「失敗の本質―日本軍の組織論的研究」戸部 良一 寺本 義也 鎌田 伸一 杉之尾 孝生 村井 友秀 野中 郁次郎

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失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

【私の評価】★★★★★(92点)


●この本は2つの楽しみ方があると思います。
 落胆するか、苦笑するかです。


 軍部がお役所になっただけで、
 日本の本質が変っていないことに、
 とてつもない悲しさを感じました。


 それでも、この日本で生きていかなくてはならないのですから、
 しっかり対策を考えましょう。


 ・いかなる軍事上の作戦においても、
  そこには明確な戦略ないし作戦目的が存在しなければならない。
  目的のあいまいな作戦は、必ず失敗する。(p188)


●日本の会社は、
 戦略があいまいな場合が非常に多い。


 やはり自分で会社の戦略を作るくらいの
 気持ちでいきたですね。


 ・個々の戦闘における「戦機まさに熟せり」、
  「決死任務を遂行し、聖旨に添うべし」、「天佑神助」、
  「神明の加護」、「能否を超越し国運を賭して断行すべし」などの
  抽象的かつ空文虚字の作文には、それらの言葉を
  具体的方法にまで詰めるという方法論がまったく見られない。(p202)


●これも日本の長期計画などを見ると、
 まさに「抽象的かつ空文虚字の作文」なのです。


 自分で書くならどう書くか、
 考えたいものです。


 ・(インパール作戦)六月上旬に河辺方面軍司令官は
  第十五軍の牟田口司令官を訪れた。両者とも
  作戦中止を不可避と考えたにもかかわらず、
  「中止」を口に出さなかった。牟田口は
  「私の顔色で察してもらいたかった」といい、
  河辺も牟田口が口に出さない以上、
  中止の命令を下さなかった。(p219)


●「オレの顔を見て分らなかったのか」と
 言っていた上司がいました。


 分らない私が悪いのか、
 言わない人が悪いのか。


 ・米国は艦型の種類を絞り同型艦をできるかぎり長期間設計変更しない
  で大量生産方式でつくる
ことに力を注いだ。・・・
  他方、日本海軍では・・・・まさに一品生産的なつくり方である。(p214)


●GEと三菱重工業を比べると、まさにこの通りです。
 大量生産と一品改善主義。


 どちらがいいとはいえませんが、
 今のところ会社の利益率から見て
 前者が強さを持っています。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


個人責任の不明確さは、評価をあいまいにし、
 評価のあいまいさは、組織学習を阻害し、
 論理よりも声の大きな者の突出を許容した(p237)


失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
戸部 良一 寺本 義也 鎌田 伸一 杉之尾 孝生 村井 友秀 野中 郁次郎
中央公論社
売り上げランキング: 956
おすすめ度の平均: 4.5
3 戦争の戦歴がわからないと理解しずらい。
5 ただの組織論以上の内容
4 戦略に関する宝石のような貴重な文献
4 いい本だなあ
4 個人の失敗から見る組織の問題点

【私の評価】★★★★★(92点)



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