「「峠」時代の創造と勤勉 (日本を創った戦略集団)」堺屋太一、宇野宗佑、山本七平、神坂次郎、佐藤雅美、中川八洋

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「峠」時代の創造と勤勉 (日本を創った戦略集団)

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■15世紀からの戦国時代は、
 日本の経済が飛躍的に発展しました。


 利水と灌漑。
 新種の作物。
 鉱山開発。


 15~16世紀に日本の人口は
 二倍になったそうです。


 さらに徳川幕府により
 治安が良くなり産業が発達し、
 元禄時代までに
 人口はさらに二倍になったのです。


・元禄時代になると、・・・
 鉱山資源も掘り尽されて枯渇、
 金、銀の生産は急速に減少する(p13)


■ところが元禄時代になると、
 経済は停滞します。


 開墾できる土地がなくなる。
 資源が枯渇する。
 人口も停滞します。


 この元禄以降の非成長時代、
 日本社会は安定していましたが、
 幕府の財政は悪化。


 この本でいう「峠」時代とは、
 18世紀元禄の頃です。


・第三代将軍家光のころになると急激に財政が悪化、
 四代家綱の時代に至って先代からの貯えを
 使い果たしてしまう・・実際には働きのあに武士の増加や、
 江戸の大火の復興援助などの支出増加によるところが大きい。
 政府の財政を悪化させるのは、いつでも軍事費か、
 そうでなければ過剰雇用とばら撒き福祉だ(p47)


■当時も財政再建に命をかけて
 取り組む人がいました。


 そして停滞の時代にも
 商人は商売をしていたのです。


 いつの時代にも、
 人は生きていけると感じました。


 堺屋さん、
 良い本をありがとうございました。


─────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・浪人は、身分的には「武士」の範疇とみなされていたが、
 経済的には失業者だから最貧層に属する。
 それだけに徳川時代の武士が浪人になるのを恐れたことは、
 今日のサラリーマンが解雇を恐れる比ではない(p43)


・徳川幕藩体制の巧妙な人事組織政策・・・
 格式による満足感の拡大は、「禄(収入)と
 権(権限)と位(階級)の分離
」(p50)


・中世の商業は一定の場所に定住して行うのではなく、
 一定の商品の専売権を与えられた座が、ほかの座の
 営業区域を相互に侵さないというしきたりで行われた。
 ・・互いに紛争が絶えなかったものらしい(p85)


・近江商人はそれぞれ家憲・家訓・店規・店則を作り、
 また「三つ割銀」と称し、五・三・二の配分率で、 
 純利益を本家納め、本店積み立て、店員配当に分けた・・
 このことは丁稚・番頭など従業員に勤労意欲を持たせ、
 店に対するロイヤリティーを高めるという成果を上げた(p106)


・重臣七名は、鷹山派の家臣に出勤停止の命令を出しておいて、
 四五カ条からなる訴状をもって鷹山に謁し、訴状の
 とおりにするか、それとも藩主をやめるか、さもなくば
 幕府に訴えるぞ、と恫喝し迫ったのである(p251)


・恩田木工の財政再建は・・藩内の武士も農民も全員が、
 木工に対して絶対的な信頼と信用を寄せたことが、
 その財政再建策への円滑な実行の基盤となっている・・
 財政再建の執行の前に、妻との離縁、子供への勘当、
 家来全員の解雇の決意は、この"去私"と"死の覚悟"
 なしでは決してできるものではない(p276)


「峠」時代の創造と勤勉 (日本を創った戦略集団)

集英社
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【私の評価】★★★☆☆(75点)



■目次

「ゼロサム社会」の苦悩が生んだ知恵と抵抗
忠臣蔵の人間学―裏切られた順応者の反乱
近江「商い集団」の群像―情報戦略と行動力
石田梅岩心学と商人たち―日本資本主義の精神を開いた人々
吉宗・宗春、徳川の改革と放漫―泰平の世の理想と現実
田沼・松平にみる進歩と抑圧―意次を粉砕した定信の怨念
上杉鷹山と恩田木工の改革集団―財政再建を成し遂げた男たちの素顔


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