウクライナ侵攻を見ると、ウクライナは戦争への備えが足りなかった。日本は平和を維持するに足る軍事力を持っているのか、それとも準備はもう間に合わないのか。今後、どうなるのか見ていきましょう。清田さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・自分の頭で考える・・「自分だったらどのような選択ができただろうか?」・・・「現代に同じような問題・課題が起こらないようにするにはどうすればいいのだろうか?」と考えたりすることです(p22)


・アメリカは、独立国だったハワイ王国を併合(1898年)し、フィリピンを植民地にしました(1898年)・・そこに立ちはだかったのが明治維新を成し遂げが日本でした(p69)


・日本が歴史上に残した業績の意義は、西洋人以外の人類の前面において、アジアとアフリカを支配してきた西洋人が、過去200年の間に考えられていたような、不敗の半神でないことを明らかにした点にある(アーノルド・J・トインビー歴史学者)(p140)


▼引用は、この本からです
「なぜ、日本は戦争したのか?~17の質問から読み解く歴史物語」清田直紀
清田直紀 、アメージング出版


【私の評価】★★★☆☆(79点)


目次


はじめに】「8月15日に終わった戦争」に「名前を付ける」覚悟を
第1章 「さきの大戦」って何戦争のこと?
第2章 なぜ、日本は「大東亜戦争」と名付けたの?
第3章 なぜ、教科書に「大東亜戦争」と書かないの?
第4章  なぜ、GHQはプレスコードを日本に押し付けたの?
第5章 戦争当時の世界はどんな様子だったの?
第6章 何が日本に戦争を選択させたの?1 南からの脅威
第7章 何が日本に戦争を選択させたの?2 北からの脅威
第8章 何が日本に戦争を選択させたの?3 東からの脅威
第9章 日本は欧米列強の脅威にどのように立ち向かったの?
第10章 日本に協力してくれる国はなかったの?
第11章 なぜアメリカは日本を敵視したの?
第12章 アメリカはどのように日本を戦争へ追い込んだの?1
第13章 アメリカはどのように日本を戦争へ追い込んだの?2
第14章 なぜ日本は戦争に踏み切らざるを得なかったの?
第15章 日本は何のために戦争をしたの?
第16章 大東亜戦争で戦争目的は達成できたの? 
第17章 世界の人々は日本をどのように評価しているの?



著者紹介


清田直紀(せいた なおき)・・・現役の公立中学校教師(社会科)。「ニッポンだいすき歴史塾」授業者。「日本・日本人を主人公にした歴史物語」の執筆や授業づくりをライフワークにしている。メタバースプラットフォームclusterで授業を公開


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