「日本人と中国人―なぜ、あの国とまともに付き合えないのか」山本 七平

|

日本人と中国人―なぜ、あの国とまともに付き合えないのか (Non select)

【私の評価】★★★★☆(83点)


●日本人は信用できない、
 理解できないという外国人が多いようです。


 私は、日本人ほどお人好しで、
 正直な国民はいないと思うのですが、
 これはどこから来るのでしょうか。


 それにはまず歴史をさかのぼる
 必要があるでしょう。


●この本は、1972年に書かれたもので、
 この年に、日中国交正常化が行われています。


 そしてその陰で、
 日本と台湾の間で締結されていた
 日華平和条約は一方的に破棄されました。


 ここで著者は、日中国交正常化は、
 日本人の特性を理解した中国の上手な世論操作と、
 原則よりも空気に流される
 日本人の特性が出ているとしています。


・では一体秀吉はなぜ朝鮮に攻め込んだのか?・・・
 日本がなぜ中国に進攻し、
 どういう理由で南京攻略をやったのか

 なぜ真珠湾を攻撃したのか
 なぜ田中首相と新聞記者の大群が北京へ飛んだのか?・・・
 外相の一片の声明で日華平和条約を破棄しても
 一言の反論も疑問の提示も起こらぬのか?(p171)


●こうした日本人の特性は、歴史において
 多くの理解不能の出来事を引き起こしています。


 その一つに、虐殺の真偽について話題の多い、
 日中戦争における南京攻撃があります。


●著者は、南京攻撃の本質の問題として、
 日本が中国に提案した無条件降伏ともいえる提案について、
 中国が受諾することを12月8日に確認したのに、
 12月10日に南京城総攻撃を
 開始したことが理解不能としています。


・南京事件に関する「虚報」と、事件の本質との関係・・・
 「ポツダム宣言に等しきものを提示しておいて、
 相手がそれを受諾すると通告したら、
 提示した本人がいきなり総攻撃を開始した」
 というこの問題
の「核」ともいうべき事実(p48)


●つまり、強盗に「金を出せ」と言われたから金を渡したら、
 殺されてしまった、というようなわけです。


 そして、南京陥落を称える当時の新聞の論調などから
 南京攻撃は当時の国民感情からきたものであると
 分析しています。


・近衛公の手記に
 「とかく我国の外交論には感情論が多い」
 という嘆息がある。・・・
 「評論家」であるべきはずの新聞が、
 逆に「感情」の代言者となった。
 それは南京陥落を報ずる新聞の狂態ぶり
 よく表れている。(p45)


●こうした日本人の原則のなさは、

 「人の命は地球より重い」
 (実際は地球のほうが重いのですが・・・)

 といった理由で、法律を曲げてでも
 ハイジャック犯の言いなりになってしまう
 という事例にも表れていると思います。


●やや難しい本ですので、二度読み返しましたが、
 日本人の特徴である、
 感情が原則よりも優先してしまうという欠点を
 十分にかみ締めることのできる一冊だと思います。

 ★4つとしました。


PS:山本 七平氏を本のソムリエ認定優良作家に追加しました。
優良作家⇒ http://www.1book-day.com/books-writer.htm


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・琉球は「両属の国」である。
 しかし日本は廃藩置県と同時に、
 これを一方的にまず鹿児島県へ編入した。・・・
 [1880年]に出来上がった協定は「沖縄分割案」で、
 それでは宮古・八重山両群島は中国領であって日本領ではない。
 日本側はこれを承認し、中国側は拒否した。・・・
 こういう問題を、何らかの機会に法的に
 決着をつけておかないのは、
 日本の「悪しき伝統」の一つかもしれない。(p263)


 ・理念としての「中国」と
  現実に中国大陸を支配している「中国」との二重映像が、
  絶えず日本人を躓かせるのであって、
  明治以降の日中交渉史は、実にこの躓きの歴史である。
  日本人は絶えず「中国に裏切られた」と感ずる。(p103)


▼引用は、この本からです。

日本人と中国人―なぜ、あの国とまともに付き合えないのか
イザヤ・ベンダサン 山本 七平
祥伝社 (2005/01)
売り上げランキング: 18,655
おすすめ度の平均: 5
5 日中関係に於ける日本側の問題点
5 これからの300年も古くならない、ああ、山本七平氏

【私の評価】★★★★☆(83点)



■著者紹介・・・山本 七平

 1921年生まれ。青山学院高商学部卒。戦時中は、砲兵少尉として
 フィリピン戦線を転戦。戦後、山本書店を設立し、聖書、ユダヤ系の
 翻訳出版に携わる。著書多数。


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへblogrankings.png


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
25,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト発行者の日記



この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読

>月別(2002年7月~)