「アメーバ経営が会社を変える―やる気を引き出す小集団部門別採算制度」三矢 裕、谷 武幸、加護野 忠男
2014/11/07公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
■アメーバ経営について大学の先生が
まとめた一冊です。
一連のアメーバ経営の原則と、
考え方がまとまっています。
アメーバ経営とは、
社内に10人単位程度のチームを作り、
そのチームで独立採算をとる。
そしてリーダーには、
他のアメーバとの価格交渉や、
人の増減の権限があるのです。
・アメーバ経営では、リーダーは、小さな町工場や
商店の社長としての立場で、経営に参加する。
・・・あの八百屋は月に50万円くらい売り上げる。
おまえは300万円や。あの八百屋のおっさんより
頑張らなあかんやぞ」と言われた。(p30)
■アメーバのリーダーには、
責任と権限があります。
本当に中小企業の
社長のようなものでしょう。
だから成績が悪ければ
リーダーが変わることもある。
リーダーになっても給料は変わりませんが、
その後の出世には影響するようです。
・アメーバの経営を任されれば、・・・
社長としての意識で仕事をするようになる。
京セラの社員は約1万3000人。
アメーバの数はおよそ1200。
要するに、10人に一人くらいの割合で
このような場が与えられている。(p51)
■インタビューも行っていますので、
ときどきエピソードが
挿入されているのがいい。
ただ、
アメーバ経営で働いている人からすれば、
大学こそアメーバ経営を導入すれば?
と思われるかもしれません。
そのたいへんさが分かる
一冊でもありました。
三矢さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・アメーバ経営は、リーダーの自主的な判断に
委ねるウェートが大きき。その分だけ、
彼らに正しい判断をさせる基準が必要になる。・・
高い倫理観や原理原則といった普遍的な
価値観をベースにした判断基準がなければならない(p5)
・アメーバ同士の取引では、値段が折り合わない
ケースもある。このようなときには、
両アメーバを統括する責任者が調停を行う(p76)
・社外にもっと素晴らしものがあれば、
それを買うこともできる。・・・
供給側のアメーバが、外の会社との
厳しい競争にさらされることになる(p78)
・毎日の生産、経費、時間などの主要な項目は、
翌日には日報という形で各部署に配られる・・
生産の締めは月末最終稼働日の正午である。・・・
一時間後の昼礼で、この概算値を使って、
全員にその月の成果が報告されていた・・さらに
一時間後に・・事業部長主催の反省会が行われた(p155)
・昼礼にしろ、事業部の反省会にしろ、
ポイントは、実績が出た時点ですぐに検討を行い、
次の手を打つということである。(p156)
・稲盛会長に『組織の変更をしたいんです。10月から
新体制でやりたいと思っています』と言いに行きます。
すると、ものすごく叱られるんです。『今悪ければ、
なぜ今変えないんだ!10月からとか、そんなこと関係あるか。
八月に悪いんだったら、九月から変えなさい』(p184)
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