「日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条」山本七平

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日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)

【私の評価】★★★★☆(87点)


●著者は、太平洋戦争で日本が敗れた原因は、
 日本人に固有の特性によるものであり、
 その特性は、現在でも変わっていない、
 としています。


 たとえば、わが社には技術力がある!
 と社長が言っていたとしても、
 その技術力とは、関係会社の現場の担当者が
 独力で仕事を覚えて、
 職人として頑張っているだけだったりするわけです。


・「日本軍の強さ」なるものの謎は
 一体なんなのであろうか。
 それは一言でいえば、
 中小企業・零細企業的な強みなのである(p179)


●上が無能でも、
 現場がなんとかこなしてしまうという状況では、
 無能な人が出世できるのが日本なのかもしれません。


・軍人たるや、自らの専門である軍事知識さえ
 まことにあやしげで、
 アメリカ軍の装備や編成についてすら、
 何も知らなかったのが実情であった。
 そしてこの奇妙な現象は、
 常に日本に発生するのである(p54)


●また、こうした状況が原因なのかもしれませんが、
 達成不可能な目標を掲げたりするのも
 日本人の特徴であり、
 温室効果ガスの排出制限の目標設定など、
 その最たるものでしょう。


・「軍の計画はその意気を示すだけである」
 といった人があったが、歩いてみて、
 つくづくそう思わざるを得ない事ばかりだ。(p293)


●さらに、合議制のため、ひとつの戦略を推し進めたり、
 極端な方針転換ができないなど、
 外部から見るとまったく意図を持たずに
 行動しているように見えるのでしょう。


・当時日本を指導していた軍部が、
 本当は何かを意図していたのか、
 その意図は一体何だったのか、
 おそらくだれにもわかるまい。
 というのは、日華事変の当初から、
 明確な意図などは、どこにも存在していなかった。
 ただ常に、相手に触発されてヒステリカルに
 反応するという「出たとこ勝負」を
 くりかえしているにすぎなかった(p65)


●私も日本人であるかぎり、
 そうした傾向はあるはずです。


 自戒するためにも繰り返し読みたい一冊として
 ★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・奇妙なことに、精兵主義があれば
 精兵がいることになってしまい、
 強烈な表現の軍国主義があれば、
 強大な軍事力があることになってしまう。
 これはまことに奇妙だが、形を変えれば
 現在も存在する興味深い現象である。(p75)


・根本的には、日本の「タテ社会」に基因する、
 陸海に共通する決定的な「タテ組織」に
 あったのであろう。これは単に陸海の
 不協力だけではなく、陸軍内の空地・歩砲の
 協力すら行わせないほど徹底していた(p176)


・日本人は命を粗末にする(小松真一)(p227)


日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)
山本 七平
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【私の評価】★★★★☆(87点)



●著者紹介・・・山本 七平

 1921年生まれ。砲兵としてマニラで捕虜となる。戦後、山本書店を
 設立し、ユダヤ系翻訳出版に携わる。「日本人とユダヤ人」が300万部
 の大ベストセラーとなる。その他、名著多数。1991年逝去。


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