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「帝王学―「貞観政要」の読み方」山本 七平

2005/10/13公開 更新
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【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

●はずかしい話しですが、
 「貞観政要」読めませんでした。
 【じょうがんせいよう】ですね。


 【貞観】とは、今から約1300年前、
 唐王朝の太宗(二代皇帝李世民)が
 治めた元号です。


 この時代は、善政により治安は安定し、
 平和な時代であったといわれています。


 したがって、「【貞観】政要」とは、
 太宗が行った善政の要諦を問答集の形で
 とりまとめたものです。


・『貞観政要』(じょうがんせいよう)・・・本書はまず帝王の必読書として天皇に進講され、やがて北条、足利、徳川氏らが用い、民間でも知識人の必読書として広く読まれた。(p15)


●この本を読めば、
 この「貞観政要」のポイントを理解できます。


・『貞観政要』の帝王学は、要約すれば、次の五項目になるであろう。
 第一は、「安きに居りて危うきを思う」である。・・・
 第二は、「率先垂範、我が身を正す」ことである。・・・
 第三は、「臣下の諫言に耳を傾ける」ことである。・・・
 第四は、「自己コントロールに徹する」ことである。・・・
 第五は、「態度は謙虚、発言は慎重に」である。(p224)


●非常に常識的な内容なのですが、
 これを実行することが困難であることは、
 現代の起業経営においても同じ間違いを犯している例が
 数多くあることからわかります。


 常識的内容ということで★3つとしましたが、
 実はこの内容を実行することができるかどうかが、
 ★5つなのかもしれません。


この本で私が共感した名言

・リーダーの資質を考えると、まず、皆がまことに率直に意見を言っており、一人として、面従腹背ではないということである。これを可能にしているのは、太宗に「聞くべきことは聞く」という態度があるからであろう。(p54)


・もし自分がいま、幼い子を残して世を去らねばならぬとなったら、その子をだれに託すか。自分の周囲の人々を頭に浮かべて、「ああ、この人なら託せる」と思える人がいれば、それが信頼するに足る人物である。(p86)


・「軍部内の和を乱すまい」-不思議なことに、国の存亡にかかわるという状況になっても、このことが優先している。塩野氏の指摘された「和によって亡ぶ」は必ずしも未来のことではなく、過去にすでに経験済みなのである(p70)


▼引用は下記の書籍からです。


【私の評価】★★★☆☆(78点)



著者経歴

 山本 七平・・・1921年生まれ。青山学院高商学部卒。戦時中は、砲兵少尉としてフィリピン戦線を転戦。戦後、山本書店を設立し、聖書、ユダヤ系の翻訳出版に携わる。著書多数。1991年12月死去。


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