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「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」小林 昌平

2022/12/15公開 更新
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「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」小林 昌平


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

 仕事、人間関係、恋愛、病気といった人生の中で私達が向き合うであろう課題に対して、過去の哲学者の考え方を紹介しながら、対処法を教えてくれる一冊です。例えば、仕事であれば、細かく分割して誰がいつまでに何をすればよいか明確にしておけば、問題なく進むでしょう。デカルトは、「困難を分割せよ」と教えてくれているのです。


 また、仏教では、すべてのことは「無常」。うまくいっても、うまくいかなくてもすべてのことは過ぎ去るのです。だから過去のわだかまりや、未来の不安を考えるよりも、目の前のやるべきことに集中するべきなのです。仏教では「今・ここ」に集中することを教えてくれています。


 富については、ウェーバーはプロテスタントの方がカトリックの信徒よりも裕福であることに着目し、神から与えられたやるべき行いに専念しよう!と提言しています。勤勉、倹約が富に至る道なのです。


・道元・・・些事、雑事、凡事こそ、悟りに至る修行(p210)


 こうして読んでみると、哲学者が考えてきたことは今でいう成功哲学、マインドセットと表現されていること同じであるとわかります。例えば、アリストテレスは、「今この瞬間のやりたいこと、やるべきことに熱中せよ」といっています。これは、ワクワクすること、やりたいことをやってみよう!という成功哲学の考え方と同じでしょう。


 ニーチェも失敗を恐れず、チャレンジし、浮き沈みある、おもしろいけど困難に対処していく人を「超人」と表現しています。現代社会でいえば、「世界を変える」ために起業したベンチャー起業家のようなものでしょう。ワクワクするような仕事に集中していると、ゾーンに入る、つまりフロー体験することもあるでしょう。そうした時間を忘れてしまうような仕事があるとすれば、仕事も面白いものになるはずなのです。


・心理学者チクセントミハイの提唱する「フロー体験」(p97)


 こうした先人が悩み記録した哲学を教えてくれる本があることで、原書を読んでみたくなるのだと思いました。私も高校生の頃、デカルトについて知り、原書を読みたくなったことがありますが、受験生にそんな時間はありませんでした。


 社会人こそ、読みたい本を読む、知りたいことを調べる、やってみたいことをやれるチャンスなのでしょう。小林さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・瞑想することは「悩む人」から「悩みを観察する人」になることにほかなりません(p70)


・ソクラテス・・・「大切なことは、ただ生きることではなく、よく生きることである」(p244)


・アドラー・・下に見てくる人は、下に見ることでしか生きられない何かをかかえている人です・・・下に見られることを自分の課題として「内面化」させてしまうぐらい自信がないのであれば、それはあなた自身の課題です(p142)


・ウィトゲンシュタイン・・・神秘とは、世界がいかにあるかではなく、世界があるというそのことである(p266)


▼引用は、この本からです
「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」小林 昌平
小林 昌平、文響社


【私の評価】★★★☆☆(78点)


目次

仕事(Work)
・将来、食べていけるか不安/アリストテレス
・忙しい。時間がない/アンリ・ベルクソン
・お金持ちになりたい/マックス・ウェーバー
・やりたいことはあるが、行動に移す勇気がない/ルネ・デカルト
・会社を辞めたいが辞められない/ジル・ドゥルーズ

自意識・劣等感(Self-consciousness / Inferiority complex)
・緊張してしまう/ゴータマ・シッダールタ(ブッダ)
・自分の顔が醜い/ジャン=ポール・サルトル
・思い出したくない過去をフラッシュバックする/フリードリヒ・ニーチェ
・自分を他人と比べて落ちこんでしまう/ミハイ・チクセントミハイ
・他人から認められたい。チヤホヤされたい/ジャック・ラカン
・ダイエットが続かない/ジョン・スチュアート・ミル
・常に漠然とした不安に襲われている/トマス・ホッブズ
・人の目が気になる/ミシェル・フーコー

人間関係(Human relations)
・友人から下に見られている/アルフレッド・アドラー
・嫌いな上司がいる。上司とうまくいっていない/バールーフ・デ・スピノザ
・家族が憎い/ハンナ・アーレント

恋愛・結婚(Love / Marriage)
・恋人や妻(夫)とけんかが絶えない/ゲオルク・W・F・ヘーゲル
・不倫がやめられない/イマヌエル・カント
 【別解】親鸞
・大切な人を失った/ジークムント・フロイト

人生(Life)
・やりたいことがない。毎日が楽しくない/道元
・人生の選択に迫られている/ダニエル・カーネマン
・夜、孤独を感じる/アルトゥール・ショーペンハウアー

死・病気(Death / Disease)
・死ぬのが怖い/ソクラテス
・人生がつらい/マルティン・ハイデガー
・重い病気にかかっている/ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン



著者経歴

 小林 昌平(こばやし しょうへい)・・・1976年生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。専攻は哲学・美学。著書『ウケる技術』(共著、新潮文庫)は20万部のロングセラーとなり、東京大学i.schoolでのワークショップの教材となるなど、その後のビジネス書に大きな影響を与えた。大手企業に主任研究員として勤務する傍ら、学会招待講演、慶応義塾大学ゼミ講師も務める。テーマは人文科学の知見をビジネスに活用する " Humanities on Industry(HoI)"。


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