【書評】「大投資家ジム・ロジャーズが語る商品の時代」ジム・ロジャーズ
2006/01/27公開 更新

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【私の評価】★★★☆☆(76点)
要約と感想レビュー
商品はインフレヘッジの手段
リスクヘッジという言葉があります。自分が死ぬことを想定して、生命保険をかけます。自動車事故を想定して、自動車保険に入ります。大地震が来ることを想定して、非常用持ち出し袋を準備します。
しかし、インフレを想定して、保険をかけている人はいるでしょうか。著者は過去45年間で見ると、商品はインフレヘッジの手段として株式と債権のどちらよりも優れているというのです。
本当にポートフォリオを分散させたければ必ず商品を入れておくべきだ。商品投資は、株の下落相場やひどいインフレに対してだけでなく、深刻な不況に対しても有力なヘッジ手段となりうる(p30)
値段の安い今のうちに買っておく
今、日本はデフレ対策という名目で金利ゼロにより、ジャブジャブお金を供給しています。これではインフレにしようとしているようなものです。さらに、需要と供給のバランスで決まるという物の値段は、中国という需要の増大により、かなり上がってきました。
つまり、世界的な商品供給不足の状態にある中、中国が大きな消費者として急速に台頭しているのです。こうしたインフレ(物の値段が高くなる)への対策としては、値段の安い今のうちに買っておくことでしょう。
しかし、油や鉄やトウモロコシを大量に買って、家に置いておくことはできません。ところが、商品先物を利用すれば、あたかもそれらの商品を買ったのと同じ効果を持つことができるのです。
商品先物が優れているのは、そういった物理的なモノ、触ったり嗅いだりできる価値ある資産を、すべて容易に取引できる紙片に変えてしまうところだ。(p111)
分散投資には商品が必要
本書は、半分以上が、商品の優位性の説明となっています。全て読んでも世界の物の需要と供給がわかって面白いのですが、大切なのは分散投資には商品が必要ということでしょう。インフレ対策として株、債権だけでなく、商品がある!ということを教えてくれた一冊として★3つとしました。
なお、商品投資の目的は、あくまでもインフレのヘッジですから、保険と同じように余裕の範囲内で投資すべきものであり、金儲けを目的にすることは避けたいものです。
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この本で私が共感した名言
・警告:商品価格が流れるのを長時間見続けると-精神的にも金銭的にも-健康を害する恐れがあります。(p144)
・鉛ほど好調な商品はほとんどない。(p255)
・中央アジアの旧ソビエト圏の共和国に投資するやつはアホだ。(p207)
【私の評価】★★★☆☆(76点)
著者経歴
ジム・ロジャーズ(Jim Rogers)・・・1942年生まれ。大学卒業後、米陸軍に従事し、その後、ウォール街 で働く。ジョージ・ソロスと共同で国際投資会社クォンタム・ファンドを設立し、10年で40倍以上の驚異的なリターンを実現する。37歳で引退。世界をバイクや車で回り、コロンビア大学で教鞭をとる。
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